GrowOne メンテナンス 導入事例 株式会社ファム 様

Excelいらず、1つのシステムで全ての業務が完結。
シェア拡大を支える業務環境で、年間約1,000万円の工数を削減。

導入製品
GrowOne メンテナンス
業界/業種
立体駐車場
企業規模
150名(2025年2月現在)
株式会社ファム様

取材にご協力いただいたお客様
取締役 財務部長 兼 情報管理部長 増子修一氏
営業部 業務統括課 課長 原理恵氏
情報管理部 情報管理課 課長 鈴木剛氏
工務部 購買グループ 佐藤誠氏

この記事のポイント
  1. 01導入前の課題
    • パッケージシステムの利用に加えて、部門ごとにExcel とAccess も併用せざるを得ない状況の中、各部門間で情報の確認作業が発生していた。
    • お客様への報告書の作成に時間がかかり、新規契約の増加に伴って、一部の部門では人員の増加が避けられない状況であった。
  2. 02選定理由
    • 保守点検、修繕工事、コールサポート、故障対応など、ファムの業務プロセス全体を管理・サポートできる機能が揃っていた。
  3. 03導入効果
    • 全社で最新かつ正確な情報を共有できるようになったことで、各部門の業務効率が向上。
    • 作業・点検報告書の電子化により、年間約1,000万円相当の工数を削減。

導入の背景と課題

全社で最新かつ正確な情報を共有するための一元管理の実現は、急務の課題だった。

-- はじめに、貴社の事業内容についてお聞かせください。


取締役 財務部長 兼 情報管理部長 増子修一氏
取締役 財務部長 兼
情報管理部長
増子 修一 氏

増子氏:当社は、「立体駐車場事業」、「IT事業」、「コールセンター事業」などを展開しており、基幹事業は「立体駐車場事業」です。

立体駐車場事業では、機械式駐車装置の製造/施工から、保守点検/修繕工事/コールサポート/故障対応にいたるまで、立体駐車場に関わる全てのサービスをワンストップで提供しています。この市場は、まだ多くの開拓の余地があると見込んでおり、当社としてはさらなるシェアの拡大を目指しています。そのためには、限られた人材で安定した業務運営を行うことが必要であり、業務効率の向上が当社にとって重要なテーマとなっています。

-- 従来の業務における課題についてお聞かせください。


営業部 業務統括課 課長 原理恵氏
営業部 業務統括課 課長
原 理恵 氏

原氏:GrowOne メンテナンスの導入以前は、立体駐車場事業の業務情報を管理するためのパッケージシステム(以下、旧システム)を利用していました。しかし、旧システムでは業務に必要な詳細情報を登録するための項目が不足しており、各部門で必要な情報をExcelやAccessを併用して管理していました。このため、各部門で必要な情報を重複して保有している状況でした。

このような状態だったため、業務には多くの非効率が生じていました。たとえば、工事の現場で得た「管理員様の不在時間の情報」は、工事部門ではExcelに、他の部門では別のExcelに登録していたため、工事にお伺いする際は2つの情報に齟齬がないか確認してから訪問していました。

-- 情報管理の他に抱えていた課題はありますか?

原氏:お客様へ提出する報告書の作成に、多くの時間がかかっていました。
業務終了後に作業員はまず手書きで点検報告書や修理報告書を作成し、その後オフィスに戻り、その内容をシステムにも登録していました。その際、紙の報告書をPDFに変換してシステムへ登録したのち、原本を本社に送付するという手順を踏んでいました。

本社では、システムに登録された作業内容を専任の担当者が精査し、誤りがあれば修正し、その修正内容をPDFと、紙の原本にも赤字で記入をしていました。このように精査した報告書を最終的にお客様へ提出していましたが、この一連の作業は非常に時間を要するものでした。従来の方法では、新規契約が増えるたびに、現場での手書き報告書や、本社で修正する報告書が増えることになり、その結果として人員の増加が必要となっていました。

このように紙ベースでの運用は、業務効率の面で大きな課題となっていました。

サービス選定の理由

保守点検・修繕工事・コールサポートから故障対応まで、GrowOne メンテナンスひとつで完結。

-- 「GrowOne メンテナンス」を選定した理由についてお聞かせください。


情報管理部 情報管理課 課長 鈴木 剛 氏
情報管理部 情報管理課 課長
鈴木 剛 氏

鈴木氏:当時、新しいシステムの導入により目指していた姿は、一つのシステムで立体駐車場事業のすべての業務に対応できること、そして、システム内に最新のデータが常に保持されていることでした。

3つの製品を比較検討した結果、GrowOne メンテナンスが、当社が目指していた「一つのシステムのみですべての業務に対応できる」という姿に最も近く、以下の点を評価し、採用を決めました。


    • 「保守点検、修繕工事、コールサポート、故障対応」など、当社の業務プロセス全体を管理・サポートできる機能がそろっていたこと。
    • 利用者にとって使いやすい管理画面であったこと。
    • 帳票電子化システムや協力会社との点検予定日の調整システムなど、サブシステムともデータの自動連携が可能だったこと。
    • 「特定の部門・人のみがマスターを更新できる」等の権限設定が備わっていたこと。

また、クラウド環境でシステムを運用したかったため、ニッセイコムに相談して、運用の実績が豊富なAWS(Amazon Web Services)を選定していただきました。

導入効果

各部門で業務効率の改善を実感。営業部門では年間約1,000万円相当の工数削減も。

-- 稼働から2年が経過しましたが、これまでに実感されている導入効果についてお聞かせください。

増子氏:GrowOne メンテナンスの活用により、立体駐車場事業に関連するあらゆる情報を一元的に集約・管理できました。これにより各部門の業務を大幅に効率化できています。

【営業部門】
原氏:
以前は、チームメンバーを熟練者でそろえて業務を回していました。
しかし現在は、熟練者でなくても、すぐに業務をこなせる環境が整っているため、人の入れ替わりがあった場合でも、柔軟に対応できています。そして、年々増加する新規契約数にも、人員を増やすことなく、安定した業務運用を行っています。

実例を挙げると、以前は、工事実績の集計に旧システムとAccessを用いていましたが、現在ではGrowOne メンテナンスのみで実績集計を行えるようになりました。
また、報告書を電子化したことで、報告書の作成時間を大幅に削減できました。定期点検は月に約800~900件あり、作業報告書は2,000枚以上作成しています。以前は、報告書(PDFと紙の原本)の修正作業に月120時間ほどかかっていましたが、現在はその作業時間を約3割削減できています。さらに、現場の作業者が事務所まで戻り、旧システムに情報を入力する必要もなくなりました。この電子化により、年間約1,000万円相当の工数削減の効果が得られています。

【財務部門】
増子氏:
請求書の発行にかかる時間を大幅に短縮できました。
以前は請求に必要な情報を関係各所から収集し、確認する必要があり、時間がかかっていました。
そのため、新人がスムーズに業務を遂行するまでには数か月を要していましたが、今では情報が一つのシステムに集約され、誰でも簡単に業務を行えるようになり、教育にかかる工数も削減できました。


工務部 購買グループ 佐藤誠氏
工務部 購買グループ
佐藤 誠 氏

【調達部門】
佐藤氏:
工事部品の手配をする際、現場の設置スペースや寸法、構成によって、同じような機械でも部品が異なる、というケースが多々あります。
以前は作業員に確認を要することもありましたが、現在では、システム上で過去の調達実績を参照できるため、作業員に確認することなく、手配間違いの防止を実現できています。
また以前は、購買用の注文伝票などは共有サーバで管理していましたが、システムから出力・参照できるようになったため、管理面においても改善されたと感じています。

【コールセンター部門】
鈴木氏:
旧システムでは、お客様からのお問い合わせ時に、対応に必要な情報の確認に時間がかかっていました。
現在では、定期点検や故障の履歴、工事の内容、物件の契約情報を、ひとつのシステムで確認できるようになったため、お問い合わせ対応業務の効率が大幅に向上し、お客様をお待たせする時間も短縮されています。

今後の展望

部品マスターの活用による見積作成と、部品の在庫管理でさらなる業務効率化の実現を目指す。

-- 今後の活用予定についてお聞かせください。

鈴木氏:現在、GrowOne メンテナンスのシステム上に用意された部品マスターに、部品データの登録を進めています。この部品マスターが完成すれば、見積書の作成時に使用部品と部品単価を自動で反映できるため、見積作成の業務が効率化されます。さらに、部品の在庫管理機能の実装も予定しており、これらの取り組みによって、GrowOne メンテナンスだけですべての業務に対応できる理想の状態に近づけると考えています。

増子氏:今後は、生成AIを活用して見積書や報告書を自動で作成できる仕組みを導入していきたいと思っています。ニッセイコムには、我々が活用できるAIサービスのリリースも期待しています。

-- 最後に、この度のプロジェクトを振り返り、ニッセイコムに対する評価をお聞かせください。

原氏:私たちが要望する内容に問題がある場合、ニッセイコムは「この方法では、こうした問題が生じますよ」と、的確に指摘してくれました。これまで関わったITベンダーの多くは、ただ依頼通りに作業を進めることが多く、こうした指摘をしてくれる会社はほとんどありませんでした。ニッセイコムは、私たちの業務を深く理解し、寄り添ってくれるため、心から信用して任せることができました。まるで"仲間"のようです

佐藤氏:プロジェクトの開始時に提示した要望に対し、GrowOne メンテナンスで実現可能な点や、考慮すべき潜在的な問題点を的確に指摘してくれました。現在も月一度の定例会を、継続的に行っています。これからも心強いサポートを期待しています。

お忙しい中、ありがとうございました。

お客様プロフィール

株式会社ファム 様

1983年の創業以来、立体駐車場のメンテナンス/開発/製造/リニューアルなどを展開。社名のファム(=Famm)は、Factory Automation Men and Machinesの頭文字から命名され、人と機械の融合を表す。2018年からは連続で、国内有数の信用調査会社から、経営者能力/成長性/安定性などから構成される総合評価において「優良企業」の評価を受けている。

事業内容
立体駐車場事業、IT事業、コールセンター事業
本社所在地
神奈川県横浜市中区翁町2-9-4 ファム横浜本社ビル
創業
1983年8月
従業員数
150名
Webサイト
株式会社ファム
取材日
2025年2月
本事例に記載の情報は取材日時点のものであり、本ページ閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

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