企業の未来を創るビジネスコラム ひらめきのタネ
生産性向上! 生産管理システムを中心にした工場での業務改善を解説
2024年03月23日
業務を効率化し、生産性を向上させるには生産管理システムの活用が欠かせません。生産計画や製造管理、在庫管理などさまざまな機能を備えているため、工場における業務フローを見直すために役立ちます。
この記事では、生産管理システムの基本的な特徴や必要とされる理由、導入検討の際のポイントを解説します。
目次
1. 生産管理システムの基礎について解説 1.1. 生産管理システムの概要 1.2. 生産管理システムの主な機能 1.3. 生産管理システムの必要性 2. 生産管理システムの種類 2.1. 生産方式の違い 2.2. 対応できる業務範囲 3. 生産管理システムを比較する際の5つのポイント 3.1. 自社の業務内容にマッチしているか 3.2. 生産方式はマッチしているか 3.3. ERPを採用すべきか 3.4. 提供形態と事業規模が適しているか 3.5. サポート体制は充実しているか 4. まとめ:生産管理システムの機能や選び方のコツを理解し、自社に合ったものを導入しよう
1. 生産管理システムの基礎について解説
生産管理システムを活用するには、仕組みや機能などを把握しておくことが大切です。製造業において、なぜ生産管理システムが求められるのかという点も踏まえて解説します。
ニッセイコムの生産管理システムについてさらに詳しく知りたい方はこちらのページをご覧ください。
生産管理システム「GrowOne 生産情報システム」のご紹介はこちら
1.1. 生産管理システムの概要
生産管理システムとは、製造業において工程や原価、在庫などに関する情報を一元管理するためのシステムを指します。製造現場のリアルタイムなデータを統合して管理することで、業務の効率化や製品の品質向上、生産コスト削減などの課題解決に結びつけます。
生産管理システムは原材料や部品の管理、加工、組立など製造業にまつわる多くの領域で活用することが可能です。また、業種についても機械装置・食料品・プラスチック成型品など、ほぼすべての製造業で利用されています。
特定の業種向けに特化したテンプレートがあらかじめ用意されているものもあり、自社の業種に合わせた生産管理システムを導入することができます。
1.2. 生産管理システムの主な機能
生産管理システムの主な機能として、次のような業務に対応するものが備わっています。
生産管理システムの主な機能
- 需要計画
- 生産計画
- 製造管理
- 調達管理
- 原価管理
- 工程管理
- 販売管理
- 在庫管理 など
利用する生産管理システムによって対応できる範囲は異なります。特定の業界向けのオプション機能を多数取りそろえているシステムもあるため、将来的に事業を拡大することも踏まえるなら、拡張性が高いものを選んでおくと、負担を軽減できるでしょう。
また、自社の基幹業務を統合的に管理するERPであれば、生産管理だけでなく、会計や人事といった幅広い業務にも対応できるので、業務の効率化につなげられます。自社が抱える課題点などを踏まえ、適したシステムを導入してみましょう。
1.3. 生産管理システムの必要性
製造業において生産管理システムが求められるのは、製品をつくるにあたって需要の見極めやスケジュールなどを厳密に管理していく必要があるからです。納期までに品質を満たした製品を生産する体制を整え、在庫の過不足をなくしていくことが欠かせません。
受注から原材料の調達、製造、出荷、納品といったプロセスを人の手だけで行おうとすれば、大きなミスが発生する恐れがあります。また、Excelなどで管理をしようとしても、部署同士の連携がうまくいかずに業務が思うように進まないといった場面も見られます。
生産管理システムを導入することで、人為的ミスの予防や情報共有などにつなげられ、業務を効率化する流れを生み出すことによって、生産性を高めていけます。
2. 生産管理システムの種類
自社に合った生産管理システムを選ぶには、「生産方式の違い」と「対応できる業務範囲」について精査する必要があります。それぞれのポイントを解説します。
2.1. 生産方式の違い
生産する製品によって、適した生産管理システムは大きく異なります。生産管理システムを大まかなタイプに分けると、以下の通りです。
- 複数の生産方式に対応可能な生産管理システム
- 個別受注による多品種少量生産に向いている生産管理システム
- 大量生産や繰返生産に向いている生産管理システム
繰返生産であれば、複数の生産方式に対応できるタイプのものを選ぶほうがよいでしょう。生産時期や生産量が複数にまたがっても、同時に管理することが可能です。
一方、多品種少量生産を行っている中小規模の工場であれば、個別受注に対応したものを選ぶほうが無難です。シンプルな設計で必要な機能だけを備えているタイプのものが多いので、無駄がなく使いやすいといえるでしょう。
2.2. 対応できる業務範囲
生産管理システムによって、対応できる業務範囲も異なります。受注管理・在庫管理・工程管理・原価管理などの機能は多くの生産管理システムに備わっていますが、販売管理や会計管理などの機能はすべてのものに付いているわけではありません。
そのため、生産管理システムを導入するにあたって、基本機能だけで業務をカバーできるのか、それとも追加機能が必要であるかを精査してみましょう。生産管理の他にも効率化したい業務があるなら、ERPのような統合システムの導入検討が必要です。
ただし、機能が多くなれば費用が高くなる場合もあるため、費用対効果を考えたうえで適切なものを選びましょう。
3. 生産管理システムを比較する際の5つのポイント
生産管理システムはさまざまな種類があり、それぞれ特徴も異なります。そのため、実際に導入を行うときは具体的な判断基準を理解しておくことが重要です。
ここでは、生産管理システムを比較する際のポイントとして、以下の5つの点を解説します。
生産管理システムを比較するときの5つのポイント
- 自社の業務内容にマッチしているか
- 生産方式はマッチしているか
- ERPを採用すべきか
- 提供形態と事業規模が適しているか
- サポート体制は充実しているか
ニッセイコムの生産管理システムについてさらに詳しく知りたい方はこちらのページをご覧ください。
生産管理システム「GrowOne 生産情報システム」のご紹介はこちら
3.1. 自社の業務内容にマッチしているか
具体的な生産管理システムを比較する前に、まずは自社が抱えている製造現場の課題を洗い出し、導入する目的を明確にしておきましょう。企業ごとに課題は異なりますが、例えば「売上は伸びているのに、最終的な利益があまり増えていない」という課題があるのなら、原価管理の機能を備えた生産管理システムを選び、工程ごとのコストがどのようになっているかを把握することが大切です。
自社の課題解決につながる機能が備わっているかは、生産管理システムごとに異なるため、必要な機能の有無は細かく確認しておく必要があります。また、優先して活用したい機能に順位を付けておくと、自社の業務内容にマッチしたものを選びやすくなります。
3.2. 生産方式はマッチしているか
生産管理システムを選ぶときは、自社の生産方式に沿っているかもチェックすることが大切です。一口に生産方式と言っても、ロット生産や個別受注生産、連続生産などさまざまでしょう。
また、生産体制についても多品種少量生産や少品種大量生産、変種変量生産などの違いがあります。導入を検討する生産管理システムが、自社の生産に適したものであるかを精査することが重要です。生産方式ごとに必要とされる機能は異なるため、自社がメインとしている生産方式に合ったものを選んでみましょう。
3.3. ERPを採用すべきか
生産管理システムだけでなく、ERP対応のものを選ぶべきかどうかも検討することが大事です。自社の基幹業務を統合的に管理したいと考えている場合、生産管理システムだけでなく、会計や顧客管理など複数の業務システムの機能を備えたERPの導入も検討してみましょう。
ただし、多くの機能が備わったシステムであれば、その分だけ導入コストを意識する必要があります。他業務システムとの統合の必要性と導入にかかる費用、そして導入によって削減できるコストなどを踏まえた上で、適したものを選ぶことが重要です。
ニッセイコムが提供している「GrowOne 生産情報システム」なら、製造現場の負担軽減をコンセプトに設計された生産管理システムであるため、さまざまな業種に対応した使い方ができます。業務特化型テンプレートが用意されているので、自社の課題解決につながる生産管理システムの導入がスムーズに行えます。
3.4. 提供形態と事業規模が適しているか
自社に適した生産管理システムを選ぶ際は、提供形態と事業規模が合っているかも確認しておきましょう。提供形態とは具体的に、クラウド型とオンプレミス型を指します。
クラウド型はWebを通じてサービスを利用できるので、サーバーなどを自社で用意する必要がなく、導入コストを抑えられます。Webに接続できる環境さえ整えれば、どこからでもシステムにアクセスできるので、業務の効率化を進めやすいでしょう。
一方、オンプレミス型は拡張性が高いため、自社に合った生産管理システムを構築できます。クラウド型よりも導入コストはかかる傾向がありますが、機能面でよりきめ細かなシステムを構築できるはずです。
そして、各社の生産管理システムにおいては導入が推奨されている事業規模があるので、あらかじめ確認しておきましょう。例えば、中堅企業の場合であれば、複数の生産方式に対応でき、海外の工場でも導入できるものを選ぶほうが費用対効果は高くなるといえます。
3.5. サポート体制は充実しているか
特に初めて生産管理システムを導入する場合は、必要なサポートを受けられるかも確認しておきましょう。導入支援だけでなく、運用や機能の活用方法などを幅広くサポートしてくれるものであれば、安心して利用できます。
電話やメールなどでのサポート以外に、専任の担当者が定期的に訪問してくれるようなサービスであれば、気軽に相談しやすいでしょう。システム運用に関する担当者が自社にいないときは、初めから手厚いサポートを受けられるものを選んでおくほうが無難です。
4. まとめ:生産管理システムの機能や選び方のコツを理解し、自社に合ったものを導入しよう
製造業において幅広い業種で生産管理システムは活用されています。提供されているサービスによって、備わっている機能は異なるため、自社の課題解決につながるものを選んでみましょう。
また、生産管理システムを導入する際は、自社の生産方式や事業規模などに合ったものを選び、費用対効果を考えることも大切です。自社に合わせたセミオーダーでのシステム開発に関心がある方はぜひお問い合わせください。
生産管理システム「GrowOne 生産情報システム」のご紹介はこちら
関連製品
-
GrowOne 生産SR
製造プロセス全体を統合し、リアルタイムでデータを共有・管理するための総合的なソリューションです。
-
STRAMMICシリーズ
STRAMMICシリーズは、食品・医薬品・化学品を中心としたバッチ・プロセス系のお客様にも、組立加工などのディスクリート系のお客様にも対応したシステムです。