GrowOne メンテナンス 導入事例 オークラサービス株式会社様
お客様の声
過去故障対策事例等(ナレッジ活用)でサービス品質の向上と標準化 ~属人化からの脱却~
導入製品
<写真>
メンテナンス事業部 東日本営業部 東京営業所 所長 八神 氏(右端)
管理部 システム管理グループ IT推進係 係長 北川 氏(左端)
メンテナンス事業部 サポートセンター 診断グループ グループ長 河合 氏(右から2番目)
メンテナンス事業部 東日本営業部 部長 兼 海外事業部 事業部長 兼 北関東事業所長 遠藤 氏(左から2番目)
オークラサービス株式会社の皆さまに、新しいプラットフォームとしてニッセイコムの「GrowOne メンテナンス」を選ばれた経緯や理由、導入後の評価などについて伺いました。
この記事のポイント
導入前の課題
- 顧客情報や作業履歴の管理が属人化していたため、情報共有ができず業務に支障をきたすことがあった。
- 予知保全の実現へ向けて、設備の点検・修理情報を一元管理する必要があった。
選択理由
- メンテナンス業務にマッチした機能が多数用意されており、求めていた情報基盤をスムーズに構築できる。
- 多彩な機能を目的に合わせてカスタマイズが可能なため、業務フローを変えずにシステム化できる。
導入効果
- ナレッジ活用が利用しやすくなり、サービス品質が向上。従業員の負担軽減と顧客満足度向上につながった。
- 予知保全の実現やサポートセンターの本格稼働など、サービス部門の体制を強化し、更なるサービス品質の向上を実現できた。
導入の背景と課題
顧客情報や作業履歴などを一元管理できず、業務効率化の妨げになっていた
— 「GrowOne メンテナンス」を導入した理由を教えてください。
作業完了報告書などが属人的に管理され、社内で共有するしくみがなかった
当社は、物流システムの総合メーカー・オークラ輸送機の100%子会社として、コンベヤ、パレタイザ、トラックローダー、ロボットパレタイザなど多種多様な物流設備機器の据付工事、メンテナンスなどを手掛けています。創業以来、半世紀にわたって積み重ねてきた技術力と、「早く、適価で、高品質なサービスの提供」を強みに、物流システムの安定稼働を通して、幅広いお客さまのビジネスを支え続けてきました。
また、近年では積極的なIT投資によるDX推進に力を入れ、顧客情報を一元管理できる情報基盤システムの開発、基幹システムの刷新、IoT活用による予知保全の実現に取り組み、情報基盤システムについては、ニッセイコムの「GrowOne メンテナンス」をベースに、新規構築を行いました。
情報基盤システム開発の大きな理由は、顧客情報や作業履歴を社内で共有し、効率的に活用することです。
当社では、全国16拠点の営業所に所属する技術員一人ひとりがお客さまの専任担当となり、きめ細かなメンテナンスサービスを提供しています。しかし、その一方で、お客さま情報が担当技術員に管理され、時にはブラックボックス化することがありました。
このため、お客さまから連絡をいただいても、担当者が不在の場合、すぐに対応することができなかったり、異動の際には、他の技術員への引き継ぎがスムーズに行えなかったりするなど、業務に支障をきたしていました。
業務負担軽減や予知保全の実現に、情報の一元管理が不可欠だった
また、全社的に推進している業務負担軽減と、サービス品質向上の取り組みにおいても、情報の共有化が重要なテーマになっていました。
当社では、営業所の技術員に代わって、お客さまの問い合わせ窓口となるサポートセンターを、2020年4月に立ち上げ、突発的なトラブルの一次対応や、日常的なサポートなど、お客さま対応のすべてをサポートセンターへ集約する取り組みを進めています。
さらに、サポートセンターは、IoTを活用した予知保全の拠点でもあることから、属人的に管理されていた顧客情報や設備の修理履歴を全社的に共有し、データとして蓄積できるシステムが不可欠でした。
サービス選択の理由
メンテナンス業務の情報管理に必要な機能が揃っていた
— 情報基盤システムとして「GrowOne メンテナンス」を選んだ理由を教えてください。
さまざまな機能を組み合わせ、求めていたシステムを構築できる
実は、「GrowOne メンテナンス」を採用する前に、他社クラウドサービスをベースにしたシステム開発を進めていました。
しかし、お客さまの工番ごとの情報管理など、当社の求める機能がどうしても実現できず、ベンダーの対応にも不満があったため開発を中断し、ゼロベースでの再検討をせざるを得なくなりました。そのようなときに出会ったのが、ニッセイコムの「GrowOne メンテナンス」です。
メンテナンス業務向けのパッケージシステムは、まさに我々の求めていたシステムでした。早速ニッセイコムへ提案を依頼しました。採用の決め手は、メンテナンス業務にマッチしたさまざまな機能が用意されていること、それらを自由に組み合わせ、カスタマイズすることにより、当社が求める機能の実現が可能になることでした。
開発に際しては弊社の業務フローを読み解く為に何度も打合せを実施し、「GrowOne メンテナンス」の効果的な活用方法の提案をしていただきました。開発を進めるにあたっては、認識の齟齬が発生することもありましたが、根気よく打合せを実施し何度もシステム改修を行っていただきました。その結果、現行の業務フローに沿ったシステムを構築することができました。新しいシステムを導入することで、システム入力等増えた業務はありますが、それ以上にこれまでできていなかったデータ管理やペーパーレス化等、業務効率は上がったと思います。
基幹システムや、親会社であるオークラ輸送機とのシステム連携も可能に
「GrowOne メンテナンス」の導入は、販売管理など他の基幹システムの更新と同時進行になったことで、開発中の業務負荷が高くなり苦労しましたが、ニッセイコムの協力でシステム導入をスムーズに完了させることができました。
各システム間の連携については、ニッセイコムが他のベンダーとの打ち合わせにも参加し、さらにサーバーやネットワークなどのインフラ整備についても、ニッセイコムから全面的な支援を受けました。加えて、念願であった親会社とのシステム連携についても初めて実現し、大変感謝しています。
導入効果
業務負担を軽減できサービス品質の向上につながった
— 業務のなかで実感している「GrowOne メンテナンス」の導入効果を教えてください。
顧客情報と業務の見える化で、業務効率の向上を実現
お客さまから、いつ、どのような依頼があり、どんなメンテナンスを行ったか、図面や議事録なども含めて情報を一元管理できるようになりました。
これによって、担当者の不在時にもスムーズな対応が可能となり、また予知保全の拠点であり、問い合わせ窓口でもあるサポートセンターには情報の集約とデータを蓄積する基盤を整えることができました。
また、「GrowOne メンテナンス」のダッシュボード機能を活用することで、基幹システムの情報を参照できるようになりました。それまでは、お客さまからの引き合いや、見積書の提出状況、作業予定など、個別に報告を受けていましたが、「GrowOne メンテナンス」導入後は業務の進捗状況を把握でき、適切な管理が可能となっています。
ナレッジ共有で気づきを促し、サービス品質が向上
また、修理や部品交換など作業履歴の見える化により、サービス品質の向上につながります。
以前は、情報管理が属人化していたため、技術員によってサービス品質に差が生じていましたが、今では、修理履歴をスムーズに確認することができ、誰でも設備状況に合わせた提案ができるようになりました。
例えば、お客さまから部品交換の依頼を受けた場合、交換履歴をシステム上で確認することにより、「前回の交換から2年しか経っていません。本来は5年で交換時期を迎えますので、何か問題が生じているかもしれません。一度点検してはいかがですか?」など、より質の高い提案が可能となります。
さらに、過去の故障対応事例を簡単に参照できる「対応事例検索機能」も、サービス品質の向上につながります。技術員が故障対応に困ったときに、機種名や顧客名、キーワードなど入力し検索することで、類似した故障例を参照できるので、ナレッジを活用したスピーディーな修理対応が可能となりました。
タブレット端末の活用により業務負担の軽減と顧客満足度の向上
「GrowOne メンテナンス」は、ウェブシステムでもあるため、モバイルでの活用が可能となり、お待たせすることなく対応できるので、お客さまの満足度向上に寄与できます。
現場で設備に関する質問を受けた時でも、技術員がタブレット端末で修理履歴などを確認できるほか、親会社のシステムと連携したことで、設備の仕様などもその場でご説明でき、お客さまに安心していただけるようになりました。現場の技術員からも、「営業所へ戻って調べる手間がなくなった」と大変好評です。
また、「GrowOne メンテナンス」と電子帳票システムの「i-Reporter」を連携させたことで、作業完了報告書や点検記録表を、タブレット端末を用いて現場で作成できるようになりました。作成したデータはそのまま作業実績として登録・共有できるので技術員の負担を軽減でき、お客さまへの報告書提出も速やかに行えるようになっています。
今後の展望
— 最後に、今後の展望をお聞かせください。
「GrowOne メンテナンス」をプラットフォームとして、さらなるサービス品質の向上と働き方改革につなげたい
現在はメンテナンス事業部だけの利用ですが、工事事業部や技術本部など他の部門でも利用できるようにし、情報共有の範囲をさらに広げることで、全社的な業務効率の改善(従業員の業務負荷軽減)を図ります。また、当社が注力している『予知保全システム』など、これまでに無い新しい未来型のサービスをお客さまにご提案申し上げる際にも、GrowOne メンテナンスの特徴のひとつである『いつでも誰でもお客さまの最新情報を確認できる利便性』を最大限に活かし、効果的な提案を実施したいと考えています。
さらに、親会社とシステム連携をしたことで、今後は、こちらのメンテナンス情報をフィードバックして、設備の改良や新製品開発に生かす取り組みも進めていきます。以前は、お互いに連絡を取り合わないと入手できなかった情報を、スムーズに共有できるようにすることで、オークラグループ全体の品質向上につなげたいと思っています。
新たなシステム開発や導入については、今後も、ニッセイコムのご協力に期待しています。
お忙しい中、ありがとうございました。
お客様について
以来、半世紀以上にわたって工事事業、メンテナンス事業を通して、お客さまの物流システムの安定稼働を支えている。近年、農場や介護施設、保育園の運営にも進出し、多彩な事業を展開している。
本社所在地 | 兵庫県加古川市野口町古大内900番地 |
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創業年月日 | 1971年4月1日 |
業種 | 一般機械修理業 |
事業内容 | 物流システムの据付・移設・改造工事・定期点検業務・修理・オーバーホール業務、部品販売業務、 機器販売業務、ロボット販売業務、保険代理店、農業、加工食品、介護、保育サービスに関する業 |
従業員数 | 354名(2022年3月時点) |
Webサイト | オークラサービス株式会社 |
取材日:2023年1月
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