クラウド環境構築支援サービス 導入事例 株式会社高島屋様

株式会社高島屋様

お客様の声

「システム開発会社とクラウド事業者の間の『すき間』をニッセイコムに埋めてもらい、顧客向けシステムを無事リリースさせることができました」

株式会社高島屋 IT推進室担当次長の倉成勝彦氏(写真前列右)、担当係長の尾形仁美氏(前列中央)、法人事業部 営業推進部 法人営業企画担当次長の福田浩史氏(前列左)に、ニッセイコムの「クラウド環境構築支援サービス」の導入経緯や効果などについて伺いました。 ※写真後列左端:弊社SE 新井、中央:弊社SE 小林、右端:弊社営業 小野

導入前の課題

  • これまでオンプレミスで提供していた顧客向けシステムを、クラウド環境で構築、提供したい
  • 短期間でクラウド開発環境を用意したいが、クラウド事業者の選定や環境設定ができる知識や経験が無い
  • クラウドシステムにトラブルが発生した場合、アプリケーション/サーバの問題を切り分けられて対応できる人材が社内にいない

導入後の成果

  • わずか2週間で、クラウドでのシステム開発環境を用意することができた
  • 初めて顧客に提供するクラウドシステムを、タイトなスケジュールを守ってリリースすることができた
  • 開発〜運用時のさまざま問題を切り分け、システム開発会社/クラウド事業者それぞれに適切な働きかけができるようになった

導入の背景・目的

ユニフォーム事業におけるシステムの重要性

— 高島屋では、どのような目的でニッセイコムの「クラウド環境構築支援サービス」を導入されたのでしょうか。

高島屋には、百貨店の調達ネットワークを活かした、商品の企画提案・物流・事務局運営等をトータルに提供する法人事業部門があります。主要事業の1つが「ユニフォーム事業」です。金融機関、航空会社、ホテル等さまざまな企業にユニフォームを提供しています。

今回、ニッセイコムのクラウド環境構築支援サービスは、このユニフォーム事業に欠かせない運用管理システムを、クラウド環境でお客様に提供するために導入しました。

— 「ユニフォームの運用管理システム」とは、どのようなものでしょうか。

昔のユニフォーム事業は、デザインや素材選定をし、サイズ別に生産し、納入して完了という形が一般的でした。しかし近年は、雇用形態の多様化やエコ意識の高まりなどに伴って煩雑になった、ユニフォーム管理業務もサポートしてほしいというニーズが増えてきました。

そこで、ユニフォームの出荷依頼から納品・在庫管理・リユース・リサイクルまでをトータルに管理するシステムをお客様ごとに用意し、運用管理サービスも合わせてご提供するようになりました。

システム概要

お客様のユニフォーム運用をトータルサポート。詳しくは下記リンクをご覧下さい。

高島屋法人事業部「ユニフォーム事業」紹介ページへ (外部サイト)

現在、運用管理サービスの需要は非常に高く、提案時にシステム面の説明を求められることも当たり前になってきました。運用管理システムの品質が、ユニフォーム事業における顧客満足の維持向上に大きく影響を与えています。


— 運用管理システムは、自社開発されていらっしゃるのですか?

はい。外部のシステム開発会社に依頼し、専用のアプリケーションを作りました。自社内にサーバを設置して稼働させています。お客様ごとに業務範囲やフローが異なりますし、扱うデータには制服サイズ等の個人情報も含まれ、厳密なセキュリティ管理が求められます。そこで個別にカスタマイズを加え、お客様ごとに別々のシステムを提供していました。

株式会社高島屋 法人事業部 営業推進部 法人営業企画担当次長 福田浩史様

そのような中、昨年あるお客様から、ユニフォームの開発から運用管理までのトータルサービスのご注文をいただきました。このご注文が、システムのクラウド化のきっかけとなりました。

そのお客様は企業規模が大きく、制服の支給対象となる従業員も多数いらっしゃいました。そのためシステムの設計開発にも時間がかかることが予想されていたのですが、お客様がご希望されたスケジュールは大変タイトでした。ユニフォームの場合、新デザインへの切替日が先に決定されることが多く、開発遅延が許されない状況でした。

コストを抑えながら開発効率をできるだけ高めるために、クラウド環境での開発という選択肢が社内で浮上しました。

理由は「スピード」と「コスト」です。
開発プロセスの中には、サーバやCPU等のリソースが多く求められるフェーズと、少なくて済むフェーズがあります。複雑な開発の場合、予期せぬ拡張が必要になることもあります。

必要になってからリソースを調達するのでは、今回の開発の場合は時間的に厳しくなることが予想されました。クラウド環境であれば必要な時に必要なリソースを増減させることができます。それはコスト面でもメリットがあると考えました。

その後お客様に提案をし、クラウド環境での構築、および完成後の運用の了承をいただきました。しかし、それでは早速開発を進めようというところで、1つ問題が発生しました。

選定ポイント

システム開発会社とクラウド事業者の間の「すき間」

— クラウド環境でのシステム開発を進めようとした段階で起こった問題とは何ですか。

クラウドサービスを提供する事業者は基本的には「指定通りのリソースを提供します」というスタンスです。リソースのコントロールは自己責任で行わなければなりません。インフラとしての基本的なセキュリティはもちろん保証してくれるでしょうが、システム内部のアクセス権限やセキュリティは自分たちで管理しなくてはいけません。

株式会社高島屋 IT推進担当係長 尾形仁美様

また、アプリケーションを開発するシステム開発会社側も、クラウドに精通しているわけではありませんでした。ですから、システムとクラウドの間にどうしても「すき間」が発生してしまいます。

そのすき間を埋めるだけの知識や経験を持ったスタッフは、現時点では社内にいませんでした。今回のプロジェクトではゆっくり勉強している余裕もありません。
そこで、この「すき間」を埋めてくれるような、クラウド環境でのシステム開発を支援してくれるような会社を探していたところ、ニッセイコムと出会うことができました。

以下のような点で、ニッセイコムがこの「すき間」を埋めてくれる専門家としてふさわしいと判断し、開発プロジェクトに加わって頂くことを決めました。

  1. さまざまな業務管理システムをクラウドサービスとして提供しており、クラウド環境下での開発や運用の経験が豊富であること。
  2. 自社開発のERPパッケージを持っており、業務管理システムそのものについても精通していること。
  3. 複数のクラウド事業者との業務経験があり、今回のプロジェクトに合ったクラウドベンダーの選定を任せられる「目利き」であること。

導入効果

わずか2週間で開発環境を用意してくれた

— 「クラウド環境構築支援サービス」は、どのように進んでいったのでしょうか。


それでは順に説明します。



<クラウド事業者選定>


ニッセイコムに今回のシステムの概要を説明し、クラウド事業者の選定をしてもらいました。
コストと機能の両面から、なぜこの事業者がよいのかをご説明いただき、納得することができました。



<システム開発環境構築>


続いて契約したクラウドの中で、システムの開発環境を構築していただきました。
ユニフォーム運用管理システムは、先述の「機密データを守る」ことと「ユーザーが簡単に各端末からアクセスできる」ことを両立しなくてはなりません。今回のお客様の場合、タブレット端末からのアクセスも含まれます。
難しい条件の中、セキュリティとアクセス制御の設定をしていただきました。

クラウド事業者の選定を依頼してから、開発環境のリリースまでの期間はわずか2週間でした。自分たちの力だけでは絶対に不可能なスピードでした。


<開発フェーズでのリソース調整>

開発フェーズに応じたリソース調整を行っていただきました。
開発スタート時のサーバは2台でしたが、ピーク時には8台まで増やしました。
開発は無事期限内に終了し、本番稼働後は6台で運用しています。



<クラウド環境の運用・監視>

本番稼働後、クラウド環境の運用・監視をニッセイコムに追加発注しました。
システムの運用をアプリケーションとクラウドサーバに分け、前者をシステム開発会社に、後者をニッセイコムにお願いする形にしました。

何らかの事情でサーバの再起動やリソース調整が必要な場合、当社からニッセイコムに作業を依頼します。逆に異常アクセスなどが発生したらニッセイコムから当社にご連絡いただきます。セキュリティを確保するため、ニッセイコム側からアプリケーション側には入れないような設定にしています。

アプリケーションの障害を、リソース追加でカバー

— クラウド環境でのシステム運用で、印象に残っていることはありますか。

株式会社高島屋 IT推進室担当次長 倉成勝彦様

一度だけ、トラブルが発生したことがありました。
突然メモリ不足になり、全ユーザーが使えなくなったのです。
テストしきれていないアプリケーションの穴があったことが原因でした。
原因が判明したのがその日の夕方でした。修正を施すのには相応の時間がかかり、翌日の始業時間までに間に合うかどうかわかりません。

そこで、アプリケーションの修正作業と同時並行でクラウドサーバのメモリ追加を行いました。万が一アプリケーションの修正が遅れても、メモリそのものを増やしておくことでカバーできると考えました。

その後無事問題は解決し、お客様へのご迷惑を最小限にとどめることができました。
夜を徹して迅速な対応をしてくれたニッセイコムのエンジニアに感謝しています。

今後の展望


— ユニフォーム事業において、クラウドの活用はこれから増えていきそうですか。


今回の経験を通じて、リソースの増減をすぐに行えるクラウド環境でのシステム開発は、開発スピードとコストの両面でメリットがあることを実感しました。

開発段階だけではなく運用まで考えた場合、ライセンス管理やバージョンアップ、資産管理等の手間も含めると、クラウドをうまくコントロールできればコストパフォーマンスをより高められると考えます。クラウドでのシステム提供は今後増えていくと思っています。


— 最後にニッセイコムへのメッセージをお願いします。


実際にクラウド活用を経験してみると、アプリケーション側/サーバ側どちらの問題なのかを切り分けるのが難しいケースがたくさんありました。そのような時、どちらもよく知っているニッセイコムはとても頼りになりました。
引き続きご支援をよろしくお願いいたします。

お忙しい中、ありがとうございました。

お客様について

1831年創業の日本を代表する百貨店。2011年に創業180周年を迎えた。 国内19店舗、海外3店舗による百貨店事業の他、法人事業、通信販売事業などを展開。 2016年にベトナム、2017年にはタイでの出店が予定されている。

本社所在地 大阪府大阪市中央区
創立年月日 1831年(天保2年)1月
従業員数 14,662名(連結 2015年2月28日 現在)
売上高 912,523百万円(連結 2015年2月期)
Webサイト 株式会社高島屋

2015年5月取材。
このページの情報は取材日時点のものです。
現時点では変更になっている場合もありますのでご了承ください。

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