産業廃棄物処分業者・資源リサイクル業者向け 販売管理システム 導入事例 石坂産業株式会社様

お客様の声
「ニッセイコムと共に、業界初の『基幹システム×スクラッチ開発×クラウド運用』を実現しました」
石坂産業株式会社の皆さまに、「統合基幹システム」のリプレース経緯、開発パートナーとしてニッセイコムを選んだ理由、導入後の評価などについて伺いました。
<写真>
〔石坂産業株式会社〕
三富今昔村事業部 部長 兼 内部監査室 室長 友國 裕弘氏(中央右)
内部監査室 情報セキュリティ担当 舘 利勝氏(右端)
内部監査室 ISO事務局 清水 美妃氏(左端)
〔弊社〕
営業 渡邉(中央左)
導入の背景・目的
— 石坂産業は、ニッセイコムに何を依頼したのですか。
当社の「統合基幹システム」の構築を依頼しました。
「統合基幹システム」は、当社の主力事業である廃棄物の減量化・再資源化の各工程におけるさまざまな情報をリアルタイムで管理するシステムです。
対象業務には、廃棄物の受付、査定、マニフェスト伝票管理、支払管理から、総合プラントでの分別分級、リサイクル製品の生産や営業、在庫管理まで含まれます。全ての取引情報は顧客データと連動しており、お客様からのご要望や問い合わせにスムーズに対応することができます。
加えて、関連する業務も統合基幹システムの機能として取り込んでいます。
経理面では、本システム内で仕訳データまで作成して会計システムに引き渡しており、行政報告用のデータ作成や、さまざまな社内稟議も本システムで行なっています。
統合基幹システム 全体イメージ
本システムは、旧システムの機能を踏襲するだけでなく、Webベースで進化させる形でニッセイコムにスクラッチ開発をしていただきました。また、運用負荷の軽減や災害時の事業継続の観点から、社内サーバを廃止し社外のデータセンターを利用する、いわゆるクラウドサービスという形式を採用しました。
営業受付から顧客管理、経理までデータ連携されている基幹システムをスクラッチ開発し、更にクラウドで運用しているのは、現時点ではこの業界で当社だけではないかと思います。
— 新たな統合基幹システムを構築されることになった経緯を教えてください。
旧システムで使用していたサーバOSやアプリケーション・ソフトウェアのサポート切れが目前に迫ったことがきっかけでした。
これまでも同じ理由で何年かおきにシステムのリプレースを行っていました。
しかし、この先もソフトウェアやハードウェアのベンダー側の事情だけで、エンドユーザーとして定期的に大きな投資を求められる状態を抜本的に変えた方がいいのではと考えました。
検討を重ね、基幹システムの「クラウド化」を大きな方向性として定めました。
現在では、あらゆる仕組みでWeb技術を活用していますし、当社の規模では社内サーバの運用に人員を割くよりも、外に出せるものは出してしまった方が負担も減ります。
一日も業務を止めることなく新システムにスムーズに移行するために、クラウド化しても、旧システムでできていた事や操作性をそのまま継続するには、既製のパッケージシステムで実現することは不可能でスクラッチ開発が必要でした。
選定ポイント
— 複数候補の中からニッセイコムを選んだ理由を教えていただけますか。
「基幹システム」「スクラッチ開発」「クラウド運用」というそれぞれの要素について十分な実績を持っていたのは、お声がけした複数の候補ベンダーの中でニッセイコムだけでした。
それは提案段階での会話でもよくわかりました。
ニッセイコムのエンジニアからは、経験に裏打ちされた丁寧な説明や質問があり、そのエンジニアが引き続きプロジェクトリーダーとして、開発から運用まで専属で担当してもらえる事は選定の上で大きな安心材料のひとつでした。
またニッセイコムからの提案には、開発に「Web Performer」という高速開発ツールを用いることが含まれていました。Web PerformerはノンプログラミングでWebアプリケーションを自動生成するツールで、これを使うことで開発期間の大幅な短縮が可能とのことでした。
確かに費用見積もスクラッチ開発をする場合よりも安く抑えられていましたし、短期間で開発できることも大きな魅力的でした。詳しくは後述しますが、検証後の修正や追加開発の際にもこのツールのメリットを感じました。
OSのサポート切れが迫る中で、開発期間が、わずか1年間という厳しいスケジュールでしたが、旧システムとの並行稼働を経て、2017年11月から新しい統合基幹システムを稼働することができました。
ご搬入いただいた廃棄物を査定する際に使用する端末や現金自動精算機など、システムの周辺部分については開発を後回しにしましたが、間も無くそれも完了する予定です。
導入効果
— 開発時に苦労した事はありましたか?
新システムの開発に際しては、「(1)旧システムで出来ていたことを操作性を含めてそのまま再現したい部分」と、「(2)業務改革のために全く新しく開発したい部分」がありました。(2)は主に社内稟議に関する部分で、従来は紙ベースで行っていた年間1万件もの稟議を全てシステムで電子稟議化することでした。
当初は(2)の紙から電子へ移行するペーパーレスに時間がかかるのではと心配していましたが、実際に運用が始まると、慣れるまで少し時間はかかりましたが、紙より電子化された仕組みの方が便利だと、すぐに実感してもらうことができて、一気に完全ペーパーレスが実現しました。
一方で(1)の部分は、思っていたより苦労しました。
旧システムの操作性を可能な限り再現することに努めた結果「使いづらかった所」まで再現されてしまい、ユーザーから「新しくなったのになぜ改善されていないのか?」とのクレームにつながるものもありました。
開発後の検証作業をより緻密に行い、検証にかかる時間ももっと多めに見積もっておかなければいけなかったと今では思います。ただし、システムの修正や微調整は迅速で、先述のツール「Web Performer」の恩恵を感じた部分でした。
— 稼働後の状況についてお聞かせください。「クラウド運用」となると操作性や安定性、運用コストなどを心配される企業も少なくありません。
開発最終段階の並行稼働の際には、新旧両方のシステムにデータを取りに行かなければいけない期間が少しだけあり、その間は処理速度が落ちました。
本稼働後は問題なく、現在まで大きなトラブルは発生していません。ネットワークの影響でシステムの稼働が止まったという事もありませんが、ネットワーク環境の改善やバックアップ体制の整備は継続して進めています。
クラウド化により、物理的なハードの故障の心配や、サーバソフトのアップデート等の手間から解放されました。クラウドサービスに全てお任せし、何か不具合が発生した場合も、ニッセイコムのエンジニアのサポートで安心感があります。
提案の時からずっと同じエンジニアの方に担当してもらっているので、時間を重ねるほど相互理解も深まりました。来社していただき、現場を見てもらいながら直接会話をする形で、ずっと丁寧な対応をしていただいています。
コストについては、社内サーバで運用した場合と、クラウド運用とでは、担当者の運用負荷軽減やハードの故障の心配がないことのメリットをどのように考えるかによりますが、トータルコストでは大きな違いはないのではないでしょうか。
今後の展望
— 最後に、今後の展望について教えてください。
周辺機器も含めた構築が終わり、統合基幹システムはいよいよ本格的に使いこなしていく段階に入りました。引き続きサポートをいただきながら、より良いシステムにしていきたいと考えています。
また社内の他のシステムもすべてクラウド化する方向で進めており、人事システムはニッセイコムの「GrowOne Cube」を導入してクラウド化しました。
もっと未来に向けてという点では、現在AIによる画像認識の研究を進めています。廃棄物の査定や選別に用いることで、再資源化の精度向上や、お客様に提供するサービス品質の向上を追求したいと考えています。そのようなテーマにも、ニッセイコムからアイデアをいただき、一緒にチャレンジしていけたらと思っています。
お忙しい中、ありがとうございました。
お客様について
昭和42年創立。産業廃棄物を分別・分級し、再資源化する事業を主力としている。
世界最高水準の「ごみにしない技術」や、地域に根ざした里山保全、環境教育、農作物生産等への事業展開は高く評価され数々の表彰を受ける。テレビ東京「カンブリア宮殿」でも特集される等多くの注目を集め、現在は世界中から年間に約3万人が施設見学に訪れる。
本社所在地 | 埼玉県入間郡三芳町上富1589-2 |
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創立年月日 | 昭和42年7月 |
売上高 | 5,130百万円(2017年8月期) |
従業員数 | 約175名(2018年1月) |
Webサイト | 石坂産業株式会社 |
2018年6月取材。
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