GrowOne メンテナンス 導入事例 三精工事サービス株式会社 様
情報の一元化、資料検索の手間削減により、現場からの問い合わせは約半分に削減。
さらに、商談情報の可視化、成功事例の共有により、担当者のスキルに依存しない営業基盤を構築。
- 導入製品
- GrowOne メンテナンス
- 業界/業種
- 舞台装置
- 企業規模
- 53名(2020年4月現在)
取材にご協力いただいたお客様
代表取締役社長 畑中祐介氏(右から2番目)代表取締役副社長 東京支店長 忠岡功祐氏(中央)専務取締役 営業本部長 高岡岳史氏(左から2番目)業務部 業務部長 重野美津子氏(写真左端)
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01課題
- 情報の一元管理ができておらず、情報共有に時間と手間がかかっていた。
- 原価管理や積算は担当者のスキルに依存していたため、提案力に格差が生じていた。
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02選定ポイント
- お客さま情報や各種作業履歴などを一元管理し全社での情報共有が実現できる。
- 故障発生前の適切なタイミングでの部品交換やリニューアルの提案ができる。
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03効果
- 顧客情報をシステムで管理することにより、部品交換や故障発生時の提案を確実に実行。
- 他の支店で成功した提案資料などが入手できるようになり、資料検索の手間と時間が削減。
導入の背景・目的
Excel、紙での顧客情報を一元管理し、改修提案を適切に行いたい
-- はじめに、貴社のビジネスの特徴についてお聞かせください。
畑中氏:弊社は、舞台機構設備と、エレベーターやリフトといった昇降機の設計、製作、据付、保守点検業務を行う機械器具設置工事会社です。お客さまは官公庁のほか民間の劇場、昇降機を所有する企業が対象となっています。舞台機構設備とは、舞台上の演出のために動作する吊物機構や音響反射板・残響可変装置、迫上げ機構・廻り舞台等の機構を指し、全国の劇場や公民館、市民会館などの多目的ホールで使用されています。近年は特に保守点検に力を入れており、リニューアル提案から、設計、製作、施工をトータルで行うことで、業界内の大手企業と同等の競争力を有するまでになっています。
-- 従来の業務における課題と、新たなシステムの導入経緯についてお聞かせください。
畑中氏:こうした強みは、これまで社員による努力によって支えられてきた反面、次のような課題も抱えていたのです。
まず、情報が拠点ごとに縦割りになっているという問題です。拠点によって業務関連情報の管理方法が異なっていたため、拠点間で情報共有する際に時間と手間がかかっていました。
次に、ペーパーレス化の遅れです。パソコン導入以後も書類に関してはお客さまごとに紙用のファイルを用い、そこに改修履歴、図面、見積、積算資料などの顧客情報や、過去の資料、商談メモに至るまで保存していたため、ファイルが数百冊にもおよび保管棚を占有。閲覧や検索に時間と労力を要していました。
そして、情報の不確実性です。メンテナンス業務の要となる改修履歴は、各支店で顧客カルテに手書きで記載していましたが、支店ごとにフォーマットが異なっていました。仮に記入漏れが発生した場合は、改修提案が適切に行われない可能性もあり、お客さまの信頼を損ないかねません。それを人力でチェックし続けることが大きな負担となっていました。また、原価管理や積算も担当者のスキルに任されていたので、支店ごとにお客さまへ提出する見積単価や販売価格が異なり、提案力に格差が生じていたことも課題でした。
重野氏:私は、営業担当者から問い合わせがあるたびに、ファイルを取り出して調べる作業を長年担当してきました。お客さまの過去の見積から、例えばどのワイヤーロープを、いつ交換したのか、長さはどうだったのかなどをひもといていくのです。通常の業務を中断して問い合わせに対応することが負担になっていたので、パソコンで検索できるようになることをとても期待していました。
畑中氏:弊社は保守点検を主体に行う企業のため、予防保全をするために重要なのは過去にどのようなメンテナンスを行ってきたのかというデータです。それが分かっていれば次のアクションに移ることができます。そうした意味でも、アフターサービス業務に特化したシステムが必要でした。
選定のポイント
取引先から紹介を受けたGrowOne メンテナンスをほぼ一択で選定
-- GrowOne メンテナンスを選定した理由についてお聞かせください。
畑中氏:選定にあたっては、1)取引実績のあるお客さま情報の管理を全社的に共有できること、2)支店ごとに積算原価の差異があったため、スキルのない社員でも同じ原価・販売価格でお客さまに提案ができることを条件としました。
そうした中、取引先の昇降機メーカーの方からGrowOne メンテナンスの紹介を受け、興味を持ったのがきっかけとなり、すぐにニッセイコムに問い合わせをしました。
GrowOne メンテナンスはお客さま情報や設備情報、見積情報、各種作業履歴などを一元管理し、全社で情報共有ができるほか、故障発生前の適切なタイミングで部品交換やリニューアル提案に結び付けられる仕組みがあること、さらに見積・受注・売上など収益に関する情報を可視化し的確な経営判断に結び付けられることなどが弊社の希望に合致すると判断。ほぼ一択の形で導入を決定しました。
導入の効果
顧客の施工履歴を入力したことでほぼ全てのお客さまの改修履歴が可視化
-- GrowOne メンテナンス導入後の効果についてお聞かせください。
畑中氏:GrowOne メンテナンスは、日常的に活用される新しい基幹システムであることを社員に浸透させるため、社内公募でネーミングを募集し、お客さま情報をオンラインで迅速に共有できるシステムという意味の頭文字を取り「COSMOS」という名称で呼ばれています。
高岡氏:COSMOSことGrowOne メンテナンスは2017年7月から本稼働を開始しました。当初は、営業部が主に活用し、見積作成や原価管理を行っていましたが、技術部にも運用を要請し、顧客情報の施工履歴を入力したことで、現時点ではほぼ全てのお客さまの改修履歴が可視化されています。それにより、交換時期を迎えた部品交換の提案や、故障発生時の修理・工事・リニューアル提案などが確実に行えるようになりました。
また、購買部でもGrowOne メンテナンスを利用し、施工中の発生原価の状況把握を可能にするべく運用を開始。さらに、設計部も施工履歴などを確認するため活用を始めています。営業部、技術部、購買部、設計部、そして業務部が共有することでGrowOne メンテナンスを経由しないとワークフローが走らない仕組みとなり、全社に浸透するようになりました。
忠岡氏:東京支社では、当初GrowOne メンテナンスの導入に大賛成というわけではありませんでした。Excelベースでもなんとかできるのではないかと考えていたからです。しかし、使い始めるとすぐにメリットが理解できました。GrowOne メンテナンスはクラウドで管理されているため、東京支社で検索をかければ他の支店で成功した提案資料などがすぐに入手でき、営業担当の省力化と時間の節約が可能となりました。
重野氏:私もそれをリアルに感じます。GrowOne メンテナンスの導入後は営業や現場から寄せられる確認依頼が約半分まで削減しました。
また、紙の資料については、必要なものをスキャニングして電子データをGrowOne メンテナンス内に保管したことで、紙のファイルが大幅に削減され、保管スペースも縮小しました。
-- GrowOne メンテナンスの導入前には想定していなかった新たな発見などございましたらお聞かせください。
高岡氏:新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言により、働き方が在宅勤務やリモートワークへ一気にシフトしました。その時は既にGrowOne メンテナンスの運用にも慣れた頃で、在宅勤務等に対応できることもあり、システム導入を進めてきてよかったと改めて実感しました。元々弊社の経営層や営業担当は出張が多く、移動中に仕事をどう進めるかがテーマでしたが、GrowOne メンテナンス導入後はいつでも、どこにいてもアクセスできるようになったので、外出中や移動時間を有効に使って業務にあたることができるようになったことは大きな進歩です。
忠岡氏:私は、顧客データの一元管理が可能になることで、社員のスキルに関係なく提案内容の精度が向上したことに注目しています。現場から上がってきた故障連絡を元に営業担当をアレンジしたり、同じ情報を元に予防保全の見積をしたりすることで、お客さまの弊社に対する信頼度が高まるとともに、受注までの期間が短縮できるようになったことは想定外の効果 でした。
また、経営判断の材料として、受注残・提案状況・商談の進捗状況などリアルタイムに確認することが可能 になったことも大きな収穫でした。
今後の展望
GrowOne メンテナンス導入による業務フロー見直しにニッセイコムが貢献
-- GrowOne メンテナンスの今後の活用予定をお聞かせください。
畑中氏:将来的には、現状Excelなどで行っている在庫管理、工程管理、保守点検管理にもGrowOne メンテナンスを活用し、無理のない範囲で効率化を進めたいと考えています。
-- 最後に、この度のプロジェクトを振り返り、ニッセイコムに対する評価や、今後に期待することなどをお聞かせください。
畑中氏:ニッセイコムの営業担当やSEの方が何度も弊社に足を運び、小さなことにも耳を傾け、さまざまな問題点について忌憚(きたん)のない意見をいただけたことで、未熟だった業務フローの見直しにつながり、GrowOne メンテナンス導入を成功に導いてくれました。今後も弊社のビジネスの発展に合わせて業務がより効率化できるよう、改修に向けた提案やアドバイスを大いに期待しています。
お忙しい中、ありがとうございました。
お客様プロフィール
1954年7月設立。舞台機構設備工事(吊物機構、音響反射板・残響可変装置、迫上げ機構・廻り舞台等床機構の設計、製作、据付、保守点検)や、緞帳及び諸幕縫製、大道具備品、舞台照明、音響関係、昇降機(荷物用、搬送機)などを手掛ける。お客さまを大切にし、既存設備をいかに活用していくかを高い技術と専門性を元に提案。定期的な保守点検から要望に添ったリニューアル、施工までを一元管理で対応し業界からの評価も高い。
- 業種
- 舞台装置
- 本社所在地
- 大阪府大阪市北区池田町1番43号 三精ビル
- 創業年月日
- 1954年7月17日
- 従業員数
- 53名(2020年4月現在)
- Webサイト
- 三精工事サービス株式会社
- 取材日
- 2022年9月
本事例に記載の情報は取材日時点のものであり、本ページ閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。
※Excelは、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標です。