大紀商事株式会社 様 「GrowOne 販売情報システム」導入事例
オフコンからのリプレース先として、
5社の候補製品からニッセイコムの
『GrowOne 販売情報システム』を選びました。
パッケージと個別開発の双方のメリットを
得られる点が魅力的でした。
- 導入製品
- GrowOne販売情報システム
- 業界/業種
- 紙製品卸売業
- 企業規模
- 225名(2022年2月現在)
取材にご協力いただいたお客様
専務取締役総務部長 我妻巻子氏(中央)
総務部課長 中村栄壱郎氏(右から3番目)
同部情報システム課ITインフラストラクチャ担当 杉山賀一氏(左から2番目)
ニッセイコムの営業・SE
営業 山本(左から3番目)、牧原(右から2番目)
SE 丹原(左端)、松本(右端)
導入の経緯
提案依頼書に盛り込んだ「33項目の業務・システム要件」
-- はじめに、新しい販売管理システムの導入経緯について教えてください。
当社は長年、オフコンで販売管理を行っていました。
近年はWindows PC上で動かすためのアプリケーションを開発して使い続けていたのですが、システムのサポート終了に伴う老朽化対策が求められていました。
加えて、ただ入れ替えるだけではなく、システムの更新を契機に業務の改善や効率化を図りたいと思っていました。今までと同じことを同じやり方で続けるだけではなく、今までよりも質の高い販売管理業務ができるようになることを目指したい、そのためには既存システムの設計や機能をかたくなに継承するのではなく、外部のパッケージ製品を取り入れることで業務のほうを変えていくことも必要だと考えていました。
一方で、当社独自の業務やプロセスについてパッケージでどこまで対応できるかという不安もありました。もともと当社は商社的な機能のほうが強い会社だったため、システムは「モノを仕入れて販売する」ことを管理するためのものでした。その後、製造に力を入れ始めて自社工場を開設し、現在は売上の8割以上が自社製品となりました。商社からメーカーに変化してきた歴史があり、それゆえに独自のプロセスやルールが作られてきました。そのような部分まで全てパッケージに合わせて業務を変えてしまうのは困難ですから、どのようなパッケージであっても何らかの追加開発が必要になると考えていました。
まず現状の販売管理業務を分析することから始めました。
業務を洗い出してフローチャートを作成し、受発注/仕入/出荷/請求/売上/照会などの業務区分ごとに、担当する各部署が抱えている課題を明確化しました。その上で課題を解決するための「業務・システム要件」を33個にまとめました。それをRFP(提案依頼書)に記載して、5社の候補ベンダーに提案を求めました。
<RFPに記載した、業務・システム要件(一部抜粋)>
No.3
要件:在庫管理が全てシステム内一元管理されること
詳細:部署内での独自Excel管理の一切を排除し、リアルタイムでシステム内管理され全利用ユーザーに情報共有されること。Excel管理せざるを得ないものがあったとしても、それらの取り込みができること。また在庫引当処理や生産管理に、それらのデータが適切に利用されること。
No.12
要件:一意の商品に対して任意の複数の単位を持つことができ、それぞれの数値を変換できる事
詳細:受注・仕入処理、売上処理、入出庫処理において、それぞれの単位が別々である為、複数の単位を持つことが必須である。在庫引当時などに単位の変換が必要であるため、それぞれの数値を変換して処理できることが必須である。(長さ/面積/重さ/入数等)
No.26
要件:PC-FAXを使える事・メール送信機能がある事
詳細:請求書、納品書、納期回答書などの帳票を対象として、顧客または仕入先へPC から FAX 送信できること。また、メール回答をする場合があるため、FAXではなくメール送信にて連絡が可能であること。それらの送信・未送信ステータスが管理できること。
選定ポイント
5社の候補ベンダーからニッセイコムを選んだ理由
-- 5社の候補の中から、ニッセイコムの「GrowOne 販売情報システム」を選んだ理由を教えてください。
上述の業務・システム要件については、5社ともに、ほぼ全ての項目をカバーできるという回答でした。ただし基本機能だけで対応可能なパッケージ製品は1つもなく、どれを選んだとしても何らかの追加開発が必要であることがわかりました。追加開発費用も含めた総額費用の高さでは、ニッセイコムは5社のうち3番目でした。
ニッセイコムの「GrowOne 販売情報システム」を選んだ理由として、以下の2つが挙げられます。
(1)将来像がイメージできるコミュニケーション
事前に課題や要件を整理していたことで、候補ベンダーごとの回答の仕方を比較することができました。詳しい説明もなく「それもカスタマイズすれば大丈夫です」のような言い方を繰り返すだけのベンダーもいました。
ニッセイコムのエンジニアは、何をどの程度開発し、どのように課題を解決していくのか、システムだけでなく業務の視点からも具体的な説明をしてくれたことが大変印象的でした。「こういうシステムができ上がるんだ」という将来像をイメージすることができましたし、ニッセイコムとだったらうまくコミュニケーションをとりながらやっていけそうだと感じました。
(2)唯一の「セミオーダー型開発支援サービス」
候補5社の中で、ニッセイコムのGrowOne 販売情報システムは唯一の「セミオーダー型開発支援サービス」でした。業務や機能ごとのテンプレートを部品のように組み合わせながら構築し、その上に当社独自の開発を加えていくというスタイルは、先述した「パッケージの導入を通じて業務を洗練させたい」と「ある部分の独自プロセスやルールは維持したい」という両方のニーズを満たすのに向いていると考えました。
GrowOne 販売情報システムの導入を決断し、開発プロジェクトが本格的に動き出したのは2019年12月でした。要件定義が始まったばかりの頃、コロナ禍に見舞われました。
導入プロセス・導入効果
稼働から半年で「問い合わせの質」が変わってきた
-- コロナ禍の中で、どのように導入作業が進められたのでしょうか。
対面での打ち合わせや現場ヒアリングができなくなり、オンラインでのコミュニケーションに慣れるまで苦労しました。ただいったん慣れてしまうと、システム開発におけるコミュニケーションはオンラインが向いていると感じました。旧システムの現状を共有する際には画面共有によって操作そのものを見せながら会話することができます。工場など離れた拠点スタッフとの打ち合わせもスムーズに進められました。
一方で、プロジェクトの事務局として現場の期待や要望をどのようにコントロールしていくかについて難しさを感じました。主導権を強く持ちすぎると、利用する現場スタッフは「自分たちのシステム」として受け入れにくくなります。誰でも慣れ親しんだやり方を変えることは簡単ではありません。逆に、現場からの要望をあれもこれも受け入れすぎると、せっかくのパッケージのメリットを活かすことができません。こまめに完成イメージをすり合わせながら開発を進めていくことが大事だと思いました。
設計、開発、移行、テストを経て、2021年秋より新しい販売管理システムの本稼働が始まりました。
<新しい販売管理システムの全体イメージ>
稼働から最初の2カ月間は、操作方法などの問い合わせ窓口として、ニッセイコムのエンジニアに常駐サポートをしていただきました。初めのうちは操作方法がわからない、エラーが起きるといった問い合わせが大半を占めましたが、約半年経過すると問い合わせの質が変わってきて、業務の工夫や効率化に関する内容が増えてきました。まだ集約には時間がかかりますが、現時点で10%ほど業務時間を削減できたという部署もあります。
-- GrowOne 販売情報システムは、どんな会社に向いていると思いますか?
セミオーダー型開発支援サービスですから、どのような会社のニーズにも応えられると思います。特にメリットがあるのは当社と同じように、業態や業容が変化してきた歴史を持つ会社ではないでしょうか。変えられない独自業務を尊重しながら業務全体の効率化を図っていくことに役立つと思います。
-- 最後に、ニッセイコムにメッセージをお願いします。
ニッセイコムにお力添えいただき、コロナ禍の厳しい環境でのシステムリプレースを無事にやり遂げることができました。エンジニアはシステムだけでなく業務知識も豊富で、いつも頼りにしています。
当社はこれから販売管理だけでなく、生産管理も含めたビジネスプロセスの変革に取り組んでいきます。ニッセイコムからの問題提起や提案にも期待しています。引き続きよろしくお願いいたします。
お忙しい中、ありがとうございました。
お客様プロフィール
ティーバッグやコーヒードリップバッグフィルター等の設計開発・製造・販売を行う、飲料用フィルターのパイオニア。主力製品の不織布フィルターは「ティーバッグのお茶はおいしくない」という一般的なイメージを覆すことに貢献し、現在では世界50カ国以上に普及している。
- 本社所在地
- 大阪市中央区南久宝寺町3丁目6番6号
- 創業年月日
- 1980年10月23日
- 従業員数
- 225名(2022年2月現在)
- Webサイト
- 大紀商事株式会社
- 取材日
- 2022年3月
本事例に記載の情報は取材日時点のものであり、本ページ閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。
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