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有給休暇に無関心の日本で有給消化が義務化した場合、企業はどう変わる?

2016年05月26日公開

日本は有給消化率が低く、有給消化に無関心な傾向があるといわれています。
厚生労働省の「平成27年就労条件総合調査結果の概況」では、日本の有給休暇取得率は47.6%との結果が出ており、消化率が100%に近い欧米諸国と比較し、日本は国際的に低い水準にあると言えます。

有給取得が進まない状況を改善するため、労働基準法改正案には「有給消化の義務化」が盛り込まれました。もし義務化が実現した場合、企業はどのように変わる必要があるのでしょうか。

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労働基準法改正案の概要

2015年4月、労働基準法の改正案が国会に提出されました。注目を集めたのは、企業に有給消化を義務付ける点です。
労働基準法では、6カ月間継続勤務し、出勤率が8割以上だった場合に有給休暇を10日付与することを定めています。改正案には、年に10日以上の有給休暇を付与された労働者に対して、企業側が毎年時季を指定して年に5日の有給休暇を消化させることが盛り込まれました。

さらに「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)推進官民トップ会議」(2010年6月29日)では、2020 年までの目標値として年次有給休暇の取得率を70%とすることが掲げられています。

有給消化率向上は日本の大きな課題です。今後義務化された場合に備えて、早急に対策を講じる必要があります。

「有給消化義務化」の今後

仕事

社内全体の有給取得率が高くても、部署によっては取得率が低い場合もあるため、注意が必要です。有給消化率が低い場合は消化が進まない原因を探り、対策を取ります。

管理職が率先して有給休暇を取得することも、社内の「有給休暇を取りづらい雰囲気」を変えるために効果的です。

業務が忙しいために社員が有給を消化できないケースもありますが、有給休暇の消化義務化に伴うしわ寄せが過度の残業につながらないようにする必要があります。

改正案には長時間労働抑制策も盛り込まれており、企業は業務内容を見直すとともに、限られた時間で最大の結果を出すために社員の意識改革を行うことが求められるのです。

有給消化が義務化された場合の企業への影響

飲食サービス業

有給消化が義務化された場合、企業にどのような影響を与えるのでしょうか。

すでに年5日以上の有給消化が浸透している企業では、大きな影響はありません。しかし、卸売・小売業界、医療業界、宿泊・飲食サービス業界や、少ない人員で仕事をこなす必要がある企業にとっては、有給消化義務化は悩ましい問題です。
このような業界や企業では、シフトを組んで1日当たりの労働者数を調整し、1人当たりの業務が専門的かつ量も多いという特長があります。そのような中で有給休暇を消化させるためには、業務の適正な配分や代替要員の確保を行う必要が生じます。

しかし、この有給消化義務がある年5日に関しては、企業が時季を指定できます。各企業の繁閑期に合った時季を指定することにより、上記の問題に対する影響を最小限に抑えることができるのです。
社内カレンダーを作成し、計画的に有給休暇を付与する「年次有給休暇の計画的付与制度」を導入することも有効ではないでしょうか。有給消化率が高い企業の中には、この制度を利用する企業も少なくありません。ただし、導入する際は就業規則への明記や労使協定の締結が必要です。

有給取得率70%を目指すために

前段に挙げた業界以外の方たちは、すでに5日以上有給を取得しており、有給消化を義務化されても大きな問題は無いかと思いますが、有給取得率70%は達成できていますでしょうか。

一般的な勤務体系の方の有給休暇は、雇入れ日から6ヶ月後に10日付与され、その後は、継続勤務年数1年ごとに1日ずつ付与され、最大で毎年20日ずつ付与されます。このような状況で、有給取得率を70%にするためには、周囲の協力による計画的な取得が不可欠です。有給取得を促進する方法として、「有給休暇ハンドブック」(厚生労働省)を参考に3つの例をご紹介します。

【1】夏季及び年末年始に有給休暇を付与する

夏季及び年末年始に休暇を設ける企業は少なくありません。この場合、夏季休暇及び年末年始休暇と有給を組み合わせることにより、長期連休にすることができます。

【2】飛び石連休の間に有給休暇を付与する

平日を挟んで休日が並ぶ「飛び石連休」の間に有給を設けることも効果的です。休日の並び方や有給の取り方によっては、4日~10日程度の休暇を取得することもできます。

【3】アニバーサリー休暇制度を設ける

アニバーサリー休暇制度とは、社員の誕生日や結婚記念日、家族の誕生日を休暇とする制度です。社員の誕生日や記念日を含む連続3日~4日をアニバーサリー休暇とし、社員の有給取得を促します。
社員の誕生月にいつでもアニバーサリー休暇を1日付与する制度を実施している企業や、社員本人のみならず、社員の家族の誕生月にも同様にアニバーサリー休暇を1日付与する企業もあります。

おわりに

今まで有給消化率が高くなかった企業にとっては、有給消化の問題に向き合わなければならない時が来たといえます。日本では有給の取得に罪悪感を持つ従業員が多いといわれていますが、従業員に適度な休息を与える有給休暇によって、業務の効率化や生産性アップが実現できる可能性も十分にあります。企業と従業員双方が意識改革や工夫を行うことが重要です。

ニッセイコムが提供する「GrowOne Cube人事」は、人事情報を管理するだけではなく、勤怠システムと連携することで、有給休暇情報を効率的に管理することができます。また、強力な検索機能により、様々な条件で社員を検索することで業務の適正な配分や代替要員の確保の検討材料にすることもできます。将来の有給休暇の消化義務化を視野に入れて、導入を検討されてはいかがでしょうか。

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