GrowOne 健保 導入事例 東芝健康保険組合様

東芝健康保険組合様

お客様の声

「約30万人分のデータを扱う独自開発システムを、パッケージに切り替えました。導入方法を工夫し、カスタマイズ範囲の最小化と現場の納得感を両立させることができました」

導入製品

東芝健康保険組合 常務理事 木村文裕氏(写真中央右)、事務長 粟田浩明氏(中央左)、システム担当グループ長 徳永篤則氏(左から2番目)に、ニッセイコムの健保基幹業務パッケージ「GrowOne 健保」の導入経緯や選んだ理由、導入時の工夫などについて伺いました。 ※写真左端:弊社SE 芳賀、右端:弊社SE 太田、右から2番目:弊社営業 永見

導入前の課題

  • 独自開発した健保基幹業務システムが古くなり、追加開発コストや対応スピードの面でリスクが高まってきた
  • パッケージの導入は、安定稼働や独自業務対応などの面で不安を感じていた

導入後の成果

  • 導入時にCRP(Conference Room Pilot)の手法を取り入れることで、カスタマイズ範囲の最小化と現場の納得感を両立させることができた
  • スケジュール通りにパッケージへの切り替えを行い、やり方を変えなくてはならない現場職員の負担も最低限に抑えることができた

導入の背景・目的

パッケージへの期待と、心配していたこと

— はじめに「GrowOne 健保」の導入経緯について教えてください。

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東芝健保では、2000年頃に健保基幹業務システムを独自開発しました。
それから10年以上、法改正対応等の追加開発を行いながら使い続けてきましたが、元となるシステムが古くなるにつれて開発コストは高くなり、時間もかかるようになりました。法改正や制度改正の度になんとか期日までに間に合わせるという綱渡りの運用が常態化していました。

そのような中で、2012年頃から国会でのマイナンバー法の動きが活発化し、いずれシステム面での対応も避けられないと考えました。コストや対応スピードの面でリスクの高い既存システムから、パッケージに切り替えることを決断しました。

パッケージの導入により、法改正や制度改正対応の手間は大幅に削減できることを期待していました。一方で、心配していたことも2点ありました。

1点目はパッケージ自体の基本性能です。東芝健保は被保険者・被扶養者合わせて約30万人の健保組合です。その規模のデータを、Windowsベースのパッケージでも間違いなく処理できるかどうか。バッチ処理の速度は十分で、業務に支障が出ないだろうか。そのような事を心配していました。

2点目はパッケージの機能と実際の業務の噛み合わせです。これまでのシステムは東芝健保独自の業務に合わせて作り込んできたものです。それをいきなりパッケージに切り替えることで現場業務に混乱が生じないか。
「機能が足りない」「業務に合わない」という事態が多発するのは困ります。しかし、カスタマイズをやり過ぎると開発や運用のコストが嵩み、パッケージのメリットを失ってしまいます。詳しくは後述しますが、この点については導入時にCRP(Conference Room Pilot)という手法を取り入れることで解決することができました。

そのような経緯で候補となるパッケージ製品をリストアップし、最終候補をニッセイコムの「GrowOne 健保」と、他社製品の2つに絞り込みました。

選定ポイント

大規模健保での稼働実績

— 2つの候補製品から最終的にニッセイコムの「GrowOne 健保」を選ばれた理由を教えてください。

両社に操作デモと機能一覧の提出をお願いし、簡易的なFit&Gap分析を行いました。
実際のところ、機能や価格の面では両社に大きな差はありませんでした。

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最終的に決め手となったのは大規模健保での導入実績です。
家電系の健保組合同士で定期的に情報交換をしているのですが、その中で私たちよりも規模の大きい日立健保さん(日立健康保険組合)でGrowOne 健保を使っていると知りました。

加えて、私たちがパッケージの検討をしていた時期に、別の健保組合(東芝健保と同業種で、加入者規模も同程度)でもGrow One健保の採用を決定したと知りました。

私たちにとっては初めてのパッケージ導入となりますので、やはり同規模以上の健保組合でも使われているという事実は一番の安心材料になります。GrowOne 健保を選択することで、基本的なパフォーマンス面の心配をすることなく、実業務とどう適応させるかということに専念できると考えました。

導入効果

「カスタマイズ範囲の最小化」と「現場の納得感」の両立

— 既存システムから「GrowOne 健保」への切り替えをどのように進められたのかを教えていただけますか。


パッケージの検討段階で、これまで基幹システムの保守・運用を委託していた東芝グループのシステム会社からCRP(Conference Room Pilot)という手法の提案があり、その手法を取り入れることにしました。

※CRP(Conference Room Pilot)
要件定義の初期段階からパッケージに実際のデータを入力し、本番運用がどの程度可能かをシミュレーションする手法。

CRPによって、早い段階で実際にシステムを操作するスタッフに「GrowOne 健保」に慣れてもらい、どの程度のカスタマイズが必要かどうか明らかになります。


— CRPは、やり方によっては「あれもこれもと大量のギャップが見つかり、カスタマイズだらけになってしまう」というリスクもあります。

そうならないように、CRPの参加者(実際に業務でシステムを操作することになる約30名の職員)に対しては、「このシステムに合わせる前提で考えてほしい」と通達しました。従来までの仕事の進め方の中には、気づいていない非効率な部分もたくさんあります。CRPを通じて、業務の見直しも一緒にやってしまおうという意図がありました。

ただしCRPが単なる「新しいやり方の押しつけ」になっては意味がありません。ニッセイコムのエンジニアにご協力いただき、以下のような形でじっくりとCRPに取り組みました。

  • GrowOne 健保のシミュレーション環境を構築していただきました。事務所内に専用のブースを設置し、職員が業務の合間に交替で操作できるようにしました。
  • 既存システムからある時点での実データを取り出し、GrowOne 健保での入出力作業を行いました。各職員の担当作業毎に既存システムと同じ結果が出るかどうかを確認していきました。
  • 作業の中で具合の悪い部分が出てきた時には、GrowOne 健保の標準機能内でカバーできないかどうかを検討します。ニッセイコムのエンジニアに頻繁に来て頂き(ピーク時は週2回ペース)、ブース内で一緒に画面を見ながら考えて頂きました。ニッセイコムのエンジニアは健保業務に精通しており、指導を受けることで「なるほど、こういうやり方があるのか」「この機能をそのまま使ったほうが、今までよりも楽になる」というような箇所がたくさん見つかりました。

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以上のようなシミュレーション作業を、約半年間行いました。実際の業務サイクルと同じ1年間やるのが理想かもしれませんが、導入スケジュールの都合上、CRPは初めから半年間と決めていました。

CRPを経て、カスタマイズが必要な部分と不要な部分が明らかになりました。
もちろん迷った部分もあります。何度も「判定会議」を行い、実務上のメリットと追加コストを天秤にかけて1つ1つ解決していきました。

結果、GrowOne健保が担う機能のうち、カスタマイズが必要な部分は10〜20%となりました。具体的には、東芝健保独自の付加給付の機能などです。

その後、カスタマイズ開発・データ移行・並行稼働等を経て、2015年4月、当初のスケジュール通りGrowOne 健保を本稼働させることができました。


— 本稼働後のGrowOne 健保に問題はございませんか?


はい、今のところトラブル無く動いています。
じっくりCRPに取り組めた事も良かったと思います。職員に意見を聞くと「慣れたやり方を変えるのに苦労した」という部分と「以前よりも効率が良くなった」という部分がそれぞれあるようです。全体的には、移行に伴う職員の負担を最低限に抑えられたのではと思っております。

今後の展望


— 最後に、今後の展望について教えてください。


まずは、GrowOneを1年間きちんと運用していくことが重要です。引き続きニッセイコムのサポートを受けながら、早く「もう大丈夫だ、完全に切り替えられた」という状態に持っていきたいと思っています。

基幹業務システム以外のテーマでは「加入者への情報発信」が挙げられます。
会報誌と電話対応だけであった昔と比べ、現在は加入者とのインターフェースが増えて色々な事ができるようになりました。まだまだ不十分だと考えておりますので、加入者の健康に役立つ情報発信の仕組みづくりにも更に力を入れたいと思っています。

お忙しい中、ありがとうございました。

お客様について

株式会社東芝および関連会社の従業員とその被扶養者を加入対象者とする健康保険組合。 被保険者数140,623人、被扶養者数158,121人(平成27年度予算)。
所在地 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地
設立年月 1926年(大正15年)12月
Webサイト 東芝健康保険組合

2015年6月取材。
このページの情報は取材日時点のものです。
現時点では変更になっている場合もありますのでご了承ください。

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