組立加工製造(ディスクリート製造)におけるリードタイム短縮の勘所を解説

組立加工製造において生産性を向上させるには、各工程の作業手順や動作に無駄が生じていないかを1つひとつ見ていく必要があります。また、従業員が手作業で行っている工程を可能なかぎり自動化することで、不良品の発生を少なくし、作業負担の軽減につなげていけます。
業務を効率的に進めるには、ITシステムの活用を積極的に取り入れていくことも重要です。この記事では、組立加工製造におけるリードタイム短縮のポイントや改善方法を解説します。
目次
1.2. 組立加工製造はDXに向いている 2.1. 作業員に負荷がかかる
2.2. 手作業によるミスが起こる
2.3. 品質に差が出てしまう 3.1. 5Sを徹底して行う
3.2. 作業工程の見直しを図る
3.3. 作業動作のチェックを行う
3.4. 作業の動線を再検討する 4.1. スマートファクトリーとは
4.2. AIとIoTを活用するための課題
4.3. 生産管理システムを活用してみよう
1. 組立加工製造(ディスクリート製造)とは

組立加工製造(ディスクリート製造)においてリードタイムの短縮を図っていくには、まず基本的な捉え方を理解しておく必要があります。プロセス製造との違いやDX(デジタルトランスフォーメーション)との相性について解説します。
また、リードタイム短縮のためには生産管理システムの見直しも重要です。ニッセイコムの生産管理システムについてさらに詳しく知りたい方は、こちらのページをご覧ください。
ニッセイコムの生産管理システムについてさらに詳しく知りたい方はこちらのページをご覧ください。
1.1. プロセス製造との違い
組立加工製造は、ディスクリート製造とも呼ばれており、ディスクリートは「個々の、別々の」と意味を持ちます。製造業における組立加工製造とは、単体の部品を集めて1つの製品を完成させる製造方式をいいます。
具体的には、自動車や家電製品、半導体などが組立加工製造に当てはまります。一方、プロセス製造とは流体を原材料とした製造業を意味しており、化学プラントや製油工場などが挙げられます。
プロセス製造においては流体を取り扱うため、仕掛け品を管理する工程がありません。組立加工製造では仕掛け品をいったん在庫として保管する必要がある点に違いがあります。
したがって、組立加工製造においては仕掛け品をあらかじめ生産しておくことで、後工程の生産性を高められるのが特徴です。
1.2. 組立加工製造はDXに向いている
組立加工製造は前述のように仕掛け品の生産を前倒しで進められるため、工程の組み方によっては生産能力を飛躍的に高めることが可能です。特にIoTを活用した生産工程の見直しが利益の改善につながった事例が多く、日本のものづくり産業との相性がよいという見方があります。
生産工程におけるリードタイムを短縮化するには、業務のデジタル化だけでなく、全社的な取り組みとしてDXを推し進めていくことが重要です。中長期的な経営戦略、事業戦略に基づいてDXを推進し、製造現場の工程を見直してみましょう。
2. 組立加工製造における課題

組立加工製造のリードタイムを短縮させるには、どのような点が課題となっているのかを把握しておく必要があります。主な課題点として、次の3つが挙げられます。
組立加工製造における主な課題点
・作業員に負荷がかかる
・手作業によるミスが起こる
・品質に差が出てしまう
それぞれの課題点について解説します。
2.1. 作業員に負荷がかかる
組立加工製造は自動化できない場合は人間の手によって行うこととなりますが、その難易度は高いといえます。作業そのものを連続して行う必要があるため、従業員に高いスキルが求められる部分があり、熟練した技術を備えた人材の確保が課題となるからです。
また、必要な人材を確保できても連続作業による疲労の蓄積や身体的な負荷などの問題も生じます。従業員の負担をいかに減らして労働環境を改善するかが課題となります。
2.2. 手作業によるミスが起こる
部品の取り間違いや破損といった作業ミスが、組立加工製造では起こりやすいのも特徴です。製品を完成させるための重要な部品を壊してしまえば、部品の加工工程から再び取り組む必要があり、工数や費用にロスが生じます。
手作業によるミスを減らすには、機械による作業の自動化が欠かせません。定型化した作業を自動化することで、人為的なミスを防ぐことにつながるでしょう。
2.3. 品質に差が出てしまう
組立加工製造を手作業で行う場合、ベテランと若手従業員との間で製品の品質に差が生まれやすくなります。不良品が多ければ歩留まり率が低くなり、工場の生産能力が低下してしまいます。
ただし、欠陥品の数を具体的に把握することは難しく、気づかないうちにロスが多く出ている恐れもあるでしょう。工場の生産ラインにおいて、特に組立や組付けの工程ではミスが出やすいといわれているため、そうした部分の工程を自動化できれば歩留まり率を高めることにつなげられるはずです。
3. リードタイムを短縮させるための4つのポイント

リードタイムを短縮し、生産性を向上させるにはさまざまな面で製造現場を改善していく必要があります。具体的な方法として、以下の4つの点をここでは解説します。
リードタイムを短縮化するためのポイント
・5Sを徹底して行う
・作業工程の見直しを図る
・作業動作のチェックを行う
・作業の動線を再検討する
また、リードタイムの短縮化を図るには、製造業の業務基盤である生産管理を見直すことも重要です。ニッセイコムの生産管理システムについてさらに詳しく知りたい方は、こちらのページをご覧ください。
3.1. 5Sを徹底して行う
5Sとは、整理・整頓・清掃・清潔・しつけのことを表しており、製造現場において多くの企業で取り入れられています。現場の環境整備を徹底させることで、業務改善につなげていくことが狙いとしてあります。
整理によって不要な物を処分し、整頓することで必要な物をすぐに使える状態にしておきます。生産設備を問題なく稼働させるには、日頃の清掃・清潔が重要であり、それらを習慣化させるための教育が大事であるとされています。
3.2. 作業工程の見直しを図る
組立加工製造では、1つの完成品が仕上がるまでに多くの工程が必要になります。そのため、どこかの工程でトラブルが生じてしまうと、後工程にも大きな影響が出てきます。
各工程での生産計画をきちんと練ることが重要ですが、データを基にして最適なフローを検討していくことも大切だといえるでしょう。生産ラインに流す製品に応じて、機械装置の設定などを変更する段取り替え作業や作業工程を見直し、最適な生産ラインを構築していくことが大事です。
3.3. 作業動作のチェックを行う
各工程の作業においては、1つのサイクルで無駄な作業動作がないかを確認する必要があります。繰り返し作業を行うことになるため、どこでリードタイムが長くなっているのか、原因を明らかにしてみましょう。
1つひとつの動作が必要なものであるか、決められた時間内に作業が行えているかをチェックしていくことが大切です。
3.4. 作業の動線を再検討する
リードタイムの短縮化を図るには、工場全体の人の動きを把握したうえで、機械の設置場所や原材料の流れなどを考える必要があります。少ないスペースに多くの設備を置いてしまっては、かえって生産効率が低くなる場合もあるでしょう。
製造現場で働く従業員の意見も取り入れながら、作業の動線を再検討して、スムーズな動きが生み出せる状況を形作ってみてください。
4. AIとIoTを活用したスマートファクトリー化

4.1. スマートファクトリーとは
スマートファクトリーとは、工場の生産活動の一部または全部の生産設備をネットワークで接続し、データを一元管理化した工場のことで、生産性の向上が実現された工場を指します。AIやIoTなどの先端技術を駆使して、製造現場で日々発生している課題を見える化し、素早く問題の解決につなげていくことができます。
リアルタイムで正確な情報を収集することで課題認識を全社的に図り、製造現場における改善への取り組みを加速化させていきます。必要な情報を誰もが取り出せる環境を整えることによって、業務効率化の実現につなげていけるはずです。
4.2. AIとIoTを活用するための課題
スマートファクトリーを実現するには、AIやIoTの活用が不可欠ですが、いくつかクリアすべき課題もあります。まず、ITシステムと生産設備をネットワークで接続することが必要ですが、古いシステムや生産設備を使用している場合は、すべてを一新しなければならないこともあり、大きな負担となってしまいます。
また、ITシステムと生産設備を接続できたとしても、機器ごとのデータ収集に関する条件設定がバラバラだと、データをうまく活用することができません。データを上手に活用するためには、仕組みの構築が必要であり、そうした戦略を立てられるデジタル人材が必要です。
そして、スマートファクトリーを実現してからも、情報漏えいなどのセキュリティの課題は常にあります。取り扱うデータ量が膨大になるからこそ、セキュリティに関するリスクも高まるといえるでしょう。
スマートファクトリー化した工場ほど、サイバー攻撃を受けたときの被害は大きくなりやすいため、さまざまな角度からセキュリティ対策に取り組んでいく必要があります。
4.3. 生産管理システムを活用してみよう
リードタイムの短縮を実現するには、製造現場におけるリアルタイムなデータを収集し、統合して管理するためのシステムが欠かせません。生産管理システムを導入すれば、作業工程や原価管理、在庫管理といった組立加工製造にまつわる多くのデータを一元的に管理できます。
ニッセイコムの「GrowOne 生産SR」なら、業界特有の生産管理に対応でき、複数の工場の製造や品質管理、原価管理などを行えるので生産性の向上に活かせます。作業の効率化だけでなく、製品の品質向上や生産コストの削減など、製造現場で課題として抱えやすいことの解決につなげられます。
5. まとめ:組立加工製造の基本的なポイントを押さえ、リードタイムを短縮化していこう
組立加工製造においてリードタイムの短縮を図ることは、業務効率を高めて生産性の向上につながります。課題となりやすい点を把握したうえで、全体の生産工程の見直しに取り組んでみましょう。
人為的なミスを減らし、従業員の負担を軽減するには、デジタル技術の活用も欠かせません。ニッセイコムの生産管理システムを活用した業務改善に関心がある方はぜひお問い合わせください。
