GrowOne Cube 販売, Dr.Sum 導入事例 カネテツデリカフーズ株式会社様
お客様の声
「かまぼこの受注から出荷までは最短30分、最長でも4時間です。日配食品業の利益確保を支えるための販売管理システムに求めていた条件は・・・」
導入製品
創業から80年以上の歴史を持つ練製品製造販売の老舗、カネテツデリカフーズ株式会社は、ニッセイコムの「NC販売くん」と「Dr.SUM」を自社の販売管理システムとして採用しました。
採用の理由を、同社管理部長兼EDP室長の柳澤好行氏(写真前列右)、営業本部ロジスティックス部長の堀部秀一氏(写真前列左)に詳しく伺いました。
※写真後列:
左から2番目:ロジスティックス部 玉木氏、右から2番目:EDP室 泰井氏
左端:弊社 関西第一システム本部 システム第二部第一課 課長 野尻
右端:弊社 関西営業本部 神戸営業部 第一課主任 嶋崎
※GrowOne Cube 販売は、NC販売くんの後継製品です。
導入の背景・目的
ニッセイコムから何を導入したか
— カネテツでは、ニッセイコムから何を導入したのですか。
カネテツの販売管理システムとして「NC販売くん」と「Dr.SUM」を導入しました。
販売管理システムは、小売店や卸からの受注、生産システムへのデータ引渡し、入出庫管理、売掛・請求管理、データ分析などを担当するシステムです。
2006年6月に導入を決定し、業務調査、システム構築、運用テストを経て2007年8月から稼動させています。
「日配食品」を扱う販売管理システムの条件
— カネテツが新しい販売管理システムに求めていたことは何ですか。
カネテツはいわゆる「日配食品」を扱っている会社です。受注から出荷までのリードタイムは最短で30分、最長でも4時間です。「需給予測生産をし、出荷までに帳尻を合わせる」ということを毎日行っていかなければなりません。
生産計画のミスや業務プロセスのロスが、在庫の廃棄処分、最終的には利益の減少につながってしまいます。
ですから、販売管理システムを選定する目は当然厳しいものになりました。
以下のような項目を選定の重要な条件としていました。
【一気通貫のデータ連携】
→今までのシステムは「つぎはぎ」でした。受注データを生産システムに手作業で再入力することもあり、厳しいリードタイムの中では大きな負担でした。ですから、生産システムや経理システムとのスムーズなデータ連携~例えば、作成した“受注予定データ”が“生産計画用データ”として生産システムに連携できるかなど~を求めていました。
【リアルタイム処理によって「データを生で持つ」】
→日配食品製造業である以上、可能な限りのリアルタイム処理を求めました。例えば在庫管理においては、リアルタイムで情報を照会できるようにするということです。「データを生で持つ」ことで、誤差の少ない需給予測が可能になります。
【データで嘘をつけないシステムに】
→社長がよく言う言葉の一つが、「データで嘘をついてはいけない」です。
データ「が」嘘をつくのではなく、データ「で」嘘をつくです。
需給予測データは、営業現場からの情報を吸い上げ、さまざまなサマリデータを組み合わせて作られます。サマリデータは錯覚が起きやすい、そして起こしやすいものです。都合の良い部分を目立たせたり、都合の悪い部分を見えにくくさせたりすることもできます。
その結果実態とかけ離れた需給予測データが作られてしまうと、会社の判断に間違いが起こります。判断の間違いによって、欠品や過剰生産が発生します。
それを防ぐためには、誰でも簡単に元データへアクセスでき、容易に分析ができる環境にすることが望ましいと考えました。元データのブラックボックス化をできるだけ無くすことを求めていました。
選定のポイント
ニッセイコムを選んだ理由
— 販売管理システムの選定経緯を教えてください。
2005年末から2006年初めにかけて、4社に絞った候補企業に提案プレゼンやデモをしてもらいました。ニッセイコム以外の候補企業は、いずれも自社のソフトやハードを持っている大手のシステム会社でした。
各社が提案してきた販売システムの中身にそれほど大きな差はありませんでした。バックアップ体制についても同様です。ニッセイコムも日立グループの安心感がありました。
費用面ではニッセイコムの提案が比較的安価でしたね。海外製のERPパッケージをカスタマイズする、高額の提案をしてきた会社もありました。
— では、安かったからニッセイコムが選ばれたのですか。
いいえ、それだけではありません。
ニッセイコムの提案は、先ほど述べた「選定の条件」をクリアしていました。ニッセイコムは牛乳メーカーなどの日配食品の販売管理システムを手がけた実績があり、先述の「一気通貫のデータ連携」や「リアルタイム処理」についてもノウハウが豊富でした。こちらからの質問に対する回答も的確でした。
また、分析ツールとしての「Dr.SUM」が、カネテツ経営陣から高く評価されました。先述の「データで嘘をつけないシステム」を実現できる手ごたえがあったからです。
導入効果
Dr.Sumによって「データで嘘をつけなくなる」
— 「データで嘘をつけないシステム」を実現できるとは、具体的には。
(堀部氏)Dr.SUMは「誰でも元データに簡単にアクセス」することができます。
一般的なOLAP製品は、集計キューブの作り置きや階層設定が必要です。それに対しDr.SUMは、それぞれのリクエストに応じてリアルタイムでキューブ生成・集計を行うことができます。しかも高速です。誰でも元データに触れて「同じ結果がでる」環境をつくることが、分析結果の真実性を高めるのに最適です。
加えてDr.SUMは「Excelに簡単にデータを落とす」ことができます。多くの社員にとって使い慣れたExcelでデータの閲覧や加工ができるということは魅力的でした。なぜなら、操作が難しくて社内利用が広まらないと、機能的に可能であっても「ブラックボックス化」してしまうからです。
作り込み要求に応え続けたニッセイコムが、社員を成長させてくれた
— システム構築から現在までの、ニッセイコムの活動を評価してください。
(柳澤氏)標準パッケージのままではカネテツの業務に合わず、作り込みが必要な部分は多くありました。その中には当然のように想定していた部分もありましたし、詳細設計を詰めていく中で見えてきた部分もありました。
約1年間のシステム構築を、ニッセイコムのエンジニアはよくやってくれました。ニッセイコムのエンジニアは業務プロセスについても「普通はこうですよ」「カネテツの場合はこうすればいいのでは」という事をいつも言ってくれました。単なるシステム構築ではなく、システムを通じた「利益を生むための業務プロセス改善」を目指していたカネテツにとっては、頼りになる存在でした。
それに加え、「こういう事はできるか」というこちらかの質問に対して、「できない」と言うことは一度もありませんでした。どんなに難しい事でも、まず「どうすれば実現できるだろうか」を常に考えてくれました。
(堀部氏)そのようなニッセイコムの姿勢は、カネテツのスタッフにも大きな影響を与えたのですよ。 1年間の、EDP室のスタッフの伸びはすごかった。
これまでは、すぐシステムのせいにしていました。「プログラムがおかしい」と。
でも今は違います。「自分たちの運用が間違っていないか」をまず考えるようになりました。サブシステムを作るときにも、ヘルプをすぐに求めるのではなく、実務に突っ込んだ考え方を自分たちでできるようになりました。
ニッセイコムとの共同作業が、カネテツ社員を成長させてくれました。
今後の展望
ニッセイコムへのメッセージ
— 最後に、ニッセイコムへのメッセージをお願いします。
(柳澤氏)作り込みが多いシステムですから、なかなかスムーズに移行することはできないだろう、と最初は覚悟していました。しかしニッセイコムのエンジニアはほぼノーミスで構築し、ミスがあっても直ちに修正し、稼動から1週間で支障なく使えるようになりました。他社製の生産管理システムとのデータ連携も問題ありません。
現在の販売管理システムは、確実に業務プロセスの効率化をもたらしています。以前までのシステムでは人数を増やさないとできなかった業務も、増員することなく実行できています。
(堀部氏)営業現場でもDr.SUMが頻繁に使われています。同じネタ(元情報)をみんなが見ているから、同じ答えがでる。嘘をつけなくなりました。それが精度の高い需給予測と経営陣の的確な判断に繋がっています。
「もっと良いシステムにできるのではないだろうか」というアイデアも次々と社内から生まれてきました。ニッセイコムはユーザーと一緒に取り組む姿勢を持った会社です。今後とも倍旧のご支援をよろしくお願いいたします。
お忙しい中、ありがとうございました。
お客様について
カネテツデリカフーズの業態
— カネテツデリカフーズの業態について教えてください。
(柳澤氏)カネテツデリカフーズ(以下カネテツ)は、かまぼこなどの水産練製品を製造・販売する食品メーカーです。
代表的な商品には、かまぼこの他、業界初の新製法でカロリー・脂質を大幅にカットした油で揚げていないシリーズや、おつまみにぴったりの「家呑み宣言」などがあります。
創業は1926年、現在の従業員数は333名(2008年時点)です。
— カネテツというと、マスコットキャラクターの「てっちゃん」を思い浮かべる人も多いと思います。
「てっちゃん」は、1951年に誕生したカネテツのマスコットです。2代目社長の子供の頃の顔をモチーフにしています。
てっちゃんは1961年にテレビCMに登場しました。商品紹介のCMではなく、企業イメージを伝える「イメージ広告」を用いたのは、業界で初めてのことでした。
本社所在地 | 神戸市東灘区向洋町西5丁目8番地 |
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創業 | 1926年3月 |
資本金 | 4,000万円 |
代表者 | 代表取締役 村上 健 |
売上高 | 106億円(2012年度) |
従業員数 | 403名(男285名・女118名) |
Webサイト | カネテツデリカフーズ |
2008年12月取材。
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