教育研究・事務システムの環境構築サービス, 文教向けIT環境構築サービス 導入事例 追手門学院大学様

お客様の声
「リプレースの要であったLMSは、利用率が大幅に向上! 成功の鍵は『無線LAN』『紙媒体の電子化』それと・・・」
追手門学院大学 図書館・情報メディア部 情報メディア課のお二人に、教育研究システムのリプレース経緯やニッセイコムを選んだ理由、リプレース後の成果などについて伺いました。
<写真>
〔追手門学院大学〕
図書館・情報メディア部 情報メディア課 課長 村上道治氏(中央左)
〔弊社〕
営業 野間(左から2番目)、営業 瀬戸(右から2番目)、SE 松本(右端)、SE 脇坂(左端)
導入の背景・目的
— はじめに、今回の教育研究システムリプレースの概要について教えてください。
2008年に実施した前回リプレースから5年が経過した2013年に検討部会を立ち上げました。アンケートやヒアリング等を通じて集めた学生や教職員の要望をまとめ、システム要件を整理しました。
2014年秋学期から新しい環境での運用を始めることを目指して、リプレースを依頼するベンダーの選定を行いました。ネットワークからハード、ソフトウェアまで範囲の広い大規模なリプレースであったこともあり、複数社に提案の依頼を行いましたが、技術的に難しいという理由で途中辞退された会社もありました。
最終候補3社の中から、技術面及び価格面で比較検討を重ねた結果、ニッセイコムへの発注が決まりました。
今回のリプレースで導入した主なハード・ソフトウェアは以下のとおりです。
- 基幹ネットワークシステム(ネットワーク機器 130式)
- 無線LANシステム(無線AP 300式)
- 基幹サーバー(15式)
- クライアントPC(1300式)
- プリンター(75式)
- LMS(Learning Management System)
→ 以下のシステムを組み合わせた一連の授業/学習支援システム
- e-Learningシステム(PC、タブレット、スマートフォンで利用)
- 紙媒体の電子化システム(スキャナ、OCRを含む)
- 授業収録・コンテンツ化システム
- その他アプライアンス製品(セキュリティ製品、CALLシステム等)
各種機器については、最新の機器構成に変更することによる利便性や運用効率の向上、セキュリティの強化などがリプレースの主な目的でした。
また詳しくは後述しますが、今回のリプレースの中でもトピックとなったのはLMSでした。LMSはただ新しいシステムにするだけではなく、課題となっていた利用率の向上を図ることを目指していました。
選定ポイント
選定の鍵となった、コストパフォーマンスと対応品質
— 候補ベンダーの中から、どのようにニッセイコムを選ばれたのか教えてください。
選定に際しては、特に以下の2点を重要視していました。
<コストパフォーマンス>
候補ベンダーの多くは、自社または自社グループのブランド製品をそろえることができる企業でした。しかし、こちらが用意できる予算には限度がありますから、全部を最高級の製品でというわけにはいきません。
各ベンダーに提示した要件書には、各機器の具体的な指定までは盛り込みませんでした。「要はどのような状態を実現したいのか」ということだけを伝え、実現するための手段としての機器の組み合わせ方は自由に工夫して提案していただきました。そうすることで、必要に応じて様々なメーカーの製品が盛り込まれた、最もコストパフォーマンスの高い提案を採用しようと考えていました。
<営業やSEの対応品質>
一時的に切り替え作業を行えば終わりではなく、その後の運用サポートもしていただくことになります。長期間お付き合いすることになるベンダーの営業やSEの方々とのコミュニケーションについても大切にしたいと思っていました。
候補ベンダー各社とは、以前からそれぞれの分野で取引がありました。同じITベンダーであっても、問い合わせに対するレスポンスの速さには違いがありました。具体的な問い合わせの範囲内だけで対応される方もいれば、本質的な部分を汲み取って、学生や先生の意見を先回りして集めた上で提案を返してくれる方もいました。
また直接自分たちで経験した事だけでなく、候補ベンダーと取引をされている他大学にもヒアリングを行いました。多くの情報を集めて、お互いストレスの無いやりとりができるベンダーと一緒に仕事をしたいと考えていました。
これらの観点を重視して、最終的にニッセイコムを選びました。
導入効果
LMS普及のキラーコンテンツは「紙媒体の電子化」
— リプレース作業は順調に進みましたか。
はい。当初の計画通り、2014年秋学期から新しい環境での運用を始めることができました。ニッセイコムのSEは設計段階からきっちり仕事をしてくれました。休日や夏休み期間を使った機器の入れ替え作業もスムーズに進みました。
e-Learning環境を充実させるためにも、無線LANは建屋ごとではなくキャンパス全域に届くようにしました。アクセスポイントの工夫や接続テストに尽力いただき、繋がりにくかったり遅かったりすることのない環境を構築することができました。
— リプレースのトピックとおっしゃっていた、LMSについて詳しく教えてください。
リプレース前からLMSは導入していましたが、操作がわかりにくい、使いづらいといった教員からの声が多く、ほとんど授業で使われていない状態が続いていました。そこでニッセイコムに協力いただき、授業の前後も含めた学生と教員のコミュニケーションや学習のあるべき姿を議論し、以下のような形で全体構成を整理しました。
これらの機能を全て備えた市販のパッケージシステムが無いため、中核システムにはWebClassを採用し、授業収録や紙媒体の電子化などについては複数のシステムを組み合わせ、ニッセイコムにデータ連携などの統合開発をしていただきました。
さらに、SEの方々でワーキンググループを作っていただき、システム稼動後の運用を全面的に支援していただきました。具体的には、ホットラインの設置や、学生や教員との個別対応、実際の授業に参加して使用方法のレクチャー、利用状況の把握など様々な普及活動を展開していただきました。結局は、丁寧な対応につきます。
無線LANを通じて、初めて約600人の学生がいる大講義で投票機能を試みた結果、サーバーが集中アクセスに耐えられなかった事がありました。すぐに修正していただき、今では大講義室での授業でも問題なく使われています。
リプレース前のLMSと比べて、利用率は大幅に向上しました。
この種のシステムは、ただ導入しただけではなかなか普及しません。他大学の話や、情報収集した内容からは、利用率30%がその後の普及への一つの目標と考えていました。
本学では、新しいLMSを少なくとも一度は利用したことのあるユーザー数が、2015年度の時点で全学生の約70%(一年生では90%超)、全教員の約40%まで到達しました。今のところ順調に普及が進んでいると思います。最近では、学生から「なぜこの先生の授業ではこのシステムを使わないのか」というような声も出るようになり、学生側からの突き上げによって使い始める教員もいます。
— これまでの経験を通じてわかった、LMSの活用を広げていくためのコツやポイントがあれば、ぜひ教えていただけますか。
その一つが「紙媒体の電子化機能」です。機能的には地味な部分かもしれませんが、これがLMS普及のためのキラーコンテンツだと実感しました。
LMSは、教員が使わない限り学生には広まりません。まず教員が使ってみたい、使ったほうが自分にもメリットがありそうだと思ってもらうことが肝要だと思います。
教員が最も負担に感じていることの一つが、紙のレポートを回収し、評価や採点を行い、返却する作業です。新しいLMSは提出されたレポートを高速スキャナで読み込むだけで簡単にPDF化・データベース化されます。パソコン上で採点や評価コメントを入力すれば、後は各々の学生が自分の評価結果を自由に閲覧できます。百人を超える規模の授業だと極めて困難だったレポート返却作業が全く要らなくなります。
当初はスキャナが設置してある講師控え室でも啓蒙活動を行いました。ある教員が取り込み作業を行っていると別の教員が「これ、何?」と興味を持って近づいてきます。その場にいたニッセイコムのSEが解説をすると、「いいね、自分も使ってみよう」という具合です。
一度使うとデータが自動的に蓄積されるので、次第に「使わないほうが不便」になります。使い続けていくうちに、他の機能も使ってみようという形で広がっていきます。教員の負担軽減に直結するこの機能は、LMS利用のきっかけとして大変わかりやすく、効果的だと思いました。
また、LMSはスマートフォンに対応するよう依頼しました。そのためPCがない教室でも利用でき、さらには通学途中やアルバイト先など、時間や場所を問わず利用できるようになりました。スマートフォンに慣れた学生にとっては受け入れやすかったのではないかと思います。
今後さらに普及を進めていくと共に、本学が全国に先駆けて実施している「アサーティブ入試」においても、LMSを入学前学習などで活用することを検討しています。様々な学習活動を統合させていくことで、個別の授業前後だけではなく、入学前から卒業後までの学生の成長をトータルに支援できる環境を創り上げていきたいと考えています。
お忙しい中、ありがとうございました。
お客様について
1888年(明治21年)に西日本で最初の私立小学校として、大阪城の三の丸近くに創設された大阪偕行社附属小学校を前身とし、現在は大阪府茨木市にキャンパスを持つ私立大学。 教育理念「独立自彊・社会有為」にもとづき、地域社会、国家および国際社会において、指導的役割を果たしうる人間の育成に取り組んでいる。
所在地 | 大阪府茨木市西安威2丁目1番15号 |
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設立 | 1966年(昭和41年) |
学生数 | 6,527人(2015年5月1日現在) |
Webサイト | 追手門学院大学 |
2016年5月取材。
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