GrowOne メンテナンス 導入事例 大成有楽不動産株式会社様

大成有楽不動産株式会社様

お客様の声

「ビルメンテナンスの現場で使われ、育っていくシステムにするために、4社の候補からニッセイコムの『GrowOne メンテナンス』を選びました」

大成有楽不動産株式会社では、ビルメンテナンス事業を支える新しい基幹システムとして、ニッセイコムの「GrowOne メンテナンス」を採用しました。導入の経緯や選んだ理由、導入後の評価などについて詳しく伺いました。

<写真>
〔大成有楽不動産株式会社〕
 社長室 情報企画部長 服部正憲氏(中央左)、同部プロジェクト室 係長 鈴木仁氏(中央右)
 ビル管理本部 ビル管理部 ビル管理室長 渡邊雄太氏(左から2番目)
〔弊社〕
 営業 山田(左端)、SE 川本(右から2番目)、児玉(右端)

導入の背景・目的

使われないシステムには、ナレッジが蓄積しない


— はじめに、ビルメンテナンスの基幹システムを新しくすることになった経緯について教えてください。


当社は「施設管理」と「不動産」の2つの事業を柱としています。
今回導入したシステムは、前者の施設管理のうちビル管理事業が対象です。オフィスビルをはじめ、商業施設やホテル、病院、学校など、さまざまな建物や施設の維持運営管理、設備管理、清掃、警備、リニューアル工事などを行っています。

常駐・巡回合わせて全国2,600件の案件を管理するのが基幹システムの役割です。利用度合いは職務によって異なりますが、2,000名ほどの社員が使用します。このシステムを経由してお客様に作成・提出する臨時・役務の見積書は年間約4万件に上ります。

従来まで使っていたシステムには、以下のような課題がありました。

<課題1>
システムの利用率が低く、点検や対応履歴などの情報がなかなか入力されませんでした。そのため各支店での業務品質のチェックが粗くなってしまったり、いつ・どのような行動を取ることが顧客満足や営業成果につながるかといった“ナレッジ”が蓄積されず、活動が属人的なままになっていたりしました。

<課題2>
まだまだ紙ベースの申請文化が根強く残っていました。巡回担当者は事ある毎に事務所に戻って決裁書や報告書を作成し、印刷し、承認されたらそれをFAXで送信して、と大きな負担をかけていましたし、お客様を待たせてしまっていました。

他にも導入から10年近く経過して古くなっていた部分も多かったため、これらの課題を解決する、新しい基幹システムの導入を検討し始めました。加えて、お客様や取引会社との情報連携や履歴データの分析による業務予測など、さらに情報を活用した進化した働き方を目指したいと考えました。

ビルメンテナンスのシステムを扱っているベンダーを探し、4社を候補としてリストアップしました。比較検討の結果、ニッセイコムの「GrowOne メンテナンス」を採用することに決めました。

選定ポイント

利用者の声に応えやすいセミスクラッチ型パッケージを採用


— ニッセイコムの「GrowOne メンテナンス」を選んだ理由を教えてください。


候補の4社は、下記の3パターンのいずれかに分かれました。

(1)パッケージを標準のまま導入することが前提。追加開発はしない。
(2)追加開発を前提にして、パッケージを導入(セミスクラッチ)。
(3)ゼロから独自開発(フルスクラッチ)。

システムに業務を合わせる(1)のスタイルは当社には合わないと判断しました。これまでの業務のやり方を大幅に変えることで、再び「使われないシステム」になることは避けたいと考えました。また(3)の方法を採用するだけのリソース(費用面と当社内の人材)や時間の猶予はありませんでした。

ニッセイコムは、(2)のセミスクラッチ型で提案してくれたベンダーの1つでした。
最終的にニッセイコムの「GrowOne メンテナンス」を選んだ理由としては、まずカバーされている業務範囲の広さが挙げられます。物件情報、文書管理から点検スケジュールの日程調整まで、現場サイドで必要な機能がそろっていました。当社向けのカスタマイズを加えるとしても、初期状態での器の大きさが開発の効率化につながると思いました。

そして、ワークフロー機能が最初から搭載されていたこと。これまでのシステム開発の経験的に、ワークフローについては後から追加しようとすると開発の難易度やコストが高くなると考えていたため、標準装備されていることは魅力的でした。

また、一度慣れればどの画面も同じように操作できるインターフェースも良いと思いました。ワークフローを導入するということは、システムの操作が不慣れな現場スタッフや年配の管理職でも使えるようにしなくてはいけないということです。使いやすさも重要だと考えました。

導入効果

コロナ禍を乗り越えて、スケジュールを守ることができた


— GrowOne メンテナンスの導入プロセスについて教えてください。


GrowOne メンテナンスの導入を決定したのは2019年9月でした。
システム部門から支店・現場まで広くメンバーを募ってプロジェクトチームを立ち上げました。機能や要件を固めていくための対話を重ねながら導入作業を進めていきました。

途中、新型コロナウイルスの影響で打ち合わせのオンライン化やリモートでの構築作業を余儀無くされる状況になりました。情報の共有や伝達の効率が落ちる中、ニッセイコムのエンジニアに尽力いただきました。当初の予定から遅れることなく作業は進み、2020年9月にはテスト環境が完成、ユーザ向けのオンライン説明会を順次展開していきました。

2021年1月より運用がスタートしました。
GrowOne メンテナンスをベースに構築された、ビルメンテナンス事業の新しい基幹システムは、「TY-Net」と名付けられました。TY-Netは当社従業員のためだけのシステムではなく、協力会社と力を合わせて品質の高いサービスをお客様に提供するための、一連の活動を支える基盤となるシステムです。そのため 当社WebサイトでもTY-Netをアピールしています。




— 新システムは現場に受け入れられ、使われるようになりましたか?


旧システムとの並行期間を3ヶ月設定した上で切り替えました。
リーダーの号令で一気に変化できる少人数の支店や、地方支店に速やかに浸透していきました。特に地方支店は、お客様と物理的に距離が離れていて新システムのメリットがすぐに実感できる(事務所まで戻らずに報告作業ができるなど)ためだと思います。また、拠点別の利用度合いを計測できるので普及が遅れている拠点にピンポイントでフォローをすることもできました。

現在は並行期間も終わり、ビルメンテナンス業務に関わる全てのスタッフがTY-Netを使用しています。コロナ禍と共に導入を進めてきたことで苦労もありましたが、リモートワークなど世の中の意識や行動の急速な変化が、慣れ親しんだ紙文化からの脱却を後押ししてくれたように感じます。



— 運用から約1年が経過しましたが、既に現れている効果があれば教えてください。


わかりやすい部分でいうと、決裁の電子化によって年間約4万件分の紙を削減できました。
しかし実際の効果という点では、紙よりも「時間の削減」の方が、価値が高いと思います。お客様から見積依頼を頂いた場合、これまでのアナログのプロセスでは数日間お待たせしてしまうこともありました。現在は、翌日には提出可能です。全国各地の現場で削減できた時間を集積すれば、かなりのインパクトがあります。

また、TY-Netは「システムのオープン化」を志向しており、お客様に直接データを閲覧してもらえるようになりました。定期的な報告業務が効率化できましたし、喜ばれるお客様も増えてきました。間もなく、協力会社向けのオープン化も始まる予定です。

今後の展望

全社のDX化を牽引するシステムとして育てていく


— GrowOne メンテナンスは、どんな会社に向いていると思いますか?


ある程度歴史があって、なかなか業務そのものを変えることができない(既製のパッケージシステムに業務を合わせることが困難)が、業務のデジタル化やDX化に課題を抱えている会社に向いていると思います。当社と同様に「セミスクラッチ」というスタイルが合うのではないでしょうか。

ニッセイコムのエンジニアは、無責任に何でも「できます」と言うのではなく、できる/できない を明確に、根拠をもって応えてくれました。ビルメンテナンス業務のこともよく理解されています。現在どのようなシステムを使っていて、何に困っているか、何を実現したいのかを伝えたら、きっと親身になって一緒に考えてくれると思います。



— 最後に、今後の展望について教えてください。


現在のTY-Netは、決裁の電子化や、タブレット等を用いた外出先や現場から操作できるシステム環境は整いましたが、描いていた導入計画ではまだ道半ばです。現場から寄せられた声を元にした修正や改善はすでに始まっていますし、段階的に追加機能をリリースしていく予定です。

先述の“ナレッジ”については、ようやく「日常業務の中で自然とデータが蓄積されていく環境」が出来上がった段階です。データから何を読み取り、どう活かすかについてはこれからのチャレンジになります。BIツールの活用なども含めて、ニッセイコムと話し合いを進めています。

ますます競争が厳しくなっていくビルメンテナンス業界の中で、競合他社よりも優れた価値をお客様に提供していくためには、相応の工夫と、その根拠となるナレッジが必要です。ニッセイコムと共に作ってきたTY-Netは、価値を生み出すエンジンだと言えます。大切に、かつ大胆に育てていきたいと思っています。今後も引き続き、ニッセイコムのサポートを期待しています。



お忙しい中、ありがとうございました。

お客様について

不動産の開発(価値をつくる)と、あらゆる建物の設備管理(価値をまもる)の2つの事業を展開する総合不動産会社。
施設管理事業においては、オフィスビル、商業施設、ホテル、空港、病院、学校など多種多様なファシリティマネジメントの実績を持つ。
本社所在地 東京都中央区京橋三丁目13番1号
創業年月日 1953年4月1日
従業員数 3,088名(2021年1月1日現在)
Webサイト 大成有楽不動産株式会社

2021年12月取材。
このページの情報は取材日時点のものです。
現時点では変更になっている場合もありますのでご了承ください。


※GrowOneは、株式会社 ニッセイコムの登録商標です。
※TY-Netは、大成有楽不動産株式会社の製品です。

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