GrowOne メンテナンス 導入事例 八洲ファシリティサービス株式会社 様
属人化していた業務の効率化・見える化を実現。
経験や勘に頼らず、データを活用した営業スタイルに変化。
- 導入製品
- GrowOne メンテナンス
- 業界/業種
- 空調機
- 企業規模
- 108名(2022年8月現在)

取材にご協力いただいたお客様
産業サービス本部 専任部長 大網健益氏(写真右)管理本部 管理部 情報企画課 課長 野々村正律氏(左)同課 細谷香氏(中央)
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01課題
- 16年使ったシステムの機能を踏襲しつつ、開発コストは抑えたい。
- 業務効率化とサービス品質の向上を図りたい。
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02解決策
- 柔軟性のあるパッケージで必要機能をアドオンしていき、コストを最小限に抑える。
- 属人化していた見積業務をシステム化する。
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03効果
- 見積業務のシステム化によって、ペーパーレス化を実現した。
- データが見やすくなり、蓄積されたデータをもとに会話ができるようになった。
システムの概要
業務の効率化とサービス品質向上を図るために新顧客管理システムを導入
-- はじめに、ニッセイコムから導入したシステムの概要について教えてください。
当社は、新顧客管理システムとしてニッセイコムの「GrowOne メンテナンス」を導入しました。本システムは主に以下のような機能で構成され、お客さまに関する情報を一元管理しています。
<新顧客管理システムの主な機能>
現場台帳(お客さま情報管理)
定期保守案件の顧客情報を現場台帳に登録し、現場に関するすべての情報を一元管理、作業履歴などの情報収集の手間を削減する。
保守契約管理
定期保守契約情報を登録し、作業予定管理や契約継続などの更新を行う。
サービス管理・工事管理
定期点検予定や協力会社への作業委託を登録し、作業状況を把握して抜け漏れを防止する。
ダッシュボード
集計した情報を共有し、サービス受付件数や見積件数をリアルタイムで把握する。
見積管理(見積業務ワークフロー)
見積書に関する業務(番号採番、作成、申請、承認)すべてをシステム上で行う。

旧システムは導入から16年が経過し、サポート切れが迫っていました。新システムに切り替えることで、これまでの業務をさらに効率化するとともに、サービス品質の向上を図りたいと考えていました。
上述の機能のほとんどは旧システムを踏襲したものですが、「見積業務ワークフロー」は旧システムには無く、新システムの導入を契機に追加開発して導入しました。これにより、従来まで紙で行われていた見積業務がすべて電子化されました。
業者選定の決め手
決め手は「フィット感」「導入実績」「業務理解度」
-- 新顧客管理システムとして、「GrowOne メンテナンス」を選ばれた理由を教えてください。
まず、柔軟なカスタマイズができるという点です。
新システムの候補として7社のパッケージ製品をリストアップしました。
その中で、旧システムでできていたことが維持できるかどうかという観点から検討を始めました。当社のサービス内容やプロセス、取り扱う部品等の種類、協力会社との情報のやりとり、外部システムとの連携など、さまざまな観点で独自性の高い部分が多く、どのようなパッケージであっても追加のカスタマイズは避けられないと考えておりました。しかし完全にゼロから開発してしまうと費用面で合わないと感じていたため、ゼロから開発は考えていませんでした。
「GrowOne メンテナンス」はパッケージ+必要機能のアドオンを柔軟に行うことができ、費用も抑えられると感じました。
さらに、以下のような点を評価し、最終的に決定しました。
<業務とのフィット感が高い>
フィット&ギャップ分析をして比較すると、「GrowOne メンテナンス」は他社よりも当社業務との適合性が高かったです。後で伺ったのですが、「GrowOne メンテナンス」は元々保守作業の管理をルーツに開発されたパッケージで、現場寄りの設計思想を持つという点が特長とのことでした(他社パッケージは販売管理がベースになっていることが多い)。それが当社のような業態に最もフィットした理由かもしれません。
<豊富な導入実績>
ニッセイコムは他の6社と比べて導入実績が豊富でした。長く使っていくシステムですから、開発や運用の引き出しが多い、経験のあるベンダーを選びたいと思っていました。
<業務理解度の高いエンジニア>
ニッセイコムのエンジニアとは、ご提案の段階から要件定義の一部にご協力いただくような会話をしていました。システムだけでなく当社のようなメンテナンスサービス会社の業務そのものをとてもよく理解されていて、カスタマイズ開発が必要になっても安心して任せられると感じました。
導入の効果
キャッチボールしながら作られたシステムが、現場の会話を変えた
-- 「GrowOne メンテナンス」の導入による、現時点での効果について教えてください。
効果としては「見積業務のペーパーレス化による効率化」と「"データの見える化"による会話の変化」が挙げられます。
見積業務の電子化によってペーパーレス化が進みました。単に紙を減らすことができただけでなく、再度スキャンしPDF化して登録するといった二度手間も無くなりました。
新システムで作成された見積は、CSVやPDFだけでなくレイアウトを変更したExcelファイルで出力することもできるようになりました。関係会社との情報のやりとりではExcelファイルを求められることが多いのですが、レイアウト変更に時間を取られることが無くなりました。
それに加えて、現場での会話に変化が起きていることに手応えを感じています。
インターフェースがシンプルで使いやすいこともあって、積極的にデータを活用する社員が増えました。それによって上司と部下との間で、
「◯◯で作成した見積を参考にして修正してみたら?」
「その内容であれば、○○の仕様と似ているから使えると思います」
といった、過去のデータに基づいた会話が増えました。
自分の経験や記憶を頼りに都度ゼロから考えるのではなく、過去のデータを素早く参照、活用できるようになったことが、業務効率や品質に良い影響を与えています。
-- 「GrowOne メンテナンス」の導入作業時に苦労されたことはありますか。
最も苦労したのは、旧システムからの16年分のデータ移行です。
ニッセイコムのエンジニアに、実態調査や項目のマッピングの段階からご尽力いただいたおかげで、全件を無事に移行することができました。
現場でスムーズに運用できるかどうかという点で、最も心配していたのが見積業務機能でした。当社では年間8,000〜9,000件の見積が作成されています。事業部ごとに商流が異なり、フォーマットの統一もされていなかったため、プロセスもアウトプットも極めて属人的でした。そのため慣れ親しんだやり方を変えることに抵抗を示す社員も多く、過去に電子化を試みて断念したこともある長年の課題でした。
ニッセイコムは、開発の過程で勉強会などを行い、社員を巻き込み、声を集める機会を多く作ってくれました。もちろん社員の要望をすべて反映させるわけにはいかないのですが、ニッセイコムのエンジニアは、できる/できないといった紋切り型の対応ではなく、「これはこのような形で実現可能」「このくらいコストをかければ実装できるが、そこまで必要か?」といった現場目線での回答をしてくれました。現場とキャッチボールしながら開発していくことで、ここは大事だね、ここはしょうがないね、といった小さな納得や理解を重ねていくことができました。それがスムーズに導入できた要因だと思います。
今後の展望
-- 最後に、今後の展望をお聞かせください。
蓄積していく顧客情報の質と量を共に高めていきたいと考えています。
新システムの導入によって、今まで個々の社員の手元にしか無かった顧客情報が続々と登録・共有されるようになりました。しかしそれらの情報のどこに注目し、どのように活用すると効果的なのかはまだ明確になっていません。
今後は蓄積したデータを使用して、現場に役立てるための分析方法を構築していきたいです。合わせて、データを活用した提案ができる社員の育成とそのための機能の充実も重要になってくると思います。
お忙しい中、ありがとうございました。
お客様プロフィール

空調関連製品(空調機・冷凍機等)および産業機器製品(空気圧縮機・ポンプ・クレーン等)のメンテナンス(修理・保守・整備等)や工事を行う総合サービス会社。1976年の設立以来培われた高度な技術力をベースに、首都圏一円のお客様のビル、工場設備の維持管理、省エネ化のサポート等サービスを幅広く提供している。

- 業種
- 空調機
- 従業員数
- 108名(2022年8月現在)
- Webサイト
- 八洲ファシリティサービス株式会社
- 取材日
- 2022年8月
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