業績管理コンサルティング 導入事例 日光ケミカルズ株式会社様

日光ケミカルズ株式会社様

お客様の声

「“絵に描いた餅”ではなく、構想から実現までを一気通貫で請け負える。それがニッセイコムのコンサルティングの強みだと思います」

<写真>
〔日光ケミカルズ株式会社〕
 経営企画室長 関根 快太郎 氏
〔弊社〕
 営業 西濱(右端)、コンサルタント 門田(左端)


日光ケミカルズ株式会社 経営企画室長の関根快太郎氏(写真中央)に、ニッセイコムのコンサルティングサービスの導入経緯、導入プロセス、評価などについて伺いました。

導入経緯・ニッセイコムを選んだ理由

 

— 今回のコンサルティングサービスの対象範囲について教えてください。


一言でいうと「経営の見える化」です。
具体的には以下を順次策定、実現するためのお手伝いをして頂きました。

  1. 新しい業績管理方針(業績把握やコスト分担のルール)の策定
  2. 上記1が反映された新しい経営管理・業務プロセスや運用ルールの整備
  3. 上記2に基づいたシステム要求機能の定義

上記3の後には、新しい業績管理システムの開発や基幹システムとのデータ連携、実際のシステム運用が続きますが、これらは現在進行中です。
いずれにせよ、経営や事業に関する何かしらのアイデアやレポートをもらうだけでなく、創り出した考え方を業務やシステムに落とし込み、経営管理のあり方や現場の仕事のやり方を変革していくところまで支援して頂いているとご理解ください。

 

— コンサルティングサービスを導入した理由を教えてください。


先述の「経営の見える化」は、重要な経営課題の1つでした。
経営の見える化は「顧客別・製品別の収益性」と「部門単位での収益性」の2つの観点で検討しました。まず前者ですが、当社はグループ全体で化学製品の製造から販売までを担い、各工程で発生したコストを把握し、製品や顧客毎に按分して収益性をチェックしています。一方で会社の規模が大きくなるにつれて、従来の按分ルールや経営指標では発生したコストの実態に即した按分ができず、その目的が達せられないという課題に直面していました。この点は、お客様から見た当社のバリューの1つである「少量多品種」の実現において非常に重要な問題です。
ニーズに沿って用意した色々な製品を小口で提供することでお客様の利便性は高まります。しかしその分コストも上がります。事業の拡大と共に「製品別や顧客別である部分を切り出してみると、実は、売れば売るほど赤字の構造に陥っていた」という事態を見逃すリスクも大きくなります。


次に「部門単位での収益性」の把握に話を移します。弊社はユニットマネジメントシステム(UMS)を導入しています。期初のその期における活動内容と成果目標にコミットすることと引き換えに、予算の執行権限を大きく各部門長に委譲することで、各部の自律的な運営を目指すためのマネジメントシステムです。したがってUMSにおいては、各部門長の責任で発生するコストと本社の賃借料などの管理権限外のコストを明確に区分する必要があります。この点に関しても事業規模の拡大により、実態に沿ったコスト把握ができづらくなり、経営の実態を見逃すリスクが高まってきていました。


そういった会社の成長と共に高まってきた「見逃すリスク」を無くすと共に、売価設定や重点製品の選定などの製品戦略の策定や部門毎の自己実現をサポートできる。そのような状態を実現するためには、今の事業規模や業務実態に合った新しい方針やルールの策定が必要でした。

 

— 外部のコンサルタントを活用するのではなく、社内の力で進めていくという選択肢はなかったのでしょうか。


「費用対効果」と「ボトムアップとトップダウンの融合」の観点からコンサルタントの利用を決めました。
まず費用対効果に関してですが、「経営の見える化」というテーマ自体は弊社固有の問題ではなく、いくつかのパターンはあれど比較的定石的なアプローチのあるテーマだと考えていました。本来社内のメンバーが議論すべきは、その定石を踏まえて、どのように社内独自の制度へアレンジするかです。正解に近いものがあり、それを持っているプロがいるのですから、そのプロセスはプロの知見・ノウハウをお借りし、その分自社への最適化のプロセスに時間を投下したほうが費用対効果が高いと考えました。


また「ボトムアップとトップダウンの融合」という観点では、プロジェクトのトップが独断で決めたルールはなかなか社内で賛同・共感を得づらいことから、自社への最適化のプロセスにおいて可能な限り現場の意見を反映することが実現可能性を高めるために不可欠だと考えていました。とはいえ定石のあるものですから、本来経営観点から目指している達成目標とずれた制度になったり、実行段階で思わぬ落とし穴に落ちたりすることを避けるためにも、現場からの意見を盲目的に取り入れることで定石を逸脱したルール・制度になるリスクは回避したいと考えていました。そういった観点からもこの領域に精通し、客観的な視点を持った第三者に参加いただくことが、トップダウンとボトムダウンの融合をスムーズに行うことの助けになるのではないかと期待しました。

 

— コンサルタントとしてニッセイコムを選んだ理由を教えてください。


当社の関連会社で原価管理に関するコンサルティングをニッセイコムに依頼したことがあり、そこでの評判が非常に良かったのが理由の1つです。製造業に強いことが魅力でした。
加えて、ニッセイコムはBPR(Business Process Re-engineering)について一気通貫でやり切ることができるところに大きな魅力を感じました。「経営の見える化」に向けてはルール・制度の見直しだけではなく、それらを反映したシステムの開発が不可欠です。「策定したルールやプロセスをシステムの要件に落とし込み、スクラッチで開発するところまでできること」、それが何より強みだと思いました。


冒頭の説明のほぼ繰り返しになりますが、本プロジェクトは

  1. 新しい業績管理方針(業績把握やコスト分担のルール)の策定
  2. 上記1が反映された新しい業務プロセスや運用ルールの整備
  3. 上記2に基づいたシステム要求機能の定義
  4. 上記3に基づいたシステムの開発(スクラッチ)

の4フェーズがあると認識しています。全てを一気通貫できる能力のあるニッセイコムに1を依頼することで、その後の2、3、4の各フェーズをスムーズに進めることができると期待していました。

実際のコンサルティングの流れ

 

— 実際にどのようにコンサルティングが進められていったのか教えてください。


それでは上述の「1.新しい業績管理方針の策定」を中心に説明します。
コンサルティング期間は約半年間で、以下のステップで進められました。


(1-a) 現状調査と課題整理
(1-b) 業績管理方針の策定
(1-c) シミュレーションによる検証
(1-d) 最終報告



(1-a) 現状調査と課題整理


経営者を始め、営業部門や間接部門の責任者、現場担当者などを対象としたヒアリングをしていただき、業務の内容や課題を整理していただきました。
「やはり情報が足りないのでもう一度時間を」というような手戻りがなく非常にスムーズに進んだことが印象的でした。これまでの製造業向けのコンサルティングで得られた知見を元にした適切な仮説が立てられていたことで、良い切り口での質問設計とヒアリングができたのだと思います。

(1-b) 業績管理方針の策定


ヒアリングで得られた情報を元にして、業績管理方針(製品別/顧客別/部門別それぞれの切り口で損益をどのような指標を用いて把握するか、費用の配賦基準をどのように設定して計算していくか等の各種ルールやプロセス)を作っていきました。


この種のルールやプロセスの再定義を行うときは、理想と現実のはざまで最適解を見つけ出すことが重要です。理想論に走りすぎて現場でのデータ取得のために膨大な工数が発生し、業務効率を低下させてはそもそもの経営効率の改善という目標に対して本末転倒ですが、一方で意味のあるデータを得るためは、経費や工数に関するデータのインプットについても、相応に精緻でなくてはいけません。その作業負荷を、現場が受け入れてくれるかどうか。


特に経営企画や経理など管理部門やマネジメント層主導のプロジェクトでは、データを把握したいがために、必要以上に細かく情報を欲する傾向があると思うのですが、実行可能な最適解を求めるための対話を、コンサルタントがリードしてくれました。


「やろうと思えばできると思いますが、実際にやろうとしたら担当者レベルで毎月このくらい時間を割く必要があります。これやれますか?」
「やれと言われたらやりますけれど…でも大変ですよね」


「理屈としては細かく按分できますが、そこまでやるためにリソースを投下する、それに見合う数字かどうかを考えてみませんか?」


経営サイドと現場サイドの双方の意見を引き出したり、第三者としても客観的な意見や仮説検証の提案をしてくれたりしながら、1つ1つの合意や意思決定を手助けしてくれました。


(1-c) シミュレーションによる検証


前年度の売上と販管費の実績データを用いて、策定した業績管理方針に基づいた業績数値を算出しました。使用したツールはExcel VBAでした。


シミュレーションの結果、見えてくる景色が違ってくるということがわかりました。
より実態に即した貢献利益を捉えると、赤字の状態で販売してしまっている製品や取引先が現状で把握している数よりも多く存在する可能性が判明しました。


今ある数字(古い基準のままの粗いデータ)を使ったシミュレーションですからある程度のところまでしかわかりませんが、今までよりも収益実態を精緻に掴むことができるのは間違いないだろうという確認ができました。

(1-d) 最終報告


以上の流れで進めてきたコンサルティングについて、経営層にまとめの報告をしました。
アウトプットは、ルールやプロセスが細かく定められた「業績管理方針書」です。
このアウトプットが、次の段階のインプットとなります。


以上が「1. 新しい業績管理方針の策定」の流れです。
この後「2. 1が反映された新しい業務プロセスや運用ルールの整備」「3. 2に基づいたシステム要求機能の定義」と、ニッセイコムのコンサルティングを追加契約しました。


現在は、新しい業務フローを反映させたシステムの基本設計書まで完成しており、新システムの開発準備を進めている段階です。

コンサルティングの評価

 

— 実際に導入されてみての、ニッセイコムのコンサルティングについての評価をいただけますでしょうか。


経営企画室長 関根 快太郎 氏

まず、方針策定からシステム開発まで一気通貫できる経験やノウハウを持っていることを、いつも頼もしく感じていました。決めたルールやプロセスを今後システムに落としていった時、日々の業務で何が起こりうるか。将来を見据えて先手を打っていただいていることで、ここまでプロジェクトが順調に進んできたのだと思います。


そして、特に評価したいのが先述の「対話のリード」です。
質の良い対話はプロジェクトを推進していくための最大の推進力、いわばエンジンです。


一口に対話といっても、意味のある対話を行うためには、全体観を踏まえて各回のアウトプットを明確にし、それに向けた論点整理や議論の順番の決定、資料の準備などが必要です。また最終的には対話をアウトプットの形に集約する必要があります。そのためには高いファシリテーションスキルと議論するトピックに関する深い専門性が不可欠です。そのやり方もニッセイコムのコンサルティングノウハウなのだと思いました。最終的に決めるのは自分たちですが、対話を始めるまでのセッティング、対話中の客観的な意見、違和感のない合意形成を円滑に進めていただいたことがこのプロジェクトが順調に進んだ最大の理由だと思います。


コンサルティングというと「上から目線」「決められた範囲の事だけ」というイメージを持つ方もいるかもしれませんが、ニッセイコムはそうではありませんでした。常に同じ目線で、同じチームの一員のような、近い距離感でのサポートだったと感じています。またプロジェクトの範疇から若干外れた事案が原因でプロジェクトが停滞しかけた際にも一緒に対策を考えてくれました。本来はプロジェクト外の案件ですので、我々が自分自身で解決すべきことなのですが、プロジェクト進行上必要な事案であれば親身に解決策の検討をサポートしていただきました。まさに“成果にコミットする”という姿勢が、契約を更新して継続させていただいている理由です。


 

— どのような会社に、ニッセイコムのコンサルティングは向いているでしょうか?


やりたいことが大まかにあり、それを具現化していくプロセスを手伝ってほしいというような会社にはすごく向いていると思います。


特に当社と同規模ですと、どうしてもリソースに制約がある会社が多いのではないでしょうか。その中で会社を次のステージに成長させていきたい、あるいは仕組みが成長度合いに追いついていないので仕組みを変えていきたい、という時のサポート役としてニッセイコムのコンサルティングは頼りになると思います。


お忙しい中、ありがとうございました。

お客様について

1946年創業の化学製品メーカー。国内外の化粧品市場をメインに食品・医薬品・一般工業分野に各種原料を提供しているニッコールグループの中核企業。スペシャリティー・ケミカルのトータルサプライヤーとして、顧客の研究開発や海外市場開拓のサポートなども含めたさまざまなニーズに応えている。

本社所在地 東京都中央区日本橋馬喰町1-4-8
創立 1946年6月7日
従業員数 430名(グループ全体)
Webサイト 日光ケミカルズ株式会社

2019年8月取材。
このページの情報は取材日時点のものです。
現時点では変更になっている場合もありますのでご了承ください。

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