V-Boot, PaperCut 導入事例 神戸学院大学様

導入製品

有瀬キャンパス情報処理実習室・自習室等の機器更新における2つの重点課題


1966年に栄養学部の単科大学として設立された神戸学院大学。現在は、神戸市内に「ポートアイランドキャンパス」「有瀬キャンパス」の2つのキャンパスを持ち、10学部7研究科、学生数1万人あまりを擁する神戸市内最大規模の文理融合型総合大学へと発展している。


学生や教職員の学習・研究活動を支えるIT環境については、これまで約5年サイクルで継続的に更新が行われてきた。2つのキャンパスで更新時期が個別になるように計画されており、2017年には有瀬キャンパスの機器更新を実施。主に以下のようなハード・ソフトウェアが情報処理実習室や自習室、図書館などに導入された。

  • クライアントPC(約800台)
  • 基盤サーバ(5台)
  • プリンタ(47台)
  • シンクライアントシステム
  • 印刷管理システム
  • 授業支援システム
  • その他システム(監視、ライセンス管理等)
  • その他製品(ヘッドセット、書画カメラ、スキャナ等)

システム全体構成図

システム全体構成図


今回の機器更新では「PC管理の効率化」と「プリンタの利便性向上」という2つの重点課題があった。

1週間かかっていたPCメンテナンスを1日に短縮


「PC管理の効率化」
これまで、有瀬キャンパスに設置されていた約500台のPCのメンテナンス作業は、1週間ほどの時間がかかる一大イベントだった。そのためメンテナンスは春と秋の2回に限定し、その間に教職員から『授業でこのソフトを使いたい』というような要望があっても、数ヶ月先の次回メンテナンスまで待ってもらうしかなかった。この状況を改善し、より短時間で簡単にPC管理ができる環境作りが課題となっていた。


課題を解決するために導入したのがシンクライアントシステム「V-Boot」だ。
V-Bootは1つのイメージ(OSやアプリケーションなどの設定情報)を複数PCに配信する方式の管理システムで、障害に強い(ネットワーク接続無しでもPCを利用できる)、メンテナンス期間中もPC教室を閉室する必要がないといった特長を備えている。


神戸学院大学は薬学共用試験などのCBT(Computer Based Testing)の会場としても使われている。試験中のPCやネットワークに障害が起こることは許されない。そのため、ITについては堅実志向で、実績のあるものを選び抜いて導入する傾向が強いそうだ。


V-Bootの導入検討の際には、導入実績のある大学に自らコンタクトを取って利用感や評価情報の収集も行った。返答は概ね好評で、無線LAN環境でのノートPC管理実績なども確認できたことが導入を後押しした。


機器更新後の情報処理実習室

V-Bootの導入によってPCメンテナンスの効率性は大幅に向上した。従来まで約1週間の時間が必要だったメンテナンス作業は1日で終わらせることができるようになり、「来週の授業までにこういう設定にしておいてほしい」といった教員の要望についても随時対応できるようになった。


効率化の実現に加えて、「自習室でのUSBメモリ抜き忘れ」が一気に減少するという想定外の効果も現れた。以前まで、抜き忘れは毎日のように発生し、1週間分をまとめて遺失物管理の部署に届ける頃には箱に山盛りになっているのが恒例だったという。それがV-Boot導入後、抜き忘れはほとんど見られなくなった。V-Bootの検知機能によって離席前に利用者自身が気づくような警告が表示され、万一取り忘れたまま退室したとしても、誰のものか特定できるようになったからだ。中を見ても判別しにくいケース(代表者がまとめて印刷するために複数名のファイルが入っている等)でも持ち主に確実に届けることができるようになった。


プリンタの待ち時間とランニングコストの削減


「プリンタの利便性向上」
これまで自習室には140台のPCが設置されていたが、プリンタに繋がっているのは3割未満の40台だけだった。印刷をしたい場合はプリンタに繋がっているPCの席にわざわざ移動したり、空くのを待っていたりする必要があった。加えてプリンタ40台分のトナーを常に備えておく手間やコストも見直す必要があった。


新たに設置されたオンデマンドプリンタ

そこで今回の機器更新では印刷管理システム「PaperCut」を導入。自習室中央に設置された3台のオンデマンドプリンタに対して、自習室内の全PCから印刷指示が行えるようになった。


オンデマンドプリンタに付属のタッチモニタで自分の印刷ジョブを指定する形式のため、印刷間違いによる紙の無駄遣いも減少。プリンタ台数の削減に加え全体的なランニングコストの削減が実現できた。


またプリンタにサインインする際には、学生が所持している交通公共機関のICカードも利用できる。利用の集中するテスト時期の待ち時間を減らす効果が期待されるが、現時点では、プリンタ付属のキーボードでIDパスワードを入力する学生の方が多いそうだ。カードのチャージ金額から印刷代が引かれるなどと勘違いして登録をためらっている可能性もあると考え、アナウンスを継続している。


「ロードマップ提案」と「先々を見越したイメージ設計」を評価


「ロードマップ提案」
今回の機器更新を取りまとめるベンダーには、複数候補の中からニッセイコムが選ばれた。先述のV-BootやPaperCutを始め、特定のメーカーにこだわらずにニーズに合った製品を提案したこと、営業とSEの連携の良さ、更新後のロードマップを示したことなどが評価された。


機器更新を“点”で捉えるのではなく“線”で捉え、更新後どのように整備や拡張を進めていけばいいかというロードマップがあると、将来の検証の段取りや予算計画が立てやすくなる。ロードマップまで描かれた提案は、候補企業の中でニッセイコムだけだった。


「先々を見越したイメージ設計」
V-Boot等のシンクライアントシステムは「一度ひな形を作ってしまえば、あとは容易に一括管理ができる」ということをセールスポイントとしているが、実際には、最初のひな形をどう設計するかが最も重要で難しい。

誰が、どのような用途で使うPCか。この先どのような機能拡張やソフトウェアの追加が予測されるか。それらを踏まえて初期のひな形を設計しておかないと、後々手を加えていった時に想定外の動作不良やパフォーマンスの低下を引き起こしてしまい「手のかかるシステム」になってしまう。

稼働から現在まで様々な設定変更やソフトウェアの追加を行われてきたが、大きなトラブルもなく運用ができているのは、ニッセイコムのSEによる初期のイメージ設計がよく練られていたからと評価している。

予期せぬ「PCの納品遅れ」


機器更新作業が始まり間もない1ヶ月ほど経過した頃、想定外の出来事が発生した。それが「PCの納品遅れ対応」だ。


2017年1月から取り掛かり、4月の新学期には稼働させるというタイトなスケジュールに追い打ちをかけたのが、ちょうどその時期に発生したPCの基幹部材のひとつであるSSDの世界的な不足だった。当初予定していた4月稼働に間に合わないことが判明すると、ニッセイコムのSEは更新前のPCも使った移行計画を策定。4月〜5月の休日を使って順次入れ替え作業を行い、ゴールデンウィーク明けに更新作業が完了した。


前のベンダーとの契約期間は過ぎていたため、ニッセイコムのSEが、他社が構築したPCの内部を調べた上で継続利用し、授業に支障が出ないように対応、新PCが届き次第、新システムへの入れ替え作業を短期間で実施した。


更新から1年が経とうとしている現在、神戸学院大学ではニッセイコムが示したロードマップをたたき台に学内無線LAN整備やV-Bootの運用範囲拡張などの計画を進めている。次に訪れるポートアイランドキャンパスの機器更新も見据えながら、学生や教職員の活動を支えるIT環境のさらなる進化に取り組んでいる。


ポートアイランドキャンパス

有瀬キャンパス



お忙しい中、ありがとうございました。

お客様について

所在地 ポートアイランドキャンパス
兵庫県神戸市中央区港島1-1-3
有瀬キャンパス
兵庫県神戸市西区伊川谷町有瀬518
創立 1966年(昭和41年)
学生数 11,424人(2018年5月1日現在)
Webサイト 学校法人 神戸学院 神戸学院大学

2018年3月取材。
このページの情報は取材日時点のものです。
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