GrowOne 生産情報システム 導入事例 機械メーカーA社

上場を果たした企業に合わせたシステム導入で、
BOMの高度化と内部統制の強化を実現。
建設業界特有の請求業務にも対応。GXでさらなる成長へ。

導入製品
GrowOne 生産情報システム
企業
機械メーカーA社(上場企業)
業界/業種
主に建設業界向けの機械製造(個別受注生産)
年商
100~150億円(2025年3月期)
従業員数
400~500名
機械メーカーA社

取材にご協力いただいたお客様
工場責任者 B様、システム部門責任者 C様

この記事のポイント

セミオーダー開発で実現! /

導入前の課題

  • 企業の成長によりBOM(部品表)機能の充実化が必要な状態に
    繰り返しのカスタマイズにより、システムが複雑化しレスポンスが低下。業務効率も低下した状態に。
  • 業界特有の請求業務対応で時間と労力を浪費
    建設業界特有の請求業務に対応するため、ゼネコン・サブコンへの請求書を手作業で発行。
  • 内部統制の強化が必要
    上場企業として、今まで以上に信頼性、効率性が求められた。

導入効果

  • BOM機能の充実化で手配~検収業務の効率がアップ
    在庫確認や手配業務をBOM機能の中で一元管理。
    検収までの一連の業務を自動化し効率的な業務が可能に。
  • 新機能実装で請求業務の大幅な時間短縮へ
    建設業界特有の請求方式に対応できる、柔軟性のある請求機能を実装。システム上でフレキシブルな請求入力・発行が可能に。
  • ファイル共有、ワークフロー機能の活用で、業務効率化・内部統制の強化へ
    データと関連書類を紐づけてシステム内で管理が可能に。
    煩雑な図面管理や承認作業が全てシステム上で完結。

導入の背景・目的

企業の成長に伴い多様化する業務。現行システムが限界を迎え、新システムの導入を検討。

A社は設立以来、主に商業施設や工場向けの機械の設計、開発、製造、販売、保守を手掛けてきました。生産管理システムは他社のパッケージ製品を利用し、販売管理システムは自社で作成したAccessを利用していました。事業が年々拡大する一方で、システム面では以下の3つの課題を抱えていました。

課題① 企業の成長により、BOM(部品表)機能の更なる充実が必要な状態に

大きな成長を続けるA社では、取り扱う商材も高度化する中で、従来よりもBOMの重要性が高まっていきました。しかし、既存のパッケージ製品の機能では対応しきれず、カスタマイズを重ねたことによるシステムの複雑化や、レスポンス低下が大きな課題となっていました。また、過度なカスタマイズにより、バージョンアップ費用や保守面でもA社は不安を抱えていました。

課題② 手作業による建設業界特有の請求業務で時間・労力の浪費

A社の得意先は建設工事業者(ゼネコン・サブコン)です。建設業界は特有のルールが多く、特殊な請求方法を行っています。例えば、同じ得意先でも現場ごとに支払い条件が異なる場合があります。また、工事の途中で出来高払いの形で中間金を請求することもあります。A社が当時利用していた生産管理システムは、このような請求業務には対応しておらず、手作業で全ての請求書を作成していたため、非常に手間と時間がかかっていました

課題③ 上場企業としての内部統制強化

A社は上場を果たしましたが、これまで以上に企業としての信頼性・効率性が求められるため、内部統制の観点、特にIT全般統制の観点からも、システム面で改善していかなければならないと考えていました。

これらの課題からA社は、「今後、さらに企業が成長していくためには今の生産管理システム・販売管理システムを使い続けることはできない」と考えました。

サービス選定の理由

"セミオーダー開発"でパッケージ導入とスクラッチ開発のいいとこどり!

A社がニッセイコムのGrowOne 生産情報システムを採用した大きな理由の1つは、システム標準で持っている機能はそのまま使い、A社の業務に合わせて柔軟に機能追加ができる「セミオーダー開発」であることです。

標準機能では対応が難しい建設業界特有のニーズや、A社の独自業務に対しても、きめ細やかに対応することが可能です。ニッセイコムにはそれらの知見を持つSEが在籍しており、業務を理解した上で最適なシステムの提案を行いました。

他社のパッケージ製品は、BOMや請求機能など標準機能では業務に合わない点があり、カスタマイズ費用が嵩みました。最終的に、A社はニッセイコムを含む計3社を比較検討し、機能面と費用面でニッセイコムを評価してご選定いただきました。

導入効果

セミオーダー開発で実現したA社特有業務と業界特有業務のシステム化。
~BOM機能の充実、建設業界特有の請求業務への対応、ファイル共有機能およびワークフロー機能~

効果① BOM~手配~検収業務の効率化・自動化

BOMはA社の業務に合わせて設計した部分です。BOM本来の機能は、部品を足し引きし部品構成や必要な部品の個数を確認することが主な目的ですが、A社ではBOMの機能の中に在庫確認や手配業務まで組み込んでいます

例えば、ある製品を作る場合、部品構成からそれぞれの部品の在庫状況が把握出来るようになっています。さらに、「在庫がある部品はそのまま使って、在庫がない部品は発注しよう」もしくは「この部品は自社で内作しよう」といった手配業務までを、BOM内で一貫して行うことができます。BOMの画面を開けば知りたい情報は全て見られる状態になっています。発注時にはシステム内のワークフローで承認が行われるため、正しい発注金額をシステムで管理できます。

発注した部品が入荷された後、月次で仕入れ先ごとに「仕入れ先に対しての検収通知書」と「仕入れ先からA社に対しての請求書」の2つが自動で発行され、自動FAXまたは自動メールで仕入れ先へ送付されます。検収内容に問題が無ければ、その請求書を返送してもらうだけで仕入れ先からA社に対して請求できる流れになっています。今までは生産管理システムに正しい発注金額データが無かったため、検収通知書や請求書は担当者が手作業で発行し、仕入れ先へ送付していました。これら一連の業務を自動化したことで、担当者の手作業がなくなり効率的に業務がまわるようになりました。また、正しいデータを管理できるため、仕入先との違算は発生しなくなりました。

効果② 建設業界特有の請求業務への対応

建設業界特有の請求業務に対応できるようにGrowOne 生産情報システムに機能を追加しました。A社は新しく建設されるビルや工場さらに病院などの施設に機械を納品しています。建設に関わる業者は建設現場に事務所を構え、その現場に対して納品を行います。全ての管理は現場単位で行います。同じ得意先でも現場事務所ごとに支払条件が異なるため、取引先マスタ内で現場単位の支払条件を管理できるようにしました。

また、建設業界の場合、納品する前でも途中で出来高払いの形で代金を請求することがあります。このような分割請求は建設業界では一般的なため、システムで対応する必要がありました。分割請求の際に請求明細を自由に変更でき、未請求分である残額をわかりやすく表示・管理できるようにしました。以前は担当者がExcelで請求書を作成していましたが、GrowOne 生産情報システム導入後は柔軟な請求入力が可能となり、システムから直接請求書を出力して使用できるようになりました。これにより、A社の事務作業の大幅な時間短縮に繋がりました

効果③ ファイル共有・ワークフロー機能による内部統制の強化

GrowOne 生産情報システムのファイル共有機能を使うことで、紙ベースで行っていた業務をシステムで完結できるようにしました。受注データ、発注データ、売上データに、見積書や図面データなど必要な関連書類を紐づけて管理できます。これまでは案件に紐づく資料は一度PDFにしてから共有フォルダに保管していたため、特定の資料を見つけるために時間がかかっていました。特に図面データは変更も頻繁に行われるため管理が煩雑でした。GrowOne 生産情報システム導入後は、ファイル共有機能を使うことで変更履歴も管理できるようになり、該当案件をシステム上で検索すれば全ての関連資料が簡単に見られるようになりました。

同様に、簡易ワークフロー機能も活用し、紙ベースでの運用を減らしています。以前は承認時に伝票と関連資料を紙で回付していましたが、今は外出時でもシステムにアクセスすれば金額や内容をチェックして承認をすることができ、また回覧状況も確認できるようになりました。これらの機能は内部統制の強化という面でも非常に役立っています。

今後の展望

さらなる業務効率化をめざして。
ワークフロー機能のスマートフォン対応、Web購買、GXソリューションの検討へ。

A社では、ワークフロー機能のWeb対応についての要望が現場から挙がっています。たとえば社外にいてもスマートフォンを用いて簡単に証憑を閲覧して承認ができるようにすることです。

また、A社はWeb購買機能の導入を検討中です。現在でも自動FAXや自動メール機能が備わっており利用されていますが、さらなる効率化をめざし、Web上で仕入れ先と注文書や請求書の受け渡しを実現したいと考えています。

さらに、グリーントランスフォーメーション(GX)についても検討されています。
現在、世界的にGXの取り組みが求められており、A社も上場企業としてGXについての取り組みを検討中です。ニッセイコムは生産管理システムへのGXソリューション機能の搭載を計画しており、今後A社と一緒に検討を進めていきたいと思います。

お忙しい中、ありがとうございました。

編集後記

今回、取材をさせていただく中で、A社より、ニッセイコムの対応について評価するお言葉を頂きました。

工場責任者B様のコメント
「ニッセイコムの対応については非常に満足しています。レスポンスがとても早く、いつも助かっています。 私は以前、別会社の情報システム部門に所属していたことがあります。優れたシステムを構築しても、そのあとのサポートが不十分な会社が多くあることを感じていました。その点、ニッセイコムは迅速に対応していただき、感謝しています。これからも長いお付き合いをお願いしたいと思っています。」

工場責任者B様はお時間の都合で途中退席されましたが、退席前に一度立ち上がってから再度座り直し、熱心にお話しくださったことは、本当に励みになりました!

・ Excel、Access は、米国 Microsoft Corporation の米国およびその他の国における商標または登録商標です。
・ GrowOne は、株式会社 ニッセイコムの登録商標です。