GrowOne Cube 販売(セミオーダー型開発) 導入事例 富士オフィス&ライフサービス株式会社様
お客様の声
富士オフィス&ライフサービス株式会社の皆さまに、新販売管理システムの導入経緯、ニッセイコムを選んだ理由、導入後の評価などについて伺いました。
<写真>
〔富士オフィス&ライフサービス株式会社〕
業務部長 鈴木慎也氏(右から2番目)、同部 IT推進課長 工藤盛一郎氏(左から3番目)、
同課 清水英雄氏(右から3番目)、松石大輝氏(右端)
〔弊社〕
営業 渡邉(左端)、SE 高木(左から2番目)
導入の背景・目的
— はじめに、富士オフィス&ライフサービス株式会社はニッセイコムに何を依頼されたのかを教えてください。
新しい販売管理システムの開発を依頼しました。
当社は、国内の富士電機グループ企業各社、所属する約20,000名の従業員とその家族、OB社員を対象としたさまざまなサービスを提供しています。保険、旅行、不動産、介護サービスなどに加え、各企業や拠点で必要なものを代わりに調達する役割も担っています。1本のボールペンや、工場から出荷される製品の梱包資材といった細かな商品から、入社式会場の手配のようなサービスまで取扱品目は多岐に渡り、1年間の取引件数は60,000件を超えます。
それら1つ1つの取引の受注、売上、発注、検収処理をおこなっているのが販売管理システムです。当社の営業・調達スタッフ、約230名が毎日使っています。
— なぜ、新しい販売管理システムが必要になったのでしょうか?
10年以上前から稼働している旧システムは、フルスクラッチで、古いプログラム言語を使って構築されたものでした。そのため近年はシステムをより良くする、たとえば発注業務のコンプライアンス強化、親会社のシステムとのデータ連携、会計システムへのデータ提供などが求められた時に改修に手間がかかる状況でした。
加えて旧システムは、Windows Server 2008で稼働していました。
サポートが切れる2019年末までにはバージョンアップに対応する必要がありました。
フルスクラッチの旧システムを再構築した場合の工数をシミュレーションしてみたところ、多額の費用がかかることが予測されました。そこでパッケージヘの移行を検討しました。長く使っていくシステムですから、パッケージを利用すれば将来Windows Serverのバージョンアップに対応する時が来ても負担を軽減できると考えました。
— パッケージの導入に際しては、よく「業務にシステムを合わせるのか、それともシステムに業務を合わせるのか」ということが議論になります。
当社では、できるだけ「業務にシステムを合わせたい」と考えていました。
パッケージの導入を契機に業務を変えていくという考え方もあり、それを否定するわけではありません。扱う品目、商流、ユーザー数などによっては、そのほうが業務の革新や効率化といった観点で効果的なケースもあるでしょう。
ただ当社の場合、まずシステムの利用者が全国の営業拠点に散らばっています。画面の項目や画面遷移、業務フローなどが大きく変わると教育負担が大きくなってしまい、導入・運用における費用面のメリットが薄れてしまいます。
また当社は先述の通り取扱品目がたいへん多く、取引相手も一般の外部取引先のほか、親会社の各部門、当社内の部署間取引等が混在しています。複雑に関わりあう案件についても、標準的なパッケージのままでどれだけ処理できるものなのか。いずれにせよある程度のカスタマイズは避けられないと考えていました。
更新やメンテナンスのしやすさの面ではパッケージのメリットを享受したい。
一方で旧システムにできるだけ近づけたい。ただしカスタマイズを加えたとしても、旧システムを再構築した場合にかかる費用を超えない範囲で。
果たしてそのような要望が実現可能なのか、パッケージベンダーの調査から始めました。最初は20社くらいに声をかけたと記憶しています。当社の事情を説明していく中で辞退したベンダーもありました。最終候補として4社が残りました。
開発が始まってから「やっぱりできません」では困りますから、当社のシステムや業務の現状を理解してもらうことに時間をかけました。候補ベンダーとは約半年間コミュニケーションをとり続け、その上で提案してもらいました。
比較検討の結果、ニッセイコムのGrowOne Cubeを選びました。
選定ポイント
— ニッセイコムを選んだ理由を教えてください。
ニッセイコムはこれまで当社と取引の無かったベンダーでした。
最終候補に残った他ベンダーよりも費用は割高でした。
経営トップの立場で考えると、多少でも資本関係のあるベンダーの製品を選ぶとか、できるだけ開発費用を圧縮するようにという方針を優先したい時もあると思いますが、当時の当社の経営層からは「導入にかかる費用よりも、長く使っていく上で利用者に負担が少ないシステムを選んでもらいたい」と言われていました。それを踏まえてニッセイコムを選んだのですが、特に以下のような点を評価しました。
「セミオーダー型」の開発
ニッセイコムの提案は「セミオーダー型」のシステム開発でした。
ニッセイコムの持つパッケージ「GrowOne Cube」の基本機能と、業種別に用意されたテンプレートなどをパーツのように組み合わせていき、足りないパーツ(当社独自の必要機能)は個別開発していくという方法だと説明を受けました。
当社の旧システムや業務の実態と、GrowOne Cubeとの違いを丁寧に調査した上で、画面の見た目・内部処理・データベースといった各層ごとに、どの部品がどの程度利用できるのか、どの部分で個別開発が必要なのかを明確に示してくれました。
業務の理解度と誠実なレスポンス
上述のセミオーダー型開発の提案に説得力を持たせたのは、提案に至るまでのニッセイコムとのコミュニケーションでした。選考過程で各ベンダーに当社の業務や旧システムについて説明したとき、明らかにパッケージの標準機能ではカバーできないと思われるいくつかの業務や処理について、「この部分はどう対応できますか?」という質問をこちらから何度も投げかけました。
曖昧な回答ばかりのベンダーもありましたが、ニッセイコムは常に誠実で明確でした。できる事とできない事の整理や、できない事についても他にどのような方法で対応可能なのかをわかりやすく説明してくれました。パッケージとスクラッチ、両方の経験やノウハウが豊富であることがわかりました。
またニッセイコムは、インハウスの業務についても熟知しており、社内取引のフローや遵法についての理解も高かったことが印象的でした。
先回りをしたデモ画面
GrowOne Cubeのデモ画面を最初に見た時の事をよく覚えています。
各ベンダーとコミュニケーションをとり始めた初期の頃で、まずはどんなパッケージなのか基本的な画面や操作感を知りたいと思っていました。ニッセイコムが見せてくれたのは、ほぼ、当社の旧システムの画面でした。色合いや行間に違いはあるものの項目が同じ位置に配置されており、これなら各職場で受け入れてくれそうだと感じました。こちらからわずかな情報を伝えただけで、先回りして「このように対応できます」ということを示してくれました。これはどのベンダーにもできることではないと思いました。
導入プロセス
— ニッセイコムへの依頼が決まった後は、どのように進んでいったのでしょうか。
ニッセイコムの提案に沿って、以下のような2ステップでゴールを目指す方針で開発を進めていきました。
第1ステップ:現行業務の継続+優先課題のみ改善
第2ステップ:将来構想を実現するための機能強化
Windows Serverのバージョンアップに対応するため、新システムは2019年末に稼働させなければいけないことが決まっていました。まず期限までに「旧システムで行っていた業務を継続できる状態」にする事を第1ステップのゴールに定めました。旧システムから改善したい機能はたくさんありましたが、第1ステップで優先的に改善すべき課題(コンプライアンス強化のための承認ワークフロー整備)と、第2ステップで扱う課題(在庫管理・集中購買・損益予測など)に分けました。
新しいシステムを作るとなると、さまざま部門や人から、多種多様な期待や要望が寄せられます。開発可能だとしても、全てを一度に叶えようとすると破綻してしまいます。無理をして納期が遅れるような事態だけは避けなければいけないと考えていました。ですから、開発工程をいくつかのステップに分けて、一段ずつ学習しながら着実に進めていくというニッセイコムのセミオーダー型の開発方式に賛同しました。
結果的にこの開発方式が功を奏しました。
実は開発途中に大きな経営判断があり、第2ステップで予定していた機能改善の一部を第1ステップに前倒しで実装しなければいけない事態になりました。開発期間に余裕が無くなり一時は大変でしたが、ニッセイコムの協力を得ながら乗り切ることができました。もともとステップをきちんと切り分けて無理のない開発計画を立てていたことで、急な変更にも対応できたのだと思います。
予定通りのスケジュールで第1ステップの開発は進み、新しい販売管理システムの稼働がスタートしました。実際に動かしてみることでいくつかの不具合も出てきましたが、最初の数ヶ月で直していただき、現場のユーザーも慣れていきました。初めての月次決算、各地区の親会社のシステムとの連携、1つ1つ乗り越える度に新システムが馴染んでいき、旧システムからの切り替えが完了しました。
評価と今後の展望
— これまでのニッセイコムの活動について評価をいただけますか。
ニッセイコムのエンジニアは初期段階から積極的に打ち合わせに参加してくれました。営業所にも足を運んで現場の声を聴き仕様に間違いが無いかを確認し、業務の流れを理解して進めてくれるので安心感がありました。レスポンスも早く物腰は柔らかなのですが、間違っている事はきちんと間違っていると指摘してくれます。常に私たちと同じ目線でコミュニケーションを重ねることができました。
— 最後に、今後の展望について教えてください。
第1ステップが完了した新システムは、現行業務の継続だけではなく、承認ワークフローの強化による現場作業の効率化も実現することができました。現在は第2ステップを進めている段階で、更なる機能改善に取り組んでいきたいと考えています。
お客様のニーズを先読みできるようなシステムにしたいです。書類の電子化やリモートワークといった現場の変化は、ちょっとしたオフィス備品などの注文の種類や数に反映されます。兆候をいち早くつかむことで、富士電機グループ全体の需要を予測し、調達を工夫することでコスト削減にも貢献することができます。
当社の業務品質や提供するサービスの価値の向上を支えてくれるようなシステムに育てていきたいと思っています。引き続きニッセイコムのサポートに期待しています。
お客様について
所在地 | 東京都品川区大崎一丁目11番2号 |
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創業年月日 | 1958年12月1日 |
従業員数 | 363名(2018年3月現在) |
Webサイト | 富士オフィス&ライフサービス株式会社 |
2021年3月取材。
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