販売管理システム(スクラッチ開発) 導入事例 内海産業株式会社様

お客様の声
導入製品
<写真>
〔内海産業株式会社〕
執行役員 応援部長 田口 祥子 氏
応援部 アドバイザー 髙橋 研生 氏
応援部 システム課 課長代理 松井 宏二 氏
応援部 システム課 課長代理 岡田 雄司 氏
応援部 総務課 課長代理 鍋島 良子 氏
企画部 企画開発課 課長代理 池田 直人 氏
首都圏第一支店 課長 阿部 卓哉 氏
内海産業株式会社の皆さまに、基幹システム更改の背景や、ニッセイコムが構築支援した新販売管理システム「バイセコ⤴」稼働後の効果について伺いました。
この記事のポイント
課題
- オフコンの保守・サポート終了や、ブラックボックス化による属人化が進み、機能拡張や改修を阻害。
- サブシステムの増加でオフコンからのデータ反映にタイムラグが発生。
決め手
- オフコンのオープン化実績が多数あることにより、ワンストップ対応を期待。
- 提案内容が具体的であり、Salesforceとの連携実績を評価。
効果
- ブラックボックス化の解消により機能拡張やシステム改修の余地が大幅に促進。
- 「受注エントリ」の自動化で1か月あたり3,000件以上の伝票を処理。
- 入金全体の65%を自動照合することで業務負担の削減と生産性を向上。
導入の背景・目的
販売管理を担うオフコンの老朽化やブラックボックス化がビジネスの足枷に
— 販売管理業務における旧システムの問題点についてお聞かせください。
田口氏:弊社は2022年に創業50周年を迎え、社内情報システムにおいても幾度か大きな変遷を経てきました。そのような中、一貫して基幹システムのベースとなっていたのは長年活用してきたオフコンでした。業務の生命線となる販売管理システムを運用していたオフコンですが、近年には多くの問題が顕在化していました。
1つ目は、オフコンの保守・サポートの終了やブラックボックス化です。オフコンは2016年時点で既にメーカーから販売とサポートの終了がアナウンスされておりましたが、保守会社による延命に頼っていました。また、保守会社のSEと一部の人の記憶に頼ることで保守の属人化が進み、機能拡張や改修が困難な状態となっていました。
2つ目は、サブシステムの増加によるタイムラグの発生です。2000年頃からPCを活用した業務が増えてくると、別途Windowsサーバーを立ててオフコンでは処理しづらい業務を移管するなど、基幹システムの周囲に多様なサブシステムが連携し、複雑な状態になっていました。オフコンからのデータを反映するまで時間がかかるようになり、処理にタイムラグが発生し、さらに長くなる傾向にありました。
3つ目は、管理コストの増大です。オフコンとサブシステムのサーバーは、社内のサーバールームと外部のデータセンターに分散したオンプレミス運用になっていたため、管理の手間とコストも負担になっていました。
松井氏:旧販売管理システム更改のキーワードは、クラウド化とWeb化でした。オフコン自体は安定稼働をしていましたが、機能的な制約が多くありました。例えばWebならリンクをクリックするだけで別の画面に遷移したり、異なる画面をタブでいくつも表示したりできます。しかし旧販売管理システムでは、一度に表示できる管理画面の数が2つに制限されるなど、多くの不便さがありました。
また、弊社では返品処理や赤伝を切る場合は、承認フローを回す「決裁入力」という処理を行っています。オフコン時代は決裁入力した後に、承認フローのシステムに反映するまでに最大30分以上も待機しなければならず、現場は大きなストレスを感じていました。そのため、クラウド化することで可能な限りリアルタイムに処理ができるようにしたかったのです。
選定のポイント
オフコンのオープン化とSalesforce連携に豊富な実績を持つニッセイコムを選定
— ニッセイコムを選んだ理由についてお聞かせください。
髙橋氏:2016年に新販売管理システム構築プロジェクトが発足しました。開発においては、パッケージベンダーやSIerなど16社にお声がけし、1次選考で9社をピックアップ。2次選考ではコンペを実施してプレゼンを行っていただいた結果、4社に絞り込みました。その中にニッセイコムも含まれていました。
松井氏:ニッセイコムを選定した決め手は主に3つありました。
第1に、プレゼンの内容が最も充実していたことです。2次選考に残った4社にはオフコンをオープン化した実績を説明してもらいましたが、ニッセイコムは事例を数多く持っていたので、現状分析からシステム構築、運用、サポートまでワンストップで任せることができると感じました。
第2に、提案がより具体的だったことです。実はプロジェクト開始にあたり、社内で全社アンケートを実施し、新しいシステムに何を期待するか意見を収集していました。それを素案として各ベンダーに実現の可能性を打診したのです。ニッセイコムからは、サブシステムの一部を新システム内に取り込むことで、業務負荷の削減と運用の安定化、連携回数の向上などが提案され、社内ニーズとの整合性に注目しました。また、弊社は長年Salesforceを活用し、基幹システムと連携させていますが、Salesforceに関する知見や連携実績が多いことも決め手となりました。
そして第3に、コスト面でも優位性があったことです。
導入の効果
システムのオープン化により安定的な稼働を実現、機能拡張と改修の可能性を拡大
— 新販売管理システム稼働後の効果についてお聞かせください。
岡田氏:新販売管理システムは、改善内容の見直しなどにより当初の計画より遅れたものの、2021年7月に本稼働を開始しました。
主な効果の1つに、ブラックボックス化の解消が挙げられます。オフコンを廃止し、システムをオープン化したことで安定的な稼働を実現し、機能拡張やシステム改修の余地も大幅に促進されています。例えば、新たに追加した「受注一括エントリ」という機能により、伝票を1件ごとに手作業で作成する手間が解消され、画面上のボタンをクリックするだけで大量の伝票が発行可能になりました。この機能は好評で、1か月あたり3,000件以上の伝票を処理しています。
また、入金確定処理においては「自動照合機能」が加わりました。従来は得意先の入金1件ごとに消込処理を行っていましたが、現在入金条件に合致していれば一度に確定処理が可能になっています。直近1か月で3,200件ほどの入金処理がありましたが、その65%にあたる2,100件ほどが自動照合され、消込作業を行っていた担当者の業務負担の削減や、販売管理における生産性の向上に大きく貢献しています。
鍋島氏:タイムラグの解消も大きなメリットです。サブシステムのいくつかは新販売管理システム内に取り込み、また、取り込めなかったサブシステムについては連携する頻度を増やすことでタイムラグを大幅に削減しています。オフコン時代、得意先や仕入先のマスターは1日1回夜間にバッチ処理で連携していたため、翌日の午前中まで反映されるのを待つしかありませんでした。現在は1日5回、自動で連携処理を行うため、ほぼタイムリーにデータが反映されるようになりました。
それにより処理の待機時間もおおむね解消しています。決裁処理もオフコン時代は30分以上の待ち時間が発生していましたが、現在は即時処理が実現し、1分もかからず決裁処理が完了するようになりました。繁忙期は特にこの効果を強く実感しています。
阿部氏:コスト削減にも効果がありました。オンプレミスのオフコンを撤廃し、多くのサーバーをクラウドに移行したことにより、ハードウェアのコスト、管理の手間、データセンター利用料、電気料金などの削減が可能となりました。
池田氏:同時にペーパーレス化の促進にもつながりました。その最たるものが、カタログチェックリストの削減です。年4回発行する商品カタログをお客さまに送付するにあたり、全得意先が網羅された紙のチェックリストをプリントアウトし、各営業担当者が追加や変更などを確認した後、その手書きの修正指示を事務担当者が手入力していました。現在は、営業担当者自身が画面上でお客さまリストを確認し、直接変更できるようになったので、紙の出力は行っていません。
阿部氏:営業1人あたり紙のチェックリストは50~60枚はあったため、トータルでは年間数千枚の紙が削減された計算になります。作業全体の効率化も図られています。
今後の展望
変化が求められる時代に基幹システムの拡張性の強化は大きな武器となる
— 新販売管理システムの今後の活用予定についてお聞かせください。
松井氏:現在、インボイス制度や電子帳簿保存法対応に向けて新販売管理システムの調整を行っているところです。今後はお客さまや協力会社とのデータ連携についても検討していきたいと考えています。
— 最後に、今回の新販売管理システム構築プロジェクトを振り返り、総合的な評価をお聞かせください。
松井氏:基幹システムの更改はプロジェクトメンバーのほとんどが初めての経験でしたので、知見の豊かなニッセイコムにプロジェクトを牽引してもらえたことは、完遂の大きな原動力になったと感じています。特に進捗が遅れた苦しい時期に、ニッセイコムの営業やSEが親身になってサポートしてくれたことにはとても感謝しています。
田口氏:今回のプロジェクトは、基幹システムに一段の拡張性を実現したことが最大の成果だと思っています。今後、お客さまのニーズがダイナミックに変化し、ビジネスの進め方やお客さまとの接点を見直す必要が生じた時に、その土台となる新販売管理システムを構築できたことは大きな意義があります。しかしこのシステムはもっと拡張させなければなりません。だからこそこれからもニッセイコムのサポートを強く期待しています。
お忙しい中、ありがとうございました。
お客様について
本社所在地 | 東京都港区新橋2-12-3 |
---|---|
創業年月日 | 1972年8月9日 |
業種 | 卸売業(各種販促用品企画販売) |
従業員数 | 170名(2023年1月5日時点) |
Webサイト | 内海産業株式会社 |
取材日:2023年1月
本事例に記載の情報は取材日時点のものであり、本ページ閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。
※ Windowsは、米国 Microsoft Corporation の、米国およびその他の国における商標または登録商標です。
※Salesforceは、salesforce.com,Inc.の登録商標です。
※バイセコ⤴は、内海産業株式会社の販売管理システムの名称です。
