システムの受託開発 導入事例 株式会社三機サービス 様
自社業務に対しての理解力と課題解決力を備えた
- 提供サービス
- システムの受託開発
- 開発システム
・販売管理システム
・コールセンターシステム
・Webコールシステム(お客様向け)
・報告書電子化システム(外注パートナー企業様向け)
・タブレット受付システム(お客様向け)
- 業界/業種
- 電気機械器具修理業
- 企業規模
- 531名(2023年5月31日現在)
取材にご協力いただいたお客様
経営企画部 執行役員 部長 情報システム部 後藤尊一郎 氏(左から2番目)
-
01導入前の課題
- 売上拡大のスピードをより加速させるためには、業務プロセスの見直しと、業務を支えるシステムの強化が必要だった。
- 内製化だけでは限界があり、信頼のおけるITパートナーの支援が必要だった。
-
02選択理由
- 長い間のコミュニケ―ションを通じて、自社業務や課題に対しての理解、ニーズを正確に押さえた的確な提案力を評価した。
-
03導入効果
- パートナー企業様向けシステム(報告書電子化、進捗管理など)の構築により、業務の省力化を実現し、事業拡大に向けたシステム基盤が強化できた。
- コールセンターシステムでのナレッジの共有化により、オペレーターのサービス品質向上および社内教育コストの低減に繋がった。
導入の背景と課題
売上拡大のスピードをさらに加速するために、業務を支える基幹システムを強化したい
-- 今回、御社はニッセイコムをITパートナーとして、基幹システムのスクラッチ開発を依頼されました。その背景について、お聞かせください。
当社は現在、「多店舗展開企業様から店舗の設備メンテナンスを一括で請け負うトータルメンテナンスサービス」、「空調のメンテナンスから空調設備の入れ替え等の建物設備の保守・改善を行うメンテナンスサービス」、「省エネルギーを軸としたお客様の環境改善を目的とした環境ソリューションサービス」の、3つの事業を展開しています。
設立45周年を迎えた2022年7月には、2025年5月期を対象とする中期経営計画「SANKI NEXT STAGE 2025」を策定しました。この中で5つの基本方針を掲げており、その1つが3年間で売上を2022年5月期の約2倍(214億5000万円)にする"事業規模の拡大"です。
これを達成するためには、現在とまったく同じサービスを提供し続けるだけでは不十分です。新たに獲得したお客様の様々なニーズにも対応できるように業務プロセスを見直し、それを支えるシステムを強化する必要がありました。また、当社はもともとシステムを内製化していましたが、IT人材に限界があり、信頼のおけるITパートナーの支援を受ける必要もありました。
-- 以前の業務プロセスやシステムには、具体的にどのような課題があったのでしょうか。
当社では「コールセンターでのお客様対応」、「修理の進捗状況の把握」、「紙ベースでの情報のやり取り」と、大きく3つの課題がありました。
まず、コールセンターではオペレーターの習熟度によってお客様対応に違いがあったことです。当社は、お客様からのご依頼を基本的に電話でお受けしますが、お客様が多岐にわたるため個々に応対ルールをまとめたマニュアルを作成しています。しかし、経験の浅いオペレーターの場合、手配の途中で応対ルールを間違えてしまうということが度々起きていました。
次に、お客様からご依頼いただいた修理の進捗状況が時々把握できなくなっていたことです。修理のご依頼なのでお客様が急いでおられる一方、外注パートナー企業様のリソースは限られており、なかなか現場に向かえないという事態も発生していました。そのような中、往々にして"今どのステータスで業務が止まっているのか"が分からなくなっていました。
さらに、業務委託している外注パートナー企業様とのやり取りがFAXを含めて紙ベースで、当社からお客様に報告するための資料を作成する際には、当社システムに再入力する手間がかかっていたことです。
こうした課題は、システムが業務に沿ってきちんと整備されていれば、その多くが解決できるものです。例えば、コールセンターならお客様ごとの対応マニュアルを電子化してコールセンターシステムにマスター登録しておき、電話対応の際に画面表示させる仕組みがあれば、ナレッジの共有化や標準化を支援することができます。外注パートナー企業様とのやり取りでは、報告書を電子化し、ワークフローシステムと連携させることで、ステータスの管理と共有化に加え、担当者の再入力作業まで削減することが可能となります。
つまり今までのシステムは業務を支える仕組みとして、かなり脆弱なものだったということです。
サービス選択の理由
ニッセイコムの業務に対する理解とシステムの設計力・開発力、コミュニケーション力を高く評価
-- そうした数々の課題を解決するために、今回、基幹システムのスクラッチ開発をニッセイコムへご依頼いただきました。ITパートナー企業として、弊社を選定いただいた理由についてお聞かせください。
以前Webアプリケーションサーバーを構築するためのミドルウェア製品を探していた時に、販売会社として来ていただいたのが最初です。それ以来、営業担当者の方が足繁く通って、当社のシステムについて、色々話を聞いてくれていました。
当社はお客様の増加に併せてシステムの改修をずっと継続してきました。必要に応じてニッセイコムにも相談して提案をもらい、社内で稟議を上げることも行っていましたが、大きな商談には繋がっていませんでした。
しかし、このような継続的なコミュニケーションを通して、ニッセイコムのニーズを正確に押さえた的確な提案力を肌で感じることができました。信頼のおけるITベンダーだという認識を強く印象付けられたと思います。
-- それが2015年4月に着手された課題整理からのパートナーシップに繋がるわけですね。
その理解で間違いありません。
基幹システムを構築するに当たっては、まず課題を整理し、それをきちんとアウトプットする必要がありますが、これがなかなか難しい。そこで一般的にはコンサルティング会社に協力を仰ぐことになりますが、高額な費用がかかりますし、彼らは実際に手を動かすところまではやってくれません。
そこで、これまでのやり取りで信頼のおけるITベンダーだと考えていたニッセイコムに協力を仰ぐことにし、ITコーディネータの方に入っていただき、現状の業務とシステムにおける課題を整理するところから始めました。
-- 弊社以外にもご検討されたITベンダーはあったのでしょうか。
社内で稟議を通すためには客観的な評価が必要です。超大手のITベンダーを含む計3社を比較検討しました。
その中で、以前から粘り強く足を運んでくれていたニッセイコムの真摯な姿勢や、長い間のコミュニケーションを通じて当社の業務や課題を一番理解していただいていたことは、大きなアドバンテージでした。開発コストも他のITベンダーに比べて安かったですね。
導入効果
5つのシステムで構成される基幹システムをオンプレミスで構築、運用監視はデータセンターのハウジングサービス を活用
-- その後2年をかけて目指すべきシステム像を明確にされ、2017年4月から基幹システムの開発プロジェクトを開始、2018年11月にカットオーバーを迎えられました。今回構築されたシステムの概要について、簡単に教えてください。
私たちはこの基幹システムを「SCRUM(スクラム)」と呼んでいますが、現状では大きく5つのシステムで構成されています。順番に販売管理システム、コールセンターシステム、お客様とインターネットを介してやり取りするためのWebコールシステム、外注パートナー企業様からの報告書を電子化してインターネット経由でやり取りするためのSCRUM-Wip、お客様がタブレット端末のアプリから修理などの依頼ができるタブレット受付システムです。
今回SCRUMの構築については、オンプレミスでシステム基盤を構築し、その上にスクラッチ開発でシステムを載せました。また、運用監視についてはデータセンターのハウジングサービスを利用することにしました。つまり、プライベートクラウドの形態でSCRUMを利用していることになります。
業務プロセスが標準化され、外部パートナー企業とのやり取りも効率化、大幅な人員増加をすることなく事業の拡大が可能に
-- SCRUMは現時点で稼働開始から約5年が経過していますが、これまでに実感されている導入効果とは、どのようなものでしょうか。
今回構築したSCRUMによって業務プロセスを整理し、ある程度まで標準化することができたと考えています。
また、業務プロセスを標準化し、紙ベースだった外注パートナー企業様からの報告書を電子化したことで、システム上で簡単にトラッキングできるようになりました。お客様からのご依頼案件の進捗管理も非常に行いやすくなりました。
さらに、報告書を電子化したことで、これまで当社で再入力していた手間とコストの削減にも繋がりました。これは中期経営計画で掲げた"事業規模の拡大"を目指す上で、大幅な人員増加をする必要がないということです。経営にとって非常に大きなメリットだと言えます。
-- 冒頭で少しお話いただいたコールセンターのオペレーターの方の業務改善についてはどうでしょうか。
お客様個々の対応マニュアルを電子化してコールセンターシステムにマスター登録し、電話対応の際に画面表示させる仕組みを構築したことで、ナレッジの共有化や標準化が加速しています。
従来のままでは、事業拡大をしていくためにはオペレーターを増員していく必要がありましたが、その際に大きな課題となるのが教育です。コールセンターでは、新しいオペレーターを採用しても、教育に3~4か月はかかるという課題がありましたが、SCRUMの導入から5年がたった今、その問題も解決できたと考えています。
今後の展望
SCRUMはまだまだ発展途上、ニッセイコムには新たな要望にも迅速に対応できる開発体制を整備して欲しい
-- 最後に、今後「SANKI NEXT STAGE 2025」の中で考えられている取り組みや、その際に改めてニッセイコムに相談したいこと、あるいは期待したいことなどがありましたら、ぜひお聞かせください。
現在のSCRUMは、5つのシステムで構成されていますが、まだまだ発展途上で、事業規模の拡大に併せて、さらに進化させていく必要があると考えています。
直近では、外注パートナー企業様とのやり取りをさらに効率化するためのパートナーWebシステムの開発を検討中で、また、お客様からは、チャットで修理依頼などのやり取りができる仕組みを作って欲しいというご要望もいただいています。
元々SCRUMの開発以前、当社はシステムを内製化していましたが、優秀なIT人材の確保という慢性的な悩みをずっと抱えていました。それを補ってくれるのが、信頼のおけるITパートナー企業の存在です。
ニッセイコムには、これまでのシステム開発案件に取り組む中で培ってきた技術やシステムに対する豊富な知見がありますが、今後は私たちのお客様拡大のスピード、さらには新たなお客様からのご要望にも迅速に対応できるような開発体制をぜひ、整備していただきたいと思います。
お忙しい中、ありがとうございました。
お客様プロフィール
会社設立の1977年に開始した大型空調機器のメンテナンスを中心に、2000年からは給排気設備、厨房設備、電気設備、給排水設備等の一般設備にもメンテナンス領域を拡大。
現在は「多店舗展開企業から店舗の設備メンテナンスを一括で請け負うトータルメンテナンスサービス」、「空調のメンテナンスから空調設備の入れ替え等の建物設備の保守・改善を行うメンテナンスサービス」、「省エネルギーを軸としたお客様の環境改善を目的とした環境ソリューションサービス」という3つの事業を展開している。
- 業種
- 電気機械器具修理業
- 事業内容
- トータルメンテナンス、空調保守メンテナンス、整備・環境ソリューション
- 本社所在地
- 兵庫県姫路市阿保甲576番地1
- 創業年月日
- 1977年7月11日
- 従業員数
- 連結531名(2023年5月31日時点)
- Webサイト
- 株式会社三機サービス
- 取材日
- 2023年12月
本事例に記載の情報は取材日時点のものであり、本ページ閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。