レガシーシステムのオープン化 導入事例 株式会社ソーマ 様
「6社の候補企業の中からニッセイコムを選び、
- 導入製品
- レガシーシステムのオープン化
- 業界/業種
- 化粧品の製造・販売

導入の背景・目的
ニッセイコムに「レガシーシステムのオープン化」を依頼
-- ソーマは、ニッセイコムに何を依頼したのですか。
生産・販売管理についての「レガシーシステムのオープン化」を依頼しました。約10年間使ってきたオフコンをオープン化させることを決断し、2008年夏にニッセイコムに開発を発注しました。約1年間の設計、開発と平行稼働等を経て、2010年1月から本番稼働しました。
システムのオープン化に関する概要は、以下のとおりです。
項目 |
内容 |
---|---|
業務 |
生産・販売管理 |
開発プログラム本数 |
画面:134本 帳票:67本 |
移行元機種 |
IBM AS400 |
オープン化の目的 |
・将来の事業拡大に耐えうる基盤作り |
パッケージではなくオーダーメイドを選択
-- 発注先としてニッセイコムを選ばれるまでの、ベンダー選定の経緯を教えていただけますか。
候補企業は、それまで使っていたオフコンのサポートしていた既存ベンダーを含め6社ありました。ニッセイコムとはそれまで取引が無く、新規の候補企業でした。
選定時は、まず「パッケージにするか、オーダーメイドの開発にするか」で悩みました。
自社の業務に合ったパッケージを選べばコストをずいぶん抑えられると思っていました。しかし、下記のようなソーマ独自の業務をはじめからカバーしているパッケージはありませんでした。
(業務の例)
・商品出荷と連動したグループ会社間の売上仕入自動計上
(販売は別会社である「ソーマ化粧品株式会社」が行っている)
・請求時の歩引自動計算
・原料管理をする上での細かな権限の設定 等
パッケージの提案をしたベンダーの多くは、上記のような独自業務も「カスタマイズで柔軟に対応できる」と言いました。しかし、カスタマイズ費用が非常に高く、結局オーダーメイドで作るのと変わらないコストになってしまいます。
同程度の開発コストがかかるのであれば、「大幅なカスタマイズを加えたパッケージ」よりも「統一された設計思想の元でオーダーメイドされたシステム」のほうが、運用時のリスクやメンテナンスコストを抑えることができると考え、パッケージを使うのは断念しました。
その時点で候補は6社から半分に絞られました。
選定のポイント
ニッセイコムを選んだ理由
-- 最終的にニッセイコムを選んだ理由を教えてください。
ニッセイコムは、はじめは「パッケージを提案してきた候補企業の一つ」でした。しかし、打合せを重ねた後、オーダーメイドの提案に変更してくれました。パッケージ提案の企業の中で、カスタマイズではなくオーダーメイドの提案に完全に切り替えたのは、オープン系ではニッセイコムだけでした。
最終候補の中からニッセイコムを選んだ理由には、たとえば下記のようなものが挙げられます。
オープン化の実績
ニッセイコムは、パッケージとオーダーメイド双方での「レガシーのオープン化」の実績が豊富でした。はじめからどちらかに決めつけるのではなく、ソーマの業務を把握した上での「パッケージからオーダーメイドへの提案変更」には説得力がありました。

「人」の信頼感
ニッセイコムの営業担当者は、まだ何も発注していない段階から熱心に足を運んでくれました。レスポンスはもちろん提供してくれる情報の質も良く、「この営業担当者だったら、私たちの立場に立ってニッセイコムのリソースを動かしてくれる」と信頼できました。
SEについても同様です。信頼できるSEかどうかは、提案前のヒアリングでどれだけ業務を深く理解してくれるかでわかります。もっと端的にいうと「業務に関する質問」です。他社の中には、こちらがさらりと概要を説明しただけでわかったつもりになっていたSEもいましたが、ニッセイコムのSEは要所要所でしっかり反応し、深堀りしてくれました。
独自の開発手法「HostFramework」
パッケージではなくオーダーメイドを選択した時点で、長い開発期間や高いコストの覚悟はしていました。しかし、ニッセイコムの独自の開発手法である「HostFramework」を採用することで、ゼロベースで開発を行うのに比べて期間もコストもかなり抑えられることがわかりました。
正直に申し上げると、発注する前の時点で、HostFrameworkにはあまり注意を向けていませんでした。「なるほど、効率が良くなるならその手法を採用すればいい」程度に思っていました。
詳しくは後述しますが、HostFrameworkの良さをしっかり実感できたのは、しばらく後の稼働テストや運用が始まってからでした。
導入効果
最初のテストで数字がバシッと合った
-- 発注から設計~開発~稼働までのニッセイコムの活動について評価をいただけますか。
今思い出すと、詳細設計に入る前の初期の打合せの時点では不安がいっぱいでした。データベースから取りかかるオフコンの開発と異なり、オープンシステムではユーザーインターフェースから着手します。それはわかってはいたのですが、それにしても打合せに時間がかかり過ぎる! この調子ではいつ開発が始まるのかもわからず、予定通り稼働できるのかと心配していました。
しかし、それがHostFrameworkを用いた開発のやり方だと後でわかりました。初期の打合せに時間をかけ、まずブロックのような「プログラムの部品」をつくる。それにより開発工程が「部品の組み合わせ作業」となることで、開発の効率化やミスの減少につながるのだと説明を受けました。
実際、予定通りの期日で稼働テストに移行しました。
テストをしていく中で、勘定系の数値が一致したとき、これなら大丈夫だ、とホッとしたのを覚えています。
-- 稼働後の保守、運用についてはいかがでしょうか。
順調です。1回目のシステム更新時には何かしらのエラーは起こるだろうと覚悟していましたが、うまく更新できました。とてもバグが少ないことに驚いています。
これもHostFrameworkによる「部品化」のメリットなのだと思います。プログラムを部品化しておけば、「このエンジニアじゃないとコードがわからない」といった属人的なリスクを防ぐことができますし、プログラムの箇所によっては社内のエンジニアで修正を済ませてしまうこともできます。
HostFrameworkは、開発コストの削減だけでなく、メンテナンスコストを抑えることにも貢献しています。
オープン化を託すベンダーの選び方
-- 実際に経験されてわかった、「レガシーシステムをオープン化する際のベンダーの選び方」があれば、教えていただけますか?
あまり偉そうなことは言えませんが、1つだけやって良かったと思っているのは、「要件定義書の作成まで」を最初の契約期間としたことです。少々厳しい言い方をすると、要件定義までをベンダーの「試用期間」と位置づけたということです。
そうすることで、そのベンダーの実力を見極めた上で開発を任せることができます。怪しいなと思ったら、実際の開発に入る前にベンダーを切り替えることで、後々になってからの深刻な手戻りも回避できます。
この条件を歓迎しないベンダーもあるかもしれませんが、ニッセイコムは快く引き受けて期待通りのアウトプットを出してくれました。
今後の展望
ニッセイコムへのメッセージ
-- 最後に、ニッセイコムへのメッセージをお願いします。
お付き合いしてみてわかったニッセイコムの良さは「ずっと同じ人が関わってくれること」です。ニッセイコムくらいの会社の規模、体制を備えているところで、コロコロと担当者が変わらずに、同じ人が長くじっくりつき合ってくれる会社は、とても少ないと思います。私たちにとっては、それはとても安心できる要素の1つです。
生産・販売システムはソーマの事業の中心となるシステムです。
これからも引き続き、変わらぬご支援をよろしくお願いいたします。
お忙しい中、ありがとうございました。
お客様プロフィール

ソーマは、1942年に創業された化粧品の製造・販売会社です。
私たちの特長は、お客様に安心して使っていただくことを第一に考え、厳選した「自然の原料」をシンプルに用いて、肌が本来持っている自然の働きを大切にする製品をお届けしていることです。
基幹商品である「原液シリーズ化粧水」は、ハチミツや生ローヤルゼリーなどの各種成分から成る「原液」を最長8年にわたって、ワインのように熟成させてつくり上げます。独自の開発・製造技術によって、原材料の入荷から製品出荷までの長期間に渡る品質管理体制が整えられています。

時間と手間ひまをかけて作り上げた化粧品が、
多くのユーザーから支持されている
- 本社所在地
- 〒542-0012
大阪市中央区谷町7-1-9 - 設立
- 1942年9月
- 資本金
- 9,800万円
- 代表取締役
- 春里 史人
- Webサイト
- 株式会社ソーマ
- 取材日
- 2012年8月
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