企業の未来を創るビジネスコラム ひらめきのタネ メインフレーム、レガシーシステムオープン化のメリットとベンダーの選び方

2015年12月22日

メインフレームを利用して構築された巨大レガシーシステム。いまだ安定はしているものの、オープン化すべきかどうかタイミングを見計らっているシステム担当者も多いのではないでしょうか。
現在はオープン系システムが主流とされていますが、オープン系システムのメリットを理解してはいても、移行するための膨大な手間やコストを考えた場合、現状で動いているシステムのオープン化に躊躇してしまうケースもあるでしょう。
今回は、そうしたシステム担当者に向けて、レガシーシステムを動かし続けることのメリットとデメリット、オープン化することのメリット、ベンダーの選び方をご紹介します。

メインフレーム、レガシーシステムオープン化のメリットとベンダーの選び方

メインフレーム、レガシーシステムのメリット

レガシーシステム

レガシーシステムのレガシー(legacy)は「遺産」を意味するため、あたかも古い、過去の遺物になってしまったシステムと否定的に捉える方がいるかもしれません。確かにそうした意味合いもあります。しかし、そもそもレガシーシステムは単一のベンダーがオーダーメイドで開発したシステムであり、プロプライエタリ(独自仕様)なシステムとも呼ばれています。
この場合、ベンダーは単に基幹システムを開発するだけではなく、業務に合わせて必要とされるソフトウェアや、基幹システムに用いられるハードウェアをまとめて提供します。さらに、メインフレーム開発の過程で企業のニーズに合わせて作り込まれ、トラブルが発生するたびに設計が改良されるため、システムとしての安定性は優れているといえます。高い信頼性が求められる銀行業務などでは、今でもレガシーシステムであるメインフレームが利用されています。

メインフレーム、レガシーシステムのデメリット

メインフレーム、レガシーシステムのデメリット

レガシーシステムは基幹システムからソフトフェア、ハードウェアまですべて独自仕様で開発・組み合わされていることが特長でありメリットでもありますが、そのメリットがそのままデメリットにもなり得ます。

例えばシステムの一部を変更し、追加や修正、改良を加えようとした際に、過去に設計に携わったエンジニアが退職している場合などが挙げられます。担当エンジニアがいない場合、プログラムの理解が困難となり、容易に手を加えられないという弊害が生じるのです。

つまり、レガシーシステム最大のデメリットは、業務そのものがシステムに縛られてしまいがちなこと、ひいては企業の柔軟な業務改革を抑制してしまうことといえるでしょう。

オープン化のメリット

レガシーシステムをオープン化するメリットは、企業の業務に合わせた柔軟なシステム運用が可能になる点でしょう。オープン系システムは拡張性が高いため、業務の変化に合わせてシステムを変更・修正できます。
もっとも、実際の運用にあたってはレガシーシステムと比較してバージョンアップの頻度が多いなどのデメリットも見られます。しかし長期的な視野で見れば、企業のビジョンに合わせて戦略的にシステムを最適化できることは非常に大きなメリットといえます。

ベンダーの選び方

レガシーシステムのオープン化を進める場合、どのようにベンダーの選定を行えば良いのでしょうか。ベンダーの選び方の中から、以下の3つのポイントをご紹介します。

【ポイント1】オープン化の実績

ベンダーを選ぶ際に見極めたい1つ目のポイントは、「レガシーシステムのオープン化」の実績が豊富かどうかです。中でも、自社と同業種、または同規模の企業のシステムオープン化実績があれば申し分ありません。
リプレースの際はパッケージにするか、オーダーメイドにするかが大きな問題となりますが、自社の業務や業界の趨勢を把握した上で最適なソリューションを提案してくれる、実績あるベンダーを選ぶことが重要です。

【ポイント2】サポート体制

システムをオープン化した後にも、企業の業務内容や手法に変化が生じることは少なくありません。そのような場合には、システムの改修が必要となります。また、思わぬ災害によってシステムにトラブルが発生する可能性も捨て切れません。このように、システムの改修やトラブル時にベンダーがすぐ駆けつけてくれるかどうかも、ベンダー選びのポイントの1つです。「システムをオープン化したらそれで終わり」というベンダーではなく、新システム導入後も手厚いサポートを提供してくれるベンダーを選びましょう。

【ポイント3】最初の契約期間を限定する

最初の契約期間を「要件定義書作成まで」などと限定することで、ベンダーの見極めを図ることも有効な手段ではないでしょうか。企業のシステム入れ替えとなると、失敗は許されません。ベンダー選びは、厳しくかつ慎重に行いましょう。

もちろん、ベンダーの選び方は上記の3点だけではありません。業種や企業規模、解決したい課題によって、ベンダーの選び方が変わる可能性もあります。

おわりに

メインフレーム、レガシーシステムをオープン化するかどうかにあたって重要となるポイントは、自社がどのような企業理念、戦略を持っているのかを再確認することです。もちろん、オープン化する際のコストや納期を検討することも必要です。こうした根本的な議論こそが重要な部分を占めることを念頭に置いて、メインフレーム、レガシーシステムオープン化を検討しましょう。


ニッセイコム独自の開発手法である「HostFramework」は、レガシーシステムのメリットである独自業務のカバーや操作性の確保、そしてパッケージソフトウェアのメリットであるコストの安さと納期の短さを兼ね備えています。自社のレガシーシステムオープン化を検討中であれば、ニッセイコムの「HostFramework」の利用もぜひ視野に入れてください。

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