アフターサービス業向けコラムアフターサービス課題/整備計画編 ~ 提案の抜け漏れ ~
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2025年9月10日
アフターサービス業務においては、設備の整備やメンテナンス契約など様々な課題が発生しがちです。その中でも特に見逃されがちな提案や計画の抜け漏れが深刻なトラブルの原因となることがあります。
ここでは、整備計画の概要や重要性、必要とされる設備、そして整備契約のシステム化によるメリットなどを整理しながら、業務課題を明確にし、より良いサービス提供に繋げるためのポイントを解説します。
1. 整備計画とは?概要と重要性
整備計画とは、建物や施設などの設備を継続的に安全・快適に利用するための具体的なメンテナンスや工事の計画を策定することを指します。その概要と重要性を以下で押さえていきましょう。
整備計画は、今後どのような修繕やメンテナンスが必要になるのかをあらかじめ見極め、長期的に安全性とコストパフォーマンスを高める仕組みです。単なる点検の実施や故障対応ではなく、施設全般の状態を把握しながら予防的に整備を行うことで、設備の稼働率や利用者の満足度を維持できます。
また、所有者や管理者が抱える資金計画などのリスクを軽減する役割も大きいです。計画に沿ってタイムラインごとに必要な予算や作業を明確化できれば、思わぬトラブルや急な出費を回避することにつながります。
2. 整備計画の目的と役割
整備計画は、設備への適切なメンテナンスとコスト管理を実現するだけでなく、利用者の安全と企業の信頼獲得にも大きく寄与します。ここでは、具体的な目的と役割を確認します。
まず挙げられるのは、故障や事故のリスクを未然に防ぎ、安全性を確保することです。設備の老朽化や機器の不具合を早期発見し、計画的に補修や交換を実施することで、大きなトラブルを回避できます。
同時に、計画的にメンテナンスを進めることで、経営面やコスト面でも効果があります。突発的な修理ではなく、スケジュールと予算に組み込んだ整備を行うため、大幅にランニングコストを削減できる可能性があります。
さらに、利用者からの信頼を獲得できる点も大きなメリットです。設備が常に良好な状態であることでサービス品質が向上し、結果的に企業や施設全体のイメージアップにもつながるでしょう。
3. 整備計画が必要とする主な設備(昇降機、立体駐車場、マテハン設備)
整備計画を策定するうえで特に着目すべき設備として、昇降機、立体駐車場、マテハン(マテリアルハンドリング)設備などが挙げられます。それぞれの特徴やメンテナンス上のポイントを押さえることが重要です。
昇降機は建物内での人や物の移動に欠かせない設備のため、故障が発生すると利用者の安全や利便性に大きな影響を及ぼします。定期的な点検や部品交換を組み合わせ、完全停止する前に適切な整備を行うことが不可欠です。
立体駐車場は機械要素が多く、稼働する部品数が多岐にわたるのが特徴です。狭いスペースに高い収納力を実現するための構造になっている分、定期的な清掃や摩耗部品の交換時期を見逃さない整備計画が重要になります。
マテハン設備は工場や倉庫など、業務効率に直結する分野で用いられるため、停止時間が長引くほど大きな損失につながりやすいです。安全装置やセンサー類が常に適切に作動するよう、日々のチェックに加えて長期計画での部材交換を見込んでおくと安心です。
4. 整備計画の課題 整備契約 システム化のメリット
整備計画や整備契約においては、提案段階での内容不足や確認不足が課題として顕在化しやすい一方、システムによる一元管理導入で抜け漏れを防ぐことが期待できます。これらの課題とシステム化の利点を解説します。
整備計画の大きな課題は、提案や契約段階での情報共有が不十分になりがちな点です。設備担当者と契約を交わす部門が異なる場合、必要情報の連携がスムーズに行われず、契約内容に見落としが出ることがあります。
定期点検のスケジュールや交換部品のリストなど、整理すべき項目が多いため、人為的なミスが重なると大きなトラブルに発展しかねません。特に担当者が異動した場合、口頭やメールベースのやり取りでは記録が曖昧になりやすいです。
そのため、一元的に情報を管理できるシステムを導入するメリットは大きいといえます。契約内容や整備状況を可視化し、必要に応じて関係者が同じ情報を共有できるようにすることで、抜け漏れや確認不足によるトラブルを効果的に回避できます。