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女性活躍推進法案とは?法案の概要と、予想される企業への影響

2016年01月28日公開

2015年8月に「女性活躍推進法(女性の職業生活における活躍の推進に関する法律)」が成立しました。これによって、2016年4月1日から、労働者301人以上の企業では女性の職場環境を整備するための行動計画策定などが義務付けられます。
今回は、この法律整備に至った背景や日本の女性の就業状況を分析するとともに、この法律による企業への影響を予想し、ご紹介します。

女性活躍推進法案

日本と海外の比較

独立行政法人労働政策研究・研修機構(厚生労働省所管)が2015年3月に発表した『データブック国際労働比較2015』(統計情報は2013年度)を参考に、まずは2013年度の就業率をG7(先進7カ国)で比較してみましょう。
就業率とは、15~64歳の生産年齢人口に占める就業者の割合です。

日本と海外の比較

【G7の就業率(男女計)】
 1位 ドイツ …73.3%
 2位 カナダ …72.5%
 3位 日本  …71.7%
 4位 イギリス…71.3%
 5位 アメリカ…67.4%
 6位 フランス…64.1%
 7位 イタリア…56.4%

日本における生産年齢人口全体の就業率は、ドイツとカナダを下回っています。しかし、過去の日本の就業率は、2010年度70.1%、2011年度70.2%、2012年度70.6%、そして2013年度71.7%と、少しずつではありますが上昇しています
少子高齢化の影響を受けて生産年齢人口の減少が続いている日本ですが、女性の就業率ならびに60歳以上の就業率は少しずつ上昇しています。このような状況が、生産年齢人口は減少しているにも関わらず就業率は上昇する、という結果につながったのではないでしょうか。


次に、男女別の就業率についてG7各国の状況をご紹介します。

G7の就業率(男女別)

【男性の就業率】
 1位 日本  …80.8%
 2位 ドイツ …77.7%
 3位 イギリス…76.1%
 4位 カナダ …75.4%
 5位 アメリカ…72.6%
 6位 フランス…67.9%
 7位 イタリア…65.8%

【女性の就業率】
 1位 カナダ …69.6%
 2位 ドイツ …68.8%
 3位 イギリス…66.6%
 4位 日本  …62.4%
 5位 アメリカ…62.3%
 6位 フランス…60.4%
 7位 イタリア…47.2%

上記から見て取れる通り、男性の就業率は最高水準ですが、女性の就業率は平均的な値です。


続いて、全管理職人口に占める、女性管理職の割合を各国と比較してみましょう。

女性管理職の割合

 1位 アメリカ…43.4%
 2位 フランス…36.1%
 3位 カナダ …35.7%
 4位 イギリス…33.8%
 5位 ドイツ …28.8%
 6位 イタリア…26.9%
 7位 日本  …11.2%

上記において、日本は他国に比べて低水準という特長があります。2013年度の日本における女性管理職の割合は11.2%となっており、アメリカ(43.4%)の約4分の1、イギリス(33.8%)の約3分の1にとどまります。

これらの比較からも、日本は先進国であるにも関わらず、職場における女性の活躍が遅れていることは明白です。
このような女性の社会進出の遅れが安倍政権の成長戦略の1つである「女性が輝く日本」とつながり、2015年8月の女性活躍推進法成立へと至りました。

女性活躍推進法の概要

ここでは、厚生労働省の「女性活躍推進法特集ページ」をもとに、女性活躍推進法の概要をご紹介します。
女性活躍推進法において、従業員301人以上の企業は2016年4月1日までに以下の3つを実施することが必要です。

【1】女性従業員の活躍状況を把握・分析

女性従業員の活躍状況把握のために、まずは採用者の内、女性がどの程度占めているかという女性比率を分析する必要があります。また、従業員の勤続年数における男女差や女性従業員の労働時間の状況、自社の管理職全体に対する女性比率を分析する必要があります。

【2】行動計画策定と提出、ならびに社内への周知と外部への公表

【1】で行った分析の結果を踏まえ、自社がどのように女性活躍推進に取り組むかをまとめた行動計画を策定し、都道府県労働局へ届出するとともに社内に周知し、外部へも公表する必要があります。
なお、行動計画には、計画期間、数値目標、取組内容、取組そのものの実施期間を含める必要があります。

【3】女性従業員の活躍情報を外部へ公表

女性従業員の活躍情報は、自社ホームページや厚生労働省のホームページ(「女性の活躍・両立支援総合サイト」)に掲載するなど、外部へ公表する必要があります。

事業主行動計画の内容

事業主行動計画

行動計画において取り組むべき内容は多岐にわたります。
例えば女性従業員の積極的な採用や再雇用・中途採用に関する取り組みをはじめ、女性従業員の適切な人員配置職業教育・職業訓練などの育成に関する取り組み性別による役割分担意識の見直し、そして自社の企業文化改革に関する取り組みなどが挙げられます(厚生労働省/女性の職業生活における活躍の推進に関する法律の概要)。

このような行動計画の策定・届出を行った企業のうち、取組の実施状況が優れていると判断された場合は厚生労働大臣の認定を受け、認定証と認定マークを取得することができます。認定マークは自社の広告や商品に表示可能で、女性活躍推進企業であることのPRに役立ちます。企業イメージ向上の効果も期待できるでしょう。

企業側の懸念事項

この法律の「職業生活において、女性が自身の希望に応じた能力を十分に発揮・活躍できる環境を整備する」という目的自体に賛同する企業は多いでしょう。しかし女性活躍推進法の成立に伴い、すでに独自のやり方で自社なりに女性の活躍を推し進めてきたという企業に対しても、一律に行動計画の作成が求められるなど、業務上の負担を強いられてしまいます。
行動計画の作成や認定申請のために、キャリアを望んでいない女性を管理職に就かせたり、必要のないポストを作ったりする企業が現れることも考えられます。特に建設業界や運送業界など、そもそも女性就業者の少ない業界では、この法律への一連の対応に苦慮することが予想されます。

おわりに

女性活躍推進法成立を契機として、企業の女性管理職登用や、女性活用による持続的成長の実現を目指す動きの加速化が予想されます。女性を戦力とし、企業の発展へつなげるためには、女性社員のスキルおよびこれまでの担当業務の把握と適切な人員配置が不可欠です。

ニッセイコムの人事管理システム「GrowOne Cube人事」では、保有資格やTOEICスコアなどの情報、担当業務歴なども登録・検索することができます。女性社員の計画的な配置と人事業務の効率化を同時に実現できるため、女性活躍推進法を機に導入を検討されてはいかがでしょうか。

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