GrowOne 人事SX, GrowOne 給与SX 導入事例 社会福祉法人恩賜財団 大阪府済生会富田林病院 様

システム標準機能で、複雑な給与体系に対応。
診療報酬改定時にも効率的な業務運用を実現。

導入製品
GrowOne 人事SX, GrowOne 給与SX
業界/業種
病院
職員数
460名(2025年5月1日現在)
富田林病院様

取材にご協力いただいたお客様
総務課 課長代理 井添通昭 氏、総務課 課長補佐 小谷知広 氏

この記事のポイント
  1. 01導入時の課題
    • 改正された社会福祉法に対応するためには、既存の給与計算システムでは内部統制への対応や、業務処理において課題があった。
    • 新たな人事給与制度の移行に際し、各種制度の見直しにも柔軟に対応できるシステムが必要だった。
  2. 02選定理由
    • 業務の非効率性の改善やセキュリティリスクを払拭でき、全ての業務を製品の標準機能で対応できる。
    • 勤怠管理システムと連携することで、スムーズに給与計算を行うことができる。
  3. 03導入効果
    • 勤怠情報を取り込むだけで給与計算できるようになり、業務効率が大幅に向上。職員採用など他業務にも取り組むことが可能になった。
    • 診療報酬改定時においても、自分たちで柔軟に手当項目の追加や、計算式の変更が行え、スムーズに運用できるようになった。

導入の背景・課題

社会福祉法の改正と新人事給与制度への移行を機に、人事給与システムのリプレースを決定

-- 人事給与システムのリプレースを検討された背景と当時の課題についてお聞かせください。


総務課 課長代理
井添氏

井添氏:人事給与システムのリプレースを検討し始めたのは、2016年でした。同年3月に成立した「社会福祉法等の一部を改正する法律」により、社会福祉法人における経営組織のガバナンス強化が求められるようになりました。
その中で、内部統制への対応や、従来の人事給与システムでは業務処理において手作業が発生するなど、いくつかの課題を抱えていることが見えてきました。

一方、2016年に新しい院長が就任し、病院の建替計画の準備が着々と進行していました。
また、新院長は厳しい医療環境の中で安定的な経営を実現し、病院としての社会的使命を果たすために人事給与制度を見直すという方針を打ち出しました。

このような外的要因と内的要因が重なり、新たな人事給与制度の運用開始と同じタイミングで、新しい人事給与システムにリプレースすることを決めました。

-- 改正された社会福祉法に準拠するに当たり、見えてきた給与計算システムの課題とは具体的にはどのようなものでしょうか?


総務課 課長補佐
小谷氏

小谷氏:当時は紙ベースの出勤簿を使用していました。また、その時使用していた給与計算システムは外部からのデータ取り込みができなかったため、紙ベースの出勤簿から必要なデータを抽出して、手入力で給与計算システムに登録する作業を行っていました。
このような状況は人的ミスが発生するリスクを常に抱えており、業務の非効率性や作業の正確性に対する不安など、数々の問題点がありました。

また、当時のシステムでは操作ログが取れず、ガバナンス上の課題もありました。
新しい人事給与システムには、業務効率を向上させ、セキュリティ上の懸念も払拭し、最終的にガバナンスの強化を実現してくれる製品を求めました。


-- また、人事給与制度を見直されたとのことですが、どのような変更をされたのでしょうか?


井添氏:昇格・昇給の仕組みを見直しました。従来の人事給与制度はいわゆる年功序列型だったのですが、これを若い職員が働きがいを感じられる形に改めました。
例えば、病院に貢献したと評価されれば、等級を上げ、それに連動して給与も上がるという仕組みです。人事制度や給与規程も大きく変わるので、これらの観点からもシステムを刷新する良い機会だったと思います。

選定理由

重視したのは、システム標準機能で全ての人事給与業務を完結でき、勤怠管理システムと連携してスムーズに給与計算ができること

-- ガバナンスの強化に関する課題や、新しい人事給与制度への移行が今回の背景にあったということですね。
2019年9月、「GrowOne 人事SX」と「GrowOne 給与SX」をご採用いただきましたが、他に検討された製品はありましたでしょうか?


井添氏:「GrowOne 人事SX」と「GrowOne 給与SX」については、済生会福島総合病院など済生会の他の施設での利用実績があり、元々知っていました。ただ、比較検討するため、5社ほどお声掛けし、複数製品の提案を受けました。

先にお話しした業務の非効率性の改善やガバナンス強化に加え、重視した点は3つあります。

1つ目は、人事および給与業務については、業務委託を行わないことです。全ての業務を病院内の人員で実施できるシステムであれば、コスト低減に加えて、職員の教育やスキルアップにも繋がると考えました。

2つ目は、製品に搭載された標準機能で、全ての業務を運用できることです。以前のシステムでは、必要な機能を別途開発する必要がありましたが、その際のコスト削減だけでなく、ガバナンスの強化やセキュリティリスクへの対応という点からも、標準機能で全ての処理を完結できることが必須でした。

3つ目は、勤怠管理システムと連携できることです。当時、紙ベースの出勤簿を廃止し、勤怠管理システムを新たに導入する予定で検討していたので、勤怠管理システムからデータを連携してスムーズに給与計算できることを条件としました。

こうして比較検討した結果、ニッセイコムの「GrowOne 人事SX」と「GrowOne 給与SX」を採用することを決定しました。

導入効果

業務効率が大幅に向上し、ガバナンス強化も実現

-- 既存システムからの移行作業と2か月のテスト期間を経て、2020年4月から稼働開始されました。これまでに実感されている導入効果はどのようなものでしょうか?

小谷氏:計算に必要な人事情報を「GrowOne 人事SX」から「GrowOne 給与SX」に連携させることで手当などを自動計算できるようになりました。
また、同時期に導⼊した勤怠管理システムも「GrowOne 給与SX」と連携させることで、今まで手入力していた作業がなくなり、全て勤怠管理システムから連携されたデータを元に「GrowOne 給与SX」が処理してくれます。

このプロセスの変化により、業務効率は⼤幅に向上し、新しく職員の採用活動や教育など、他の業務にも取り組むことが可能となっています。

さらに、これまでは診療報酬改定時に新しい手当が追加された際、パッケージベンダーに作業を依頼する必要があり、その都度、コストや手間が発生していました。
それが今では、新しい手当を追加する際も、ニッセイコムに問い合わせながら、自分たちで項目の追加や計算式の設定ができるようになりました。病院では診療報酬や制度が頻繁に変わるため、自分たちで柔軟に対応できるのは非常に助かります。

また、必要な操作ログは全て取得できるようにもなり、ガバナンス強化も実現しています。

ニッセイコムのエンジニアによるサポート対応も高く評価、丁寧で迅速な回答に満足

-- 一連のプロジェクトを通したニッセイコムの対応については、いかがでしたか?

小谷氏:ニッセイコムのエンジニアによるサポートには、いつも助けられています。
先にもお話ししたとおり、今回は新たな人事給与制度の運用開始と同じタイミングで新しい人事給与システムにリプレースしました。そのため、新しい人事給与体系での並⾏稼働ができない状況で不安を感じていました。
しかし、移行作業やテスト運用をしっかりとサポートしていただいたおかげで、本稼働後は大きなトラブルは発生せず、順調に移行できました。

また、稼働後も専属のエンジニアの方が担当してくれているので、年末調整や法改正の時はもちろん、電話をすれば、いつでも丁寧にすぐに回答していただけるので、非常に助かっています。

今後の展望

給与明細や年末調整控除申告書の電子化を進め、更なる業務効率化の早期実現を目指す

-- 最後に今後の取り組みについてお聞かせください。

井添氏:今後は院内業務のDXも推進していきたいと考えています。特に給与明細や年末調整控除申告書の電子化は、早く実現したいため、「GrowOne モバイル給与SX」の導入を検討したいと考えています。引き続きニッセイコムには、心強いサポートを期待しています。

お忙しい中、ありがとうございました。

お客様プロフィール

JR西日本中国交通サービス様

1977年10月に富田林市が開設した富田林病院を前身とし、2018年4月からは大阪府済生会が開設者となり病院運営を行っている。2020年11月に新築移転し、新病院にて診療を開始した。大阪府南河内医療圏の急性期医療を担う地域中核病院であり、公的医療機関として、良質な医療、最新の医療を安全に提供することが使命と考え、日々、変化するニーズに対応している。また、二次救急病院として"断らない救急"を目標に救急患者の受け入れを積極的に行っており、年間3000件を超える救急搬送患者を受け入れている。

診療科目
内科・呼吸器・アレルギー内科・循環器内科・消化器内科・腎臓内科・外科・整形外科・小児科・眼科・泌尿器科・⽪膚科・⽿⿐咽喉科・形成外科・産婦人科・脳神経外科・放射線科・⿇酔科・リハビリテーション科・病理診断科(全19 科)
所在地
大阪府富田林市向陽台1-3-36
開院
1977年
医師数
51名(2025年5月1日現在)
職員数
460名(2025年5月1日現在)
病床数
260床
Webサイト
社会福祉法人恩賜財団 大阪府済生会富田林病院
取材日
2025年1月
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