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独立行政法人国立文化財機構 奈良文化財研究所様(名画ナビゲーションシステム導入事例)

独立行政法人国立文化財機構 奈良文化財研究所様

お客様の声

「『壁画ナビゲーション』は、子供からお年寄りまで幅広く楽しまれており、さらに研究者にも喜ばれています」

導入製品

奈良文化財研究所 飛鳥資料館 学芸室長の石橋茂登氏(写真中央左)、同研究所 研究支援推進部 連携推進課長の田中康成氏(写真中央右)に、ニッセイコムから「名画ナビゲーションシステム」を導入された経緯や、一般公開後の反応や評価などについて伺いました。
※ 写真左端:飛鳥資料館 辻本あらた氏、写真右端:弊社営業 須賀

導入前の課題

  • 館者の「もっと近くで見たい」という要求に応えられなかった
  • 既に保有していたデジタル資産の活用方法が見つからなかった

導入後の成果

  • 子供からお年寄りまで簡単に楽しめる、 新しい展示方法を提供することができた
  • 新たな発見の可能性を拡げるツールを研究者に提供することができた

導入の背景・目的

「導入後、来館者が夢中で操作するイメージ」が浮かんできた

― はじめに、ニッセイコムから「名画ナビゲーションシステム」を導入された経緯について教えてください。

2014年4月に、東京国立博物館で「キトラ古墳壁画」の特別展が開催されました。その際に奈良文化財研究所とNICT(情報通信研究機構)が共同で「キトラに触れる!」という関連ブースを企画出展することになり、NICTから日立製作所の「名画ナビゲーション」を使ってみてはどうか、と紹介していただいたのが最初のきっかけでした。

名画ナビゲーションのシステムをお借りして、大型のタッチモニターでキトラ古墳と高松塚古墳の壁画のデジタル画像を自由に拡大縮小して鑑賞できるようにしました。この展示は、来館者に大変好評でした。一般の方が喜んで触れていたり、絵画の研究者たちが夢中になって操作していたりするのを見て、これは面白そうだと思いました。
導入したらきっとこうなるだろう、というイメージが浮かんできました。

当研究所では、それまで飛鳥資料館にてキトラ古墳の壁画の陶板模型展示を行っていました。実物大で古墳内の石室を再現し、空間そのものを体感するというものです。

そこに加えて名画ナビゲーションシステムを取り入れることで、陶板模型とは違った角度から、壁画の魅力や価値を発信できるのではないかと考えました。

— 「陶板模型とは違った角度からの魅力や価値」とは、どのようなものでしょうか。

具体的には、以下の3つが挙げられます。

学芸室長 石橋茂登氏

(1)壁画の修理作業は現在も進行中で、一般の方は実物をいつでも見られるわけではありません。特別に公開した時にも、ガラスケース越しでかなり遠くからしか見ることができません。
そのような展示物を、もっと間近で見たい、細かい部分までじっくり鑑賞したいという欲求は誰でも持っています。名画ナビゲーションを使うことで、それが実現できると思いました。

(2)一方で研究者の視点で考えると、名画ナビゲーションは研究のツールとしても非常に有効だと考えました。壁画を拡大することで、肉眼ではわからない細かな描線や、下書きの線がどのようになっているかというところまで良く見ることができます。
実際に東京国立博物館で名画ナビゲーションを体験した当研究所のスタッフからも「これは研究用にも役立つのでは」という意見が多く寄せられました。

(3)もともと壁画の高精細のデジタル写真は、修理作業の記録や研究の目的で多く撮影していました。ただ、そのデータを一般の方向けにどのように出していくかという活用の手段がなかなか見つかっていませんでした。
名画ナビゲーションを使えば、たとえば赤外線スキャンをした画像との比較(赤外線によって、土で覆われて見にくい輪郭線も明瞭に見ることができる)なども容易に行うことができます。「既に保有しているデジタル資産の有効活用」という視点でもメリットがあると考えました。

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選定ポイント

スペック比較を行い、日立の「名画ナビゲーション」を採用

— その後、名画ナビゲーションの導入はどのように進んでいかれたのですか。

実際に触れてみて特に気に入っていたのが所長だったということもあり(笑)、導入の検討はスムーズに進んでいきました。この種のシステムは、やはり実物に触れてみることが一番だと思います。加えて、会場で楽しんでいるお客様の様子を見ることができたことも大きかったと思います。

— 同種の機器やシステムの比較検討は行ったのでしょうか。

いくつかリストアップして、スペックの比較を行いました。
デジタル画像を表示できるタッチモニターは他にもありました。しかし以下のような点で、私たちの要求に見合うものは「名画ナビゲーションシステム」だけでした。

〔滑らかな操作感〕
他の製品は、拡大縮小に時間がかかったり、カクカクとした操作感を感じたりしました。最小サイズから最大サイズまで、滑らかに拡大縮小が可能なのは、名画ナビゲーションだけでした。

〔拡大範囲の設定〕
名画ナビゲーションは、ぼやけた状態になるとそれ以上拡大しないという「ストップ機能」がついています。私たちが見せたいレベルのところで止まってくれるので、展示品質をコントロールすることができます。

〔簡単なシステム〕
メニューやサムネイルなどの画像の表示設定は、データをディスクに保存するときに簡単に設定できます。データの入れ替えも容易で、普通にパソコンが使える人なら誰でも管理することができるシステムでした。

名画ナビゲーションの導入を決定したのは2014年の6月末です。それから約2ヶ月の準備期間を経て、飛鳥資料館と平城宮跡資料館に一台ずつ設置しました。
飛鳥資料館については、もともと撮影していた高松塚古墳とキトラ古墳の壁画画像を三種類用意しました。「石室内にあった状態の写真」では濡れた色の質感を、「取り出した後の写真」では修理された最新の画像を、「赤外線写真」では可視光線で見えない線まで見ることができます。それぞれの比較も簡単です。

壁画画像の展示ですから、飛鳥資料館のシステムは「壁画ナビゲーション」と命名しました。
プレスリリースを行い、2014年8月23日から公開をスタートさせました。

飛鳥資料館に設置された「壁画ナビゲーション」

飛鳥資料館に設置された「壁画ナビゲーション」。
43インチのタッチモニターは9億画素の画像を表示できる。

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導入効果

お客様には喜ばれ、同業者には羨ましがられた

—「壁画ナビゲーション」を公開するまでに、どのような準備を行いましたか。

準備にはほとんど手間がかかりませんでした。
ニッセイコムにハードの設置やソフトの設定を行っていただき、サンプルのデータを使って操作方法の説明を受けました。説明は2〜3時間ほどだったと思います。システムの事前準備はそれでおしまいです。その後は自分たちでデータの入れ替えや設定を行いました。

また、来館者向けに操作方法の説明シートを用意しようと考えたこともありましたが、結局用意しませんでした。今は多くの方がスマートフォンの操作に慣れていますし、直感的にわかるだろうと判断しました。

— 公開後の反応はいかがでしたか。

記者発表を行い、新聞やテレビで報道していただきました。
その結果、「壁画ナビを見にきました」と、これ目当てに来館される方が何人もいらっしゃいました。普通、自分からそのようにおっしゃる方はごく少数です。ですから、実際にはかなりの人数が報道を見て来ていただいたのだと思います。

先述の操作説明文書も不要でした。子供やお年寄りまで何の説明も無く、それぞれの興味関心に応じて好きな壁画写真を選び、拡大したり動かしたりして楽しんでいます。

自分の指先で、壁画の細部に迫る。
自分の指先で、壁画の細部に迫る。

一番喜んでいるのは絵画の研究者の方々かもしれません。
飛鳥巡りで学生を連れてきたり、研究所にいらしたりする先生方に「ちょっとやってみませんか」と声をかけると飛びつきます。
「この線よりこっちの線を先に描いているのか」
「白虎の瞳には、ちゃんと虹彩の点が打ってあるんだね」
などと色々な話をされています。

今までにはない全く新しい見方ですから、これまで気づかれていなかった何かを発見できる可能性があります。他の博物館の方がいらっしゃって「これ、いいなあ」と言われることも少なくありません。

— 公開して数ヶ月経ちますが、動作不良などは起こりませんでしたか?

一回だけ、停電が起きたときに手動で再起動をしなくてはいけませんでした。
それ以外は、一度も壊れたりフリーズしたりしたことはありません。
力強くパネルに触れるお子様もいらっしゃいますが、大丈夫です。

「壁画ナビゲーション」はパソコンやタブレットのようにキーボードやメニューボタン、外部機器の接続口などがありません。余計なことができないぶん、安定性にも優れていると思いました。

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今後の展望

研究支援推進部 連携推進課長 田中康成氏

— ニッセイコムに何かリクエストはございますか?

博物館にはさまざまなシステムが導入されていますが、導入した時のOSのバージョンで作られているため、老朽化したハードを入れ替えようとしてもOSのバージョンが変わっていて対応できないということが起こりがちです。「壁画ナビゲーション」については、そのような事が起こらないよう、システムの継続的なバージョン対応を期待しています。

— 最後に、今後の展望について教えてください。

「壁画ナビゲーション」は、展示と研究の両面で色々な可能性のあるツールだということを実感しています。もともとは名画ナビゲーションという名前のとおり、絵画展示向けに作られたシステムと伺っていますが、遺物や木簡、昆虫や切手などにも適用できると思います。細かい細工が施されている物は、ガラス越しに眺めるだけではなく、拡大して見たいという欲求が常に起こると思います。
加えて、研究や文化財の修理作業などにも活用できるのではないでしょうか。

平城宮跡資料館のほうでは、展覧会の目玉となる展示物の写真をそのつど入れ替えてみるということを試しています。実物はガラス越しで見て、より拡大して見たい、裏側が見たい、一番良いライティングで見たいという時にはナビゲーションを使う。そのような形で、実物とデジタルをリンクさせた展示のあり方を追求していきたいと考えています。

お忙しい中、ありがとうございました。

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お客様について

独立行政法人国立文化財機構の一施設。
企画調整部、文化遺産部、都城発掘調査部、埋蔵文化財センター、事務局としての研究支援推進部、展示施設としての飛鳥資料館からなり、平城宮跡や飛鳥・藤原宮跡の発掘調査をはじめ、文化財の保存・修復、遺跡の整備活用手法の実践的研究、新たな文化財類型である文化的景観の調査研究など、文化財の学際的、総合的な調査研究に取り組んでいる。

奈良文化財研究所

所在地 奈良市佐紀町247-1
発足年月日 1952年4月
Webサイト 外部サイトへリンク 新規ウインドウで開きます。奈良文化財研究所(外部サイト)

2014年11月取材。
このページの情報は取材日時点のものです。
現時点では変更になっている場合もありますのでご了承ください。

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